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書籍やスーパーでも気軽に楽しめるバイオミメティクスだが、多数の生物の標本を展示している博物館(水族館や植物園含む)でも学ぶことができる。今回は、博物館でバイオミメティクスを楽しむ視点をご紹介したい。
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なんといっても多数の生物が展示されていることこそ博物館の強みである。
そして、同じ環境にいる生物群や、遺伝的に近いグループでまとめて展示していることが多い。これは、バイオミメティクスを考えるときにとても助かるのである。
例えば「砂漠に生息する生物たち」と展示されている場合、それら生物には共通して暑さへの対策を持っていると予測することかできる。(仕組みの内容は当然異なるだろうが。)
砂漠や乾燥地帯に棲む生物の面白い生存戦略! 将来のバイオミメティクスになるかも!?
一方、遺伝的に近いグループでまとめられている場合は、比較して異なる点がそれぞれの生息環境に適応した仕組みである可能性がある。
企業等で組織的にバイオミメティクスを導入するにはいまだハードルが高い現状ではあるが、参考になる生物を見つけられる確率を上げることに損はないだろう。
図鑑や論文から得られる情報量よりは少ないかもしれないが、博物館でも展示生物の生態を紹介するパネルはよく設置されている。そのような紹介文から各生物の生態を知ることで、抱えている技術課題と繋がるキーワードが見つかるかもしれない。
例えば、「山火事にあっても生き残る植物である」といった紹介文があったら、「何か耐熱、耐燃焼の仕組みがあるかもしれない」と気付くことができる。
アイデアへ気付く仮定についてはこちらの過去記事も参照のこと。
スーパーでバイオミメティクス調査!「新規技術に繋がる野菜・魚介7選」
ある生物やある環境に深く入り込んだ特別展は、その分細かい情報に触れることができるのでオススメである。直接バイオミメティクスに繋がるアイデアが書かれていることもある。
例えば、国立科学博物館で2023年7月15日~10月9日に行われていた特別展「海 ―生命のみなもと―」では、海の環境や生態系、多数の生物を詳しく学ぶことができた。2024年3月16日~6月9日に名古屋市科学館でも開催されるそうなので、興味のある人は要チェックである。
『めっちゃ!昆虫展』(ひらかたパーク)や『日本の鳥の巣と卵』(大阪市立自然史博物館)、『バッタ展』(広島市森林こんちゅう館)など、結構マニアックな特別展が実は頻繁に行われているのである。(イベントはすべて終了しています。)
経験上、このようなある分野に特化した特別展では、クスっと笑える展示や(良い意味で)「なんでやねんw」と思わずつっこみたくなるような生物展示があるので個人的にとても好きである。
海外では、博物館がもつ膨大なリソースを活かして長期的かつ主体的にバイオミメティクス研究に関わったり、動物園でバイオミメティクスの学会が開かれたりと、興味を惹かれる取り組みも行われている。
今後私もそのようなことが企画できれば嬉しいと思っている。
今回は博物館でバイオミメティクスを楽しむ方法について書いたが、バイオミメティクス関係なく、知らなかった生物を知ることで好奇心は刺激されるだろう。
各地に素晴らしい博物館があるので、気軽に訪ねてみてほしい。