ふくの町~唐戸市場探索~

2025.01.21

フグ(ふく)が有名な町・下関を探索!

 奈良県には海が無い。それ故、海がある場所に行ける機会があるといろいろ周辺探索したくなる。先日、下関市立しものせき水族館(海響館)のサイエンスカフェで下関市へ行く機会があり、2024年8月23日に下関周辺探索してきたので、その時の話をしたいと思う。

 下関はフグ(ふく)が有名な町である。私が研究するマンボウもフグ目魚類なので、マンボウも間接的にゆかりのある土地だ。下関市は日本海側に面しているエリアが多いが、JR下関駅など主要な観光施設は日本海と瀬戸内海が混ざり合う関門海峡に多い。今回、私が下関探索したのもまさに関門海峡の観光エリアである。JR下関駅から海沿いを歩き、関門トンネル人道(海底トンネル)を通れば、3時間ほどで対岸にある福岡県北九州市門司区に行くことができる。散歩にはちょうど良いコースだ。下関~門司港に行くなら、フグ料理、瓦そば、焼きカレーのご当地グルメは外せないので是非ご賞味あれ(私は全部堪能して散財した)!

 

町のいたるところにフグが…!

 下関の町を歩いていると、必ず目にするのがフグのマンホール。地域をあげてフグを特産にしているのがよく分かる。そう言えば、マンボウのマンホールもあるのだろうか? そう思ってググってみたら……下関ではないが、マンボウのマンホールも存在することが判明。むむ、これはまた機会を見付けて現地に行かねばならない!

 

 現在の下関は、遊園地の「はい!からっと横丁」、水族館の「海響館」、レストラン・土産物店が並ぶシーサイドモール「カモンワーフ」、魚介類を売買・飲食できる市場「唐戸市場」が隣接され、観光地として充実した立地になっているが……観光地化の再開発が行われる前の2000年以前は水産業・造船業などが中心で、それらの産業も近年北九州への拠点化が進み、町はやや衰退傾向だったそうだ。地域の特色を活かした街づくりも大切だということを感じさせられる。現在の下関はあちこちにフグの装飾があるので、地方から来た身としては目に楽しい。

 海響館近くにあるお店にはフグ名物がたくさん並べられていて、トラフグの鰭酒も売られていた。ちゃんと中に鰭が入っているのを確認して、資料用に1本購入した。

 

唐戸市場の活きいき馬関街へ!

 今回、下関探索で楽しみにしていたのが、唐戸市場に行くことだ。唐戸市場は基本的に朝5時から開いているので、下関に夜行バスでやって来ても、そのままの勢いで観光することができる。特に、週末の金・土・日は、活きいき馬関街というイベントが行われ、その日に水揚げされた新鮮な魚介類をリーズナブルな値段で飲食できる! 私が下関に着いた日も金曜日だったので、活きいき馬関街が開催されている日だった。

 

 しかしながら、活きいき馬関街が開催されるのは、この日は10時からだったので、朝に一度市場を見て回り、昼からももう一度市場を訪れようと考えた。まずは朝の市場から。私が唐戸市場に着いたのは7時54分だった。市場に入ってまず出迎えてくれたのが、巨大なトラフグ?のオブジェ。今後、唐戸市場に飾られるようだ。

 

 唐戸市場は一階と二階があり、一階は主に売買エリアで、一般人も魚屋から直接新鮮な魚介類を買うことができる。市場に正面から入った一階の左側にある食料品卸センターでは、特産品が販売されていた。早朝からお土産屋が開いているのはありがたい。

 

 一階の売買エリアではまだ魚屋の人くらいしかおらず、一般の人は全然来ていなかった。10時からがメインイベントなので、まだ準備中といったところなのだろう。

 

 しかし、せっかく来たのだから何か食べられるところはないかなと探した結果、二階で一件だけ開いている飲食店があった(この時は他に食べたいものがあったので店には入らなかった)。二階は主に飲食スペースで、飲食店があったり、一階で買った食べ物を自由スペースのテーブルで食べることができるようになっていた。ゴミ箱も設置されていたのはとても助かった。

 二階の端にはフクマネキンという唐戸市場のマスコットキャラクターのオブジェがあった。撫でて願いを掛けるとご利益があるらしい。せっかくなのでいっぱい撫でておいた。

 

 唐戸市場を一通り見て回った私は、関門トンネル人道(海底トンネル)を通って門司港へ行き、名物の焼きカレーを食べ、帰りも歩くのはちょっときついなと思ったので、門司港から出ている下関行きの船に乗って下関に帰って来た(下関⇔門司港は400円で、5分程度で着くのでめちゃくちゃリーズナブルで移動が速い!)。そして再び唐戸市場を訪れた時は13時12分だった。入ってみてビックリ! 活きいき馬関街が開催されていたので、市場はたくさんの人で溢れていた。朝の二階から撮った写真と見比べて欲しい。

 15時に閉まるので値引きも始まっている。せっかく市場に来たのに何も食べないのはもったいないと思った私は、急いで一階に戻って活きいき馬関街のエリアを見て回った。一つ単位で一口寿司が売られているのは嬉しい。いろんな魚介類が売られているので、マンボウが売られていないかな~とすべての店を見て回ったが、やっぱり売られていなかった。夏の時期、マンボウ類は東北の方に回遊しているはずなので、南の方には基本的にいないのだ。いろんな魚介類の寿司が売られているのを見て、ふと一口サイズのマンボウ寿司を売るのは意外とありなんじゃないか?と思った。

 お店で購入すると、パックに詰めてもらえ、醤油とワサビと割り箸も付けてもらえる。私はいくつか購入して二階の飲食スペースで早速食べた。美味しい! 奈良にいると普段は刺身を食べないので、久々にお寿司を食べた感があった。マンボウ情報は特に得られなかったが、下関探索は大満足である。インターネットで検索した限りでは、唐戸市場にマンボウが入ったという情報は得られなかった。唐戸市場では魚介類を丸ごと買うこともできるので、サンプリングができる可能性はあるが、マンボウ自体の入荷はほぼ無い気がした。もし唐戸市場でマンボウを食べたことがあるという人がいたら、是非私に教えて欲しい。

 

 下関

  フグが有名

   週末の

    唐戸市場は

     寿司三昧か

 

 

【参考文献】

明間奈津紀.2018.下関唐戸地区における観光地開発の周辺地域・住民への影響.2016年度地理学野外実習報告書Ⅸ 下関: 36-44.