力学的エネルギーとは?力学的エネルギー保存の法則って何?

2023.08.11

Byかむら

力学的エネルギーとは?保存の法則含めわかりやすく解説!力学的エネルギーは、中学物理で学習する単元の一つです。
複数のエネルギーを掛けあわせて考えることから、混乱する人も多いのではないでしょうか。
この記事では、そもそも力学的エネルギーとは何なのか、どのように考えればいいのかを解説しています。
この記事を読めば、中学物理の復習ができるでしょう。
ぜひ最後までご覧ください。

力学的エネルギーとは?

力学的エネルギーとは、位置エネルギーと運動エネルギーを組み合わせてできているエネルギーのことです。
力学的エネルギーは、外部からの力が加わらないという条件のもとに成り立っています。
外部からの力とは、空気抵抗や摩擦などのことです。
動いている物体は動くことで消費するエネルギー以外にも、発生する音や熱でエネルギーを消費しています。
力学的エネルギーは、音や熱などで消費されないという条件のもと成り立っています。

力学的エネルギーとは?

位置エネルギーとは?

位置エネルギーとは、物体が置かれている場所によって、所持しているエネルギーのことです。
位置エネルギーは、高さと物体の重さで決定されます。
たとえば、50cmの高さにあるボールよりも、50mの高さにあるボールの方が位置は高いですよね。
この場合、50mの高さのボールの方が位置エネルギーは大きいと判断します。

また、重さでは、重量の多いものほど位置エネルギーが高くなります。
同じ高さから、ゴムボールと鉄球落としたら、どちらの衝撃が強いでしょうか。
当然、重量の大きい鉄球の方が衝撃は強くなりますよね。
これにより、軽いゴムボールと重い鉄球であれば、鉄球の方がより大きなエネルギーを持っているといえます。

位置エネルギーは、高さと重さを掛け合わせて考えます。
どちらか一方だけでなく、高さと重さがそろっていなければ位置エネルギーを割りだせません。

位置エネルギーとは?

運動エネルギーとは?

運動エネルギーとは、物体が動くために持っているエネルギーのことです。
たとえば、テーブルの上で静止しているボールの運動エネルギーは0です。
一方で、テーブルから落下するボールには動きがあり、運動エネルギーが存在しています。
このときの落下速度が運動エネルギーです。

運動エネルギーは、速度と物体の重さから割り出せます。
たとえば、ドッジボールをしている時、パスするようにやわらかく投げられるのと、アウトにしようと思いっきりぶつけられるのとでは、どちらが痛いでしょうか。
当然、速度の大きい思いっきり投げられる方が、衝撃が強く、エネルギーが大きくなっています。

また、物体の重さも運動エネルギーに影響しています。
紙風船とボウリングの球、同じ高さから地上に落としたとき、どちらの衝撃が大きくなるでしょうか。
重量の大きなボウリングの球の方が、より強い衝撃を与えます。
運動エネルギーは、速度と物体の重さを掛け合わせて算出できるのです。

運動エネルギーとは?

力学的エネルギー保存の法則

力学的エネルギーは、位置エネルギーと運動エネルギーを組み合わせて成り立っています。
物体の動きに空気抵抗や摩擦など、外部の要因が変わらなければ、力学的エネルギーは一定の強さを保ちます。
これを力学的エネルギー保存の法則(力学的エネルギーの保存則とも)と呼びます。

たとえば、高さ10mの台の上に置いた2kgのボール。
このボールの位置エネルギーは20です。
このボールを転がし、台から落としてみればどうでしょうか?
台から落ちる分、高さが少なくなり、位置エネルギーが減少します。
その代わり、ボールに台から落ちていく運動エネルギーがプラスされます。
ボールが床に着いた瞬間はどうでしょうか?
位置エネルギーは0です。
床についているといっても、床に着く瞬間までは、落ちている間に重力によって加速して、運動エネルギーは最大になっています。

はじめに台の上にあったボールは、静止していたので、運動エネルギーは0です。その代わりに位置エネルギーは最大でした。
落ちている途中のボールは、位置エネルギーが少し減った代わりに、運動エネルギーが増加しています。
床についたボールは、位置エネルギーが0の代わりに、運動エネルギーが最大になっています。
それぞれのポイントでの、位置エネルギーと運動エネルギーの総量は、常に一定になっています。
これが力学的エネルギー保存の法則です。

この力学的エネルギー保存の法則を利用すれば、動いている物体の位置エネルギーや運動エネルギーを求められます。
力学的エネルギーは保存されているので、値は変わりません。
運動エネルギーか位置エネルギー、どちらかが分かっていれば、力学的エネルギーから引き算で割り出せます。

なお、練習問題で位置エネルギーや運動エネルギーが出てきた場合は、必ず空気抵抗や摩擦など、外部の力が影響しない条件がついているのを確認しましょう
条件がついていない場合、運動中の物体が発する音や熱で、エネルギーが消費され、力学的エネルギーが保存されないのです。

力学的エネルギー保存の法則

まとめ

力学的エネルギーは、位置エネルギーと運動エネルギーからなるエネルギーです。
空気抵抗や摩擦など、外部の影響がない時に、一定の力を持つことができます。
力学的エネルギーが保存されている場合、位置エネルギーが高い時は、運動エネルギーが低くなる。位置エネルギーが低い場合は、運動エネルギーが高くなると覚えておけばよいでしょう。

力学的エネルギーの問題は、滑り台や振り子を使って出題される傾向があります。
どの問題でも、高いところにあるものは位置エネルギーが高く、運動エネルギーが低い。低いところにあるものは、速度が早いため、運動エネルギーが高い、と覚えておきましょう。

力学的エネルギーは、基本を押さえておけば簡単に解くことができます。
ぜひ、この記事を参考に、中学物理の復習に役立ててみてください。

力学的エネルギーまとめ

 

 

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