【前編】つくってまなぶ京都のおしごと~手描京友禅編~

2021.12.14

こちらの記事では、つくるまなぶ京都町家科学館様が提供するYouTube動画「【伝統工芸】つくってまなぶ京都のおしごと~手描京友禅編~【科学ものづくり】」の内容をご紹介します。
着物の中でも高級とされている京友禅の工房にお邪魔して、どのように着物が作られているか、職人さんの手仕事をみせてもらいながら、そこにまつわる科学を学んでいきましょう。
全篇動画は以下のリンクよりご覧ください!

動画のポイント解説を、本文で説明していきます。
今回の記事はイベントの前編です。手描京友禅ができていく工程を見ていきます。

【0:00】あいさつ、導入

こんにちは!つくるまなぶものづくりナビゲーターのかちゅーです。

あや:岡山工芸のあや申します。

「作って学ぶ京都のお仕事~手描き京友禅編~」にお集まりいただきありがとうございます。
すでにみんないっぱい入ってくれて、めちゃくちゃ嬉しいです。
今日は、岡山工芸という京都の手描き京友禅を作っている会社から生配信でお届けしております。
すごい素敵な着物の前からスタートさせていただいております。

今日は着物がテーマになるんですけど、着物ってみんな着ることありますか?
ぼくがおうちに問い合わせて「なんか着物を着ている写真ない?」って聞いたら、出てきたのがこれでした。なんとお宮参りに行っていた時なので、多分生後3ヶ月ぐらいかな。
その時の写真以外、着物の写真が見つからないくらい、僕は着物を着る機会が今までありませんでした。
あやさんは着物を着る事ってありますか?

あや:そうですね。着付け教室に通っていた時があったので、その時以来になりますね。

いいですね着付け教室!
さすがにこういうふうに関わらせていただいたりすると、1回くらいちゃんと着てみないとな、とも思いながら。
今日は着物のこと、色んな着物の作り方とか材料とか、そういうことについて色々一緒に考えていきたいな、見学していきたいなと思います。

 

【1:43】クイズ着物と浴衣の違いは? 

いきなり最初に1個、クイズ形式で質問です。
こういう京友禅みたいなしっかりとした着物と、夏にお祭りに行く時なんかに着る浴衣、何が違うかちょっと考えてほしいと思います。

京友禅の着物と浴衣は何が違うでしょう。
①作り方が違う
②材料が違う
③どういう時に着るかっていうタイミングが違う
④値段が違う

この中からどれが違うと思うか、みんなカメラに向かって指をたてて見せてください。

~クイズ~

よし、みんな色々と答えてくれましたので正解をあやさんから発表していただきたいなと思います。
何が違いますか?

あや:正解は、全部です。

おお!なるほど!全部ということで、お外に出かけるようなしっかりした着物と浴衣は、作り方も材料も、どういった時に着るかも値段も違います。

では着物って何なんだっていうのを、今日は順番に見ていきたいなと思います。

 

【3:22】着物の作り方

カメラが切り替わりまして今、2階の工房につきました。
今実際に皆さんお仕事中で、たくさんの京友禅を作られている様子が真後ろに広がっております。

今から順番に着物の作り方を紹介しながら、本当に作業している職人さんに話しかけたりしながら、色々と進めていきたいなぁと思うんですけども、最初にまたまたクイズ。

1枚の京友禅が作られるまで、どれだけの人が関わっているのかな?
いろんな人が作業分担してやってるのか、それも一人で作っているのか、っていうのをちょっと考えて欲しいと思います。

京友禅が1着作られるまでにどれぐらいの人が関わっているでしょう。
①1人 ②5人 ③30人 ④100人
どれぐらいの人で作っていると思いますか?
職人さんっていうんだから一人で最初から最後まで全部作ってんのかなとか、逆にあれだけすごくきれいな着物を作ろうとしたら100人ぐらいで作ってるのかなとか、色々ちょっと考えて欲しいなと思います。

~クイズ~

それではたまた正解を彩さんから発表していただこうと思います。お願いします。

あや:答えは③の30人です。着物を1枚を作るのに沢山の工程がありましてそれぞれでたくさんの人たちが関わっています。それぞれ作業を行う職人さんはその道のプロフェッショナルな方々で、この工房で行われてない工程もたくさんあります。

なるほど、では、あやさんも決して着物の最初から最後まで全部作られているわけではないということですね。

あや:そうですね。私は挿し友禅っていう着物の模様のところに色をつける作業をこちらでさせていただいてます。

では30人、小学校で1クラスぐらいの人がたくさん関わって作っているという事は、きっと工程もとても難しいものになってるんだろうなと思うんですけど。

 

【5:50】糸目糊置き

実際に作っている様子を見せてもらいながら色々と紹介していきたいなと思います。
最初にちらっと工程を紹介。
こんなにあります。着物ができるまで、(糸からつくるともっと長くなるんだけど、)布から着物まででもこれだけ沢山の工程があります。

これを今から順番に、こんな感じで作ってるよっていうのを見てもらいたいなと思いますので
カメラを切り替えます。

一番最初の「構想」。構想の図案というものでして、これはまだ紙に下書きを書いている状態です。
紙の下書きから始まって、そこからデザインを考えていきます。

次にあるのがこの「下絵」。今度は布に、この紙のデザインで決めたものを描き込んでいきます。
さて、この後のところから実際に作業している様子を見てもらいたいなと思います。

「糸目糊置き」という作業をこちらでやっていただいているので、ちょっと見せていただきたいなと思います。
今作ってもらっているのが、実はみんなの手元に届いているキットに入っている染め額用の糸目糊置きを今やっていただいております。
こんな感じでゴム糊をこうやって、染料が勝手にシミちゃわないように下書きをしてもらってます。

みんなの手元にあるやつも、今フィルムがつけてあると思うけど、剥がして触ってもらったらペタペタしてるのがわかると思います。
このベタベタしているゴム糊を置いています。

ここで面白いのがこの道具。筆とかじゃない、ちょっと変わった道具を使っていると思います。
ちょっと話いいですか?どんな作業をされてるんですか?
職人:染料用に色が隣にもれないようにするためのダムといいますか、糊をつけています。

これ、昔とはちょっと形が変わったそうで。

職人:これはシールを剥がした後の紙を使っているので、替えが利くものになってます。

表面がツルツルで、ゴムがくっついちゃわない材質になっているというね。
もともとはこんな柿渋で固めた紙にノリを入れてたんですけど、今はなんとシールのツルツルの紙を使っているということです。
はい、ではこの糸目糊置きの作業ができたらこの工房のメインの作業ですね。

 

【8:53】色あわせ

その前に「色づくり」でしたね。デザインが決まって下書きができたら、どういう色をいれていくか決めていく作業で、こちらが色合わせをされている様子です。

沢山の染料が並んでいるのが見えると思います。
下から炙って温度を上げながら、いろんな細かい色の違いを表現されています。
これだけいろんな色があって、実際に染め上がったときどんな色になるかを考えながら色を決めていくという、とっても難しい作業です。

でも実は今日みんなのキットには赤青黄色の三色しか入ってません。
なので、例えば緑色や茶色を使いたくなったら染料を混ぜて、その色合わせのマネをして頑張って好きな色を作ってもらいたいなと思います。後でみんなも色あわせに挑戦してみてください。

ここで染料も出来上がって下書きもできたら「挿し友禅」、実際に布に出来上がっているものに色を入れていく工程になります。
ここで職人さんがたくさん並んで作業してもらっているところを眺めてみてください。

 

【10:20】挿友禅

この工房に初めて入れさせていただいた時はびっくりしました。
なんか圧巻されるような沢山の生地が並んでいて、とってもかっこいいので機会があればみんなも生で来てもらえたらいいかなと思っております。

じゃあちょっとこの辺で職人さんにお話を聞かせていただこうかと思います。実はこの振袖、知り合いからの注文で作られているとお伺いしたんですけど。

職人:はい。私の高校の時の友人が振袖を注文してくれて、私もまだ19でその友達も来年の成人式で二十歳になるので、それで注文をもらいました。

ありがとうございます。いいですね、来年成人式になる友達の振袖と自分の振袖を作るなんて、こんなこともできちゃうのが若い職人さんもたくさんいるこの岡山工芸ならではかな。ステキですよね。自分の着るものや友達の着るものを自分で作れたら凄くかっこいいですよね。
皆もそんなことやってる人がいるんだっていうのを今日知って帰ってもらえたらいいなと思います。

よし、このままお隣もう一人にも聞いちゃおう。
今度は男性の職人さんがいらっしゃいます。すごい繊細な作業されているところすいません。
海外留学をされていたとかお伺いしたんですが。

職人:ええ、1年間位スペインに、スペイン語とクラシックギターを勉強しに行ってました。

その留学を経て、なぜここで京友禅を作ろうと思ったのかを聞かせていただきたいなと、本当に個人的な興味なのですが。

職人:海外に行って、日本文化がやっぱりかっこいいなと思えるようになってきて、また新しい視点で見えてきて、いつかは日本文化に貢献できることがしたいと思いました。

ありがとうございました。海外で色々と外を見たからこそ日本文化の良さに気付くというか、改めてやろうと。いいですね、たくさんいろんな経験をされた方が集まって、しかも若い職人さんが集まるこの場所はきっとどんどん面白いものが生み出されるんだろうなぁ、きっとすごいことになるんだろうなって、見学させていただいてからずっと感じております。

そんな感じで、いろんな職人さんがここで友禅染めの着物をつくっております。
ほかの作業もザーっと見せていただきながら。それぞれちょっと違うものをかいていたりします。

あと面白いのが、この布の下を見てもらいたいと思います。
こんな感じで縦にピンと布を貼るためのものがつけてあります。これは伸子(しんし)といいます。
みんなのキットにも細い竹ひごが入っているんですけど、この伸子を真似してつくるまなぶ独自に今回ワークショップ用に作ったもので、それをどうやって使ってるのかっていうのもあとで体験してもらおうかと思います。

 

【13:50】ぼかし

では奥側は、またちょっと違う作業をされているので教えていただこうかな。
お邪魔してすいません。ここはボカシ作業になるんですか?

職人:生地を濡らして筆で色を置いて、刷毛でコスって、柄をぼかし染めにしていく作業になります。

このボカシが友禅の特徴のひとつかなと思います。こんな感じでそれぞれ、筆でちっちゃいのを描いている人や、刷毛でしゃしゃしゃってやってる人とか、それぞれ色々な工程でそれぞれの得意分野を活かしながら着物を作ってくださっています。

ひと通りいろんないろんな作り方も見てもらえたかな。

 

【14:55】伏せ糊置き、引染、蒸し、水元、箔置き

今、「挿し友禅」をしてもらって、その後の作業をまた順番に見ていただきたいと思います。
ここからの作業はこの岡山工芸さんの工房でやっていない部分なので、動画を見てもらいながらちょっと説明していこうと思います。
これは「蒸し」の作業といって染料、色を塗ったところを定着させるための作業です。
温度をかけないと色が表面に乗っかっているだけで、例えばちょっと水で洗ったり、こすったら取れちゃうような色になってるのを、「蒸し」の作業で定着させていきます。

この後、「伏せ糊置き」っていう作業です。
布全体の色を塗っていくときに、挿し友禅で出来上がった模様をつぶしちゃわないように模様の上にカバーするための糊をのせていきます。

次に「引染」という工程。
ここで布全体の色が染まっていきます。ピンクの着物を作りたいならここでピンク色に刷毛で塗っていきます。
「引染」という作業でもまた伸子でぴんと布を張ります。
ここで布にシワが入っちゃうと綺麗に染まらない。ピンと伸ばした後、大きな刷毛で全体の色をつけます。
引染の作業が終わるともう1回「蒸し」の作業に入ります。毎回新しく色をつけたらこの「蒸し」の、温度をかけて色を定着させてきれいな色を出すという作業が入ります。

「蒸し」の後は、「水もと」という作業です。
さっきつけた糊や余分な染料を水の中で洗い流していきます。これは元々、本当に川の中に生地を流していて友禅流しなんて言われる形でした。京都でも鴨川なんかでやられていたことなんですけど、今は川に染料を流してはダメになっちゃったので、専用の流れるプールで洗いの作業をされています。

洗った後は「上のし」 といって生地をピンとまっすぐに伸ばすための作業です。機械を通してまっすぐな布にしていきます。

さて色も定着して生地もまっすぐになったら今度は「飾り付け」していきます
金箔を使った飾りを付けていきます。この金を使ったゴージャスな絵柄も京友禅の一つの特徴です。
こうやって金粉とか金箔とかを貼り付けながらキレイに仕上げていきます。
さらにに金箔を貼るだけじゃなくて糸を使った刺繍なんていうのもしています。
この刺繍も金の糸とか銀の糸なんか使ってゴージャスな柄を作っていきます。この後、縫い合わせて着物の形にしていきます。

 

【18:20】おさらい

出来上がった綺麗な着物が置いてあります。こんな感じのものができます。
というところで、今順番に見てもらった工程をざっと、振り返っておこうかなと思います。

じゃあここからいきましょう、1枚目、最初の紙。草稿っていうデザイン画をつくってその後、青花っていう水で洗うと綺麗に落ちてくれる色を使って下書きを作っていきます。
その後にさっきの糸目糊置きですね。あのチューブみたいなものを使って描いていく工程。

その後、これが「伏せ糊」、さっきの模様を守るために上にのりをつけて、その後「地染め」。
さっきは「引染」って言っていた工程ですね。布全体の色を決めるための染め方で、今回は緑と黒のグラデーションのような色に作るためこういうふうに塗っております。

次は「蒸し」、「水元」。さっきの伏せ糊をきれいに水元で洗って落としたらこうなります。模様のあるところだけ白く残っている感じです。

その後「挿し友禅」。職人さん達がやっていた色付けの工程を経ると、白黒だった布に綺麗な柄が出来上がります。色を挿したらまたもう1回蒸して洗いをするっていう細かい作業があります。
ここでの色の違いがわかりにくいところなんですけど、この挿し友禅しただけのところはまだ色の境目がはっきりしていますが、この後蒸し水元になるとこの糸目糊がなくなって白い線、友禅独特の白い線が出来上がって、ふわっと柔らかい色味が出来上がってきます。

その後、さっき見た金をさしたりして、キラキラ、お洒落な格好いい絵柄模様をつけていって最後に縫い合わせる。
縫い合わせたら、この着物が出来上がります。
今順番にパネルで見てもらっていた作り方はこの部分。
いろんな作業を経て着物って形になっていきまーすっていうのを見てもらったところで、さて縫い終わってできたものがどんなんだろう?本物を見てもらおうと思います。

 

まとめ

後編では、友禅の材料や製法を体感するワークショップや、お子さんたちのするどい質問にお答えするパートをご紹介します。ぜひご覧ください!

今後も動画によるコンテンツ拡充を続けてまいります。
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