新木場にあるアズワンのリアル店舗「LINK Stock」に行ってみた!!

2024.12.12

リアル店舗でアズワン取扱い商品が買える!?

 理系の研究者なら、必ずと言っていいほど一度は聞いたことがある会社の名前がある。それがアズワン株式会社(以下、アズワン)である。実験道具の発注と言えばアズワン、標本保存の薬品の購入と言えばアズワンと、少なくとも私はこの会社の名前を知らないうちに記憶していた……と言うと恐ろしい印象を与えるかもしれないが、アズワンは理化学機器を中心に多種多様な商品を開発・販売する専門商社である。

 理系でない方には馴染みのない会社かもしれないが、メディアミックス作品「ラブライブ!シリーズ」を視聴している方々には知れ渡っていたりする多方面にコラボ展開している会社でもある。かく言う私が書いているこの記事も、アズワンが運営するウェブメディア(Lab BRAINS)であり、アズワンと『ラブライブ!サンシャイン!!』がコラボした縁を広げて頂き、「『ラブライブ!サンシャイン!!』に登場するマンボウに関する考察 」という記事を書かせて頂いたこともある。個人的な事情を言えば、私の収入の9割はアズワンに寄稿した記事で賄われており、私の行っているマンボウ研究の生活面を大きく支えてもらっている。トークイベントも2023年2024年にさせて頂き、まさか大学院を卒業してからもアズワンと深い関わりを持つことになろうとは全く想定もしていなかった。

 アズワンは一般的に大学や企業向けの販売を行っているため、一般人が気軽に入れるリアル店舗は今までなかったのであるが、2024年1月29日に、東京の新木場駅から徒歩10分程度の場所にコンビニ型のリアル店舗「LINK Stock」がオープンした。新木場駅と言えば、私がコミックマーケット出展後に必ずと言っていいほど立ち寄る駅で(ここから大阪行きの高速バスが出ている)、どんな感じか一度コミケ帰りにでも寄ってみたいなと考えていた。しかし、平日しか開いていないことを知り、なかなか平日に東京にいる機会がなかったので、訪問する機会が得られないでいた。そんな折、ちょうど2024年11月18日に東京に滞在する機会があり、現地に訪問してきたので、ここで紹介したい。

 

そもそも「LINK Stock」って・・・?

アズワンのリアル店舗「LINK Stock」は、三井リンクラボ新木場2という建物の一階にある。気を付けなければならないのは、この周囲には三井リンクラボ新木場1と三井リンクラボ新木場3があり、建物のナンバーによって入っている店舗が違う。もう一度言っておこう。「LINK Stock」がある建物は、三井リンクラボ新木場2である!

三井リンクラボは三井不動産がつくった建物で、各部屋に様々な企業のラボ(実験室)が入っている。大学の実験棟の企業版と考えたらイメージしやすいかもしれない。てっきり、各企業は自分の建物内にそういうラボを持っているものかと思っていたら、こういうレンタルラボ的な形で借りている場合もあるようだ。この三井リンクラボでラボをレンタルするメリットは、電気供給量が一般的なオフィスビルと比べて約3~5倍多く、空調機能が優れ、高価な実験機器を低コストで借りられることにあるという。確かに卓上走査電子顕微鏡(SEM)など高価な実験機器を買えないという企業の場合も、ここでラボを借りていたら、低コストでレンタル機器を借りて研究成果を挙げられるというのは効率的かもしれない。

実験をしているとチップやゴム手袋などの消耗品はすぐに減ってしまうが……基本的にそういう消耗品は箱買いしかできない。箱単位の消耗品はラボ内の置くスペースも取られるし、箱買いするほどでもないけど実験には消耗品が数個すぐに欲しい……という場合はよく起こり得る。そんなちょっとしたニーズに応えるために、「LINK Stock」はつくられた。「LINK Stock」では1個単位から実験に必要な消耗品を買うことができるのだ! 

ただし、ここで消耗品を購入できるのは、三井リンクラボでラボをレンタルしている人限定ということに注意が必要だ。つまり、ラボを借りていない私は欲しいものがあっても買うことができない。しかし、この日はどんなものが置いてあるのか気になったので、店舗を覗きに来たのだった。

 

いざ「LINK Stock」へ!

「LINK Stock」の中は、コンビニサイズのオフィスといった感じだった。ふらりと店内に入ると、前日、私が企画したナダルとのトークショーにご招待したLab BRAINS担当者の若林さんと遭遇。お互いに想定外の遭遇に驚いた。色々話を聞くと、この店はLab BRAINS担当者が主に在籍しているとのことだった。店の説明や案内をして頂いた。部屋が木目調である理由は、新木場が木材の町として発展してきたことに由来しているのだそうだ。空間は広く取ってあり、商品が詰め詰めには置かれていなかった。ゆったりスペース。

 

どんなものが置かれているかは以下の写真をご覧頂きたい。洗浄瓶、エッペンチューブ、スクリュー管……などなど研究者に馴染みの深い消耗品が並べられている。筆記用具が置かれていたのは意外だったが、建物の外に出ずに買えるので意外に需要があるとのこと。

 

アズワンは他社の商品を仕入れて販売しているだけでなく、自社商品も開発して販売している。このピンクの蓋の遠沈管はアズワン自社開発商品との話を聞いた。

 

私には馴染みがなかったが、試薬も置かれていた。おそらくメジャーな機器で使うものだろう。

 

ご意見箱コーナーもあり、投書するとミニポーチをプレゼントと書かれている。頂いてしまったが、このミニポーチ、500mlのペットボトルが2本入り、しかも保冷温素材が使われている! 山登りとかに便利そうだ!

 

そしてその隣には……知る人ぞ知る厚い本……アズワンカタログがあった! 大体どこの研究室にも1冊はあり、このカタログを見て必要な実験器具を注文たり、面白そうなアイテムを探して触ってみたいなと夢を見る。しかし、この厚さと重量感は、単なるカタログとしてだけでなく、重石の代わりなど様々な用途にも使われたりする(アズワンさん、ごめんなさい)。定規を借りて、今年作られた最新版のアズワンカタログの厚さを測ってみたところ、約5.5cmもあった。やはり厚い。

 

出口付近のホワイトボードには手書きのネコの可愛らしいイラストもあった。これはLab BRAINS担当者の犬派さんが描かれたものという。ほっこりできてとても良い。

 

「LINK Stock」ではアズワン職員の方が在籍しているので、アズワン商品について何か聞きたいことがあれば、店が開いている時はいつでも相談に乗ってくれる。もしかしたら面白い裏話も聞けるかもしれない。今後、「LINK Stock」内でイベントも開けたらいいなと考えているのだそうで、私が利用することもあるかもしれない。興味が湧いた方は是非足を運んで見て欲しい。

 

新木場に
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