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みなさんこんにちは! サイエンスライターな妖精の時々VTuber彩恵りりだよ!
今回の解説の主題は、「PTFE (ポリテトラフルオロエチレン)」を室温で化学的に分解する方法に関するお話だよ。商品名「テフロン」で知られているPTFEだけど、化学反応を起こしにくい特性が製品として使用される分、その安定性が廃棄やリサイクルでは厄介になっちゃうんだよね。
ではどうやったのかと言うと、金属ナトリウムと共にボールミルにかけてみたんだよね!その結果、かなりの効率で「フッ化ナトリウム」と単体炭素の混合物へと分解できたのよ。フッ化ナトリウムはそれ自体に医療用途があるし、他のフッ化物への原料物質としても使えるのよ。
今回は分解を中心としているので、この実験の後に試された応用的な手法も含め、まだまだ課題は残されているけど、それでも発展を期待したい、興味深くて面白い研究だよ!
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「PTFE (ポリテトラフルオロエチレン)」という物質を知ってるかな?知らない?1938年にこの物質を合成した、デュポン社の商標としての名前「テフロン」という名前ならピンと来るはずよ!焦げ付き防止コーティングがウリとして書かれている、フライパンやその他鉄板系の調理器具で使われているアレが代表的だね。
PTFEの分子構造を見てみると、長い炭素原子の鎖の周りが、全てフッ素原子で覆われている構造となっているよね?フッ素の化学結合は非常に安定で、単独ですらちょっとやそっとの方法では全然分解しないのよね。ましてやフッ素原子で全体を包んでいるPTFEの安定性は、他のフッ化物と比べても段違いなところがあるよ。
フライパンというと日常的なイメージだけど、化学的にみれば、酸性やアルカリ性を示す混合物が、反応を促進する100℃以上の高温に晒される場なので、室温と比べて化学反応が進みやすい環境と言えるよ。食品という人体に直接触れるのが調理器具なので、有害な物質が生じるリスクはなるべく最小化したいのよね。
こうしてみると、PTFEはうってつけの材料なのよ。食品や洗剤に使われるような酸やアルカリには反応しないし、260℃未満では全然分解しないから、日常的な調理で変なことが起きる恐れがないのよね。だからこそPTFEは、調理器具という日常使いする製品に使われるのよ。
PTFEがいろんなものと反応しないという性質は、反応性の高い物質を入れる容器や、人工血管やインプラントのような医学用途などでも役に立ち、何十年もの使用実績があるのよね。極端な例として、2025年のイグノーベル賞では「PTFEでかさ増ししてカロリーを抑えた食品」というアイデアが受賞するみたいなこともあったね。
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ただし、物理的にも化学的にも安定しているというPTFEの利点は、捨てる段階になると厄介な性質に裏返っちゃうんだよね。何しろ、ちょっとやそっとのことでは反応しないので、分解してリサイクルや廃棄しやすい形に化学変化を指せるのが難しくなっちゃうのよね。
もちろん、PTFEも完全に無敵ではないので、例えば高熱を当てれば分解できるよ。だけど熱源と言えばそのエネルギー源が化石燃料であることが多い現代社会では、その方法はエコとは言えないし、むしろ焼却炉などで中途半端な温度に晒すと、中途半端に分解してPFASのような有害物質ができてしまう恐れがあるのよね。
またPTFEの原料は、その大元まで辿ると化石燃料 (天然ガス) や鉱物 (蛍石) に行きつくのよね。化石燃料の使用はできれば減らしたいし、鉱物からフッ素を分離するにはエネルギーが必要なので、PTFEをリサイクルできるならば、PTFE製造に関わる環境負荷を抑えることができるという利点もあるのよ。
ニューカッスル大学のMatthew E. Lowe氏などの研究チームは、そんな頑丈なPTFEを、比較的穏やかな方法でリサイクルしやすい形に分解する方法を開発したよ。カギとなるのは金属ナトリウムとボールミル!金属ナトリウムは、水と反応するほど反応性が高いアルカリ金属の単体だけど、ボールミルとはどういうことかな?
ボールミルとは、硬い容器の内側に球体が入っている構造の機器で。球体は1個の場合もあれば多数の小さな粒である場合もあるよ。ボールミルの中に材料を入れて振り回し、ボールが材料を細かくすり潰す、というのが主な使い方になるけど、近年の研究ではこの過程で化学反応を進める「メカノケミストリー」の研究も進んでいるよ。
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学校の授業とかで行う科学実験だと、ただ混ぜれば反応が進むものもあれば、加熱して初めて進む反応というのもあるよね?化学反応の中には、エネルギーを加えないと進みにくいものがたくさんあり、加熱という工程は、化学反応を進めるために熱というエネルギーを与えていることだと言い換えることができるのよね。
しかしボールミルの場合、わずかな加熱と比べればかなり小さい摩擦熱を除けば、ほぼ室温のままだよ。しかしすり潰す過程で運動エネルギーを受け取るので、エネルギーを受け取ること自体は一緒なのよね。なのでボールミルで振り回せば、加熱と同じように化学反応を促進するんだよね。これがメカノケミストリーだよ。
金属ナトリウムは反応性が高い物質ではあるけど、さすがにPTFEと反応させるには、ある程度高温にする必要があるのよね。これは融けたアルカリ金属を使うという点で、エネルギー的にエコじゃない上に、反応性の高い高温の液体金属を扱うという点で、設備投資も必要になってくるよ。
しかし、もしもボールミルで反応が進められるのならば、低い温度で扱う分だけ相対的に安全性高くできるし、エネルギーコストも低いという利点があるよ。Lowe氏らは、このアイデアが機能するかどうかを確かめる実験を実施することにしたんだよね。

今回の実験では、PTFEを金属ナトリウムと共にボールミルにかけてみたんだよね。すると室温でもほとんどのPTFEが分解し、それぞれの純度が高いフッ化ナトリウムと単体炭素の混合物が生成したよ! (画像引用元番号②⑤)
今回の実験では、PTFE粉末と金属ナトリウムの塊 (約5mm角) をステンレス製ボールミルに入れ、1秒あたり30回の振動を与えたよ。1時間回した容器を開けてみると黒い粉末が出てきたので、その成分を分析してみたところ、PTFEはほぼ消え去り、代わりに「フッ化ナトリウム」と単体の炭素が生じていることが分かったんだよね。
フッ化ナトリウムは、文字通りフッ素とナトリウムが反応したことによって生じる物質。PTFEがフッ化炭素の組成を持つことから、これはPTFEが分解して生じたフッ素と、一緒に混ぜ込んだ金属ナトリウムが反応してフッ化ナトリウムが生成したことになるよ。この反応で余った炭素は単体の状態になったということだね。
この化学反応で注目されるのは、熱をかけない室温下でPTFEが分解し、フッ化ナトリウムが収率98%という高効率で生成しただけでなく、PFASのような中途半端な分解で生じる有害物の生成を回避しているところなんだよね。これはPTFEの分解における課題のいくつかを解決していることになるよ。
またフッ化ナトリウムは、それ自体が歯科治療の分野で使われるという点で注目されるけど、他のフッ化物の原料にもなるという別の使い道があるよ。特に近年の医薬品に関わる有機合成分野では、フッ化物の医薬品の性能が注目されており、少量でも価値の高い物質がいくつもあるんだよね。
そこでLowe氏らは続けて、この実験で生じたフッ化ナトリウムと単体炭素の混合物に、医薬品として使われることが想定される分子を混ぜ、再びボールミルにかけて見たんだよね。実験の結果、収率を良くするための四級アンモニウム塩と共に混ぜたところ、収率が最大で9割を超えるような反応が確認されたんだよね!
この化学反応は、収率はそれぞれことなるものの、複数の分子で起こることが確認され、応用の広さを示唆しているよ!また、単体炭素は化学反応しにくい物質なので、混ざった状態でも化学反応を阻害しないので、余計な分離抽出の手間を省けるのも利点となるよ。
今回の研究結果には課題もあるよ。例えば、途中の反応で精製が不要だとしても、最終的に医薬品として使うならば精製・分離が必要になってくるよね。この取り出しで使う液体はどういう成分にするのか、どうしても少しだけ未反応のまま残ってしまう、反応性の高い金属ナトリウムをどうするかという課題はあるのよね。
ただ、これは私の個人的な感想だけど、PTFE分解物をそのまま医薬品の合成に使うのは、アップスケールが可能なことを示すデモンストレーション的な意味合いが強いと感じるのよね。この研究のメインは、PTFEがエコな方法で、リサイクルしやすい物質へと分解でき、しかも有害物が生じにくいというところにあると思うのよ。
PTFEを分解し、使いやすい化学形態にできるという強みがあれば、今後の研究でこうした課題や難点を克服しようとする動機にもなるはずだから、ぜひ発展を祈りたいところなのよ!
<原著論文>
<参考文献>
<画像引用元の情報> (必要に応じてトリミングを行ったり、文字や図表を書き加えている場合がある)