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こんにちは!ビッグデータ解析企業のVALUENEXです。皆さんは、化粧品の成分表示やサプリメントのパッケージで「ビタミンE」や「トコフェロール」という名前を見かけたことはありませんか?肌によい成分、抗酸化のビタミンとして知られる、身近な栄養素です。ところがこのビタミンEは今、mRNAワクチンや核酸医薬といった最先端の薬をつくる場面でも使われています。
ここでは、おなじみの成分が医療の最前線で担っている役割を、特許のデータから眺めてみます。
トコフェロールは、ビタミンEと呼ばれる成分の中心にあたる物質で、油に溶けやすい脂溶性ビタミンの一種です。大きな特徴は抗酸化作用、つまり油や細胞膜が酸素で傷むのを防ぐ働きです。植物油やナッツ、小麦胚芽などに多く含まれ、体の中では細胞膜の脂を酸化から守る役目を担っています。
トコフェロールにはα(アルファ)からδ(デルタ)まで性質の違う仲間があり、構造の近いトコトリエノールとあわせてビタミンEと総称されます。そのままでは酸化しやすいため、酢酸エステルの形にして扱いやすくすることもよくあります。食品では油の酸化を防ぐ酸化防止剤として、化粧品では肌を守る成分として、古くから幅広く使われてきました。
では研究者や企業は、トコフェロールをどんな医療技術に活かそうとしているのでしょうか。2005年から2025年までに日本で公開された特許を集めて、マップにしてみました。

図1:医療分野におけるトコフェロールに関する技術の全体俯瞰
上の図ですが、当社のデータ解析技術を使って「医療分野におけるトコフェロールに関する技術」に関する約2,800件の日本の特許をマップとして表現したものになります。これを我々は俯瞰図と呼んでいて、各特許が青いプロットで表現されており、特許の内容が近いもの同士を近くに配置しています。特許が密集している箇所は密集度合いに応じて赤色、黄色や緑色で強調して表現しており、これらを領域として囲った上で、領域内を説明するキーワードをラベルで示しています。
いちばん大きいのが【配合、皮膚外用剤、化粧料】の領域です。トコフェロール酢酸エステルを含む塗り薬やスキンケアの配合を最適化し、使ったときの感触を整えたり、酸化を防ぐ量を調整したりする技術が集まっています。その近くには貼り薬に関わる【調合物、配合、共重合体】の領域があります。皮膚から成分を取り込ませるパッチ製剤で、不織布やフィルムを土台に、共重合体を使った粘着剤の層をどう設計するかが主題です。ここでのトコフェロールは、製剤が劣化するのを防ぐ抗酸化剤として、また基材をやわらかく保つ成分として加えられています。
図の左側には【rna、mrna、ヌクレオチド】の領域があります。mRNAワクチンでおなじみの脂質ナノ粒子(LNP)に、トコフェロールの誘導体を組み込んで安定させる技術などが中心です。この領域は【製剤、リン脂質、脂質】や【アジュバント、ワクチン、スクアレン】の領域と近くに位置しており、核酸を運ぶ脂質の設計と免疫を高める技術が手を結んでいく可能性があると考えられます。
ほかにも、歯周治療用のゲルを扱う【配合、口腔用組成物、質量比】、目薬での溶かし方を工夫する【点眼剤、poe、配合】、DHAやEPAの酸化を防ぐ【dha、epa、dpa】、CBDの油を安定させる【カンナビノイド、カンナビジオール、cbd】などが並びます。
出願件数の上位に並ぶのは、まず国内の日用品・医薬品メーカーです。1位のロート製薬さんは皮膚外用剤や化粧料、点眼剤の配合を軸に出願を続け、小林製薬さんは直近の出願比率が高く近年の活動が活発です。花王さん、ライオンさん、サンスターさんは口腔用組成物の配合に強みを持ち、安定したペースを保っています。
海外勢では、ワクチンのアジュバントと脂質製剤を手がけるグラクソ・スミスクライン バイオロジカルズさんが上位に入るものの、直近の出願は少なく活動は落ち着いています。素材のDSMさんや化粧品のロレアルさんも上位で、ロレアルさんは近年の伸びが目立ちます。そして10位にはmRNAワクチンのモデルナさんが登場し、核酸医薬の領域に集中しています。
領域ごとに2020年以降の新規参入率を見ると、【rna、mrna、ヌクレオチド】が54.3%で最も高く、【カンナビノイド、カンナビジオール、cbd】が45.5%と続きます。ここが今の激戦区です。

表1:主要プレイヤーの出願傾向(上位プレイヤー)

表2:各領域で2020年以降に参入したプレイヤーの割合
今回は、化粧品やサプリでおなじみのビタミンE、トコフェロールが医療分野で果たしている役割を、特許の俯瞰図から見てきました。いちばん大きいのは塗り薬やスキンケアの配合技術で、貼り薬や歯磨き剤、目薬にも技術が広がっていました。
同時に、mRNAワクチンの脂質ナノ粒子やCBD製剤といった領域では、新しく参入する企業が半数近くを占めるほど競争が活発になっていました。医療分野におけるトコフェロールは、酸化を防ぐ成分としての役割にとどまらず、薬を目的の場所まで届けるための材料としても使われるようになってきたようです。
今度、化粧品やサプリメントのパッケージで「トコフェロール」の文字を見かけたら、この身近な成分が最先端の医薬も陰で支えているのだと、ちょっと思い出してみてくださいね。
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