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みなさんこんにちは! サイエンスライターな妖精の時々VTuber彩恵りりだよ!
今回の解説の主題は、獲物を丸呑みするヘビが、骨を消化してもカルシウムを吸収しすぎないようにする仕組みを見つけたというお話だよ。骨を消化すると大量のカルシウムが発生して過剰摂取による病気を招く恐れがあるんだけど、なぜヘビがそうならないのかはこれまで未知だったんだよね。
「ビルマニシキヘビ」を対象にした研究により、腸の内壁の特殊な細胞が、骨を消化したことで発生した余計なカルシウムとリンを粒子状に固めて、過剰な吸収を防いでいることが今回明らかにされたよ!この細胞は、恐らくこれまで見つかったことのない新しい細胞だと思われるよ。
また、完全に証拠は固まってないものの、多くのヘビや、ヘビ以外の爬虫類も同じ細胞を持っているらしいことが明らかになっているよ!肉食動物が、骨を丸ごと飲み込んでも安全であるという生理学的メカニズムがどのように形作られたのか、興味深い視点を与えてくれるかもしれないよ。
CONTENTS

多くの肉食動物にとって、骨は硬くて消化が難しい厄介者。しかしヘビは獲物を丸呑みする上に骨を完全に溶かしているよ。では、その時に発生する、多すぎるカルシウムの過剰摂取をどのように防いでいるんだろうね? (画像引用元番号③④⑤⑥⑦)
私たちヒトを含め、何かしらの動物を食べる多くの肉食動物から見ると、「骨」というのは硬い上に消化が難しい厄介な代物なんだよね。なので肉食動物は、骨を避けて柔らかい部分だけを食べるか、もしくは一旦飲み込んだ骨を吐き出す、あるいは未消化の排泄物として出すなどして、硬い骨を避けているわけだね。
しかし例えば、ヘビの仲間やその他の多くの爬虫類は、獲物を骨ごと丸呑みしてしまうよ。この時、排泄物を調べて見ても骨がないことから、どうやら骨は完全に消化されているらしいことが分かるよ。しかし、どのようにして骨を完全に消化し、しかもなぜ無事でいられるのか。実はこの点がよく分かっていなかったんだよね。
生物が食物を摂取した後に行う消化プロセスは、「強力な酸や酵素で溶かせばそれで終わり」という単純な話でもなくて、「消化によって発生する物質をどう処理するのか」まで含めて考えないといけないよ。消化で生じる物質をうまく処理できないと、時には過剰摂取による病気や死を招いてしまう恐れがあるからね。
ヘビの場合、骨なしの餌を与えるとカルシウム不足に陥ることが知られていることから、骨がカルシウムを補うための重要な要素が分かっているよ。しかし単純に骨を完全に消化してしまうと、今度は腸からカルシウムを過剰に摂り込んでしまうため、過剰摂取による病気になる恐れがあるんだよね。
そう考えると、ヘビや多くの爬虫類は、骨を完全に消化しつつも、腸がカルシウムを吸収しすぎないようにする、歯止めの機構があるはずってことになるよ。ただ、どうやってそれを成し遂げているのかが、これまでよく分かっていなかったんだよね。

ビルマニシキヘビを対象に観察を行った結果、これまでに知られていないとみられる変わった細胞が見つかったよ。この細胞は、餌に大量のカルシウムが含まれている時に、余計なカルシウムを固めた粒子を作ることが分かったよ!。 (画像引用元番号①②⑤⑧)
ユベール・キュイア学際研究所のJehan-Hervé Lignot氏とRobert K. Pope氏、そしてアラバマ大学のStephen M. Secor氏の研究チームは、最大の個体だと体長が6mに迫るほどの巨大なヘビ「ビルマニシキヘビ (Python bivittatus)」を対象として、この謎を解くための研究を行ったよ。
まずは光学顕微鏡と電子顕微鏡の両方で「腸管上皮細胞」の観察を行ったよ。これは腸の内側表面を作る細胞で、消化物に接することで栄養吸収などの機能を担っているよ。また、骨ありと骨なしの餌を与えた時の細胞の様子の違いや、血中カルシウム濃度やホルモンなどの違いも観察したよ。
その結果、腸管上皮細胞に溝構造 (陰窩) を持つ細胞を見つけたんだけど、その溝の中に、これまで見たことがない丸い球のような粒子を見つけたんだよね。この粒子は多層構造であり、カルシウム・リン・鉄が豊富に含まれていたんだよね。カルシウムとリンは骨の主成分であることから、消化した骨との関連性が予想できるよね?
ということで観察を行ってみると、まずは絶食時には、この溝には何も入ってない状態となるよ。ここに骨ありの餌 (ネズミ丸ごと) を与えてから観察すると、溝の中に粒子がたくさん発生しているよ。しかし骨なしの餌を与えると、たとえ鉄分が豊富に存在しても、これらの粒子は作られることはなかったよ。
では、骨なしの餌にカルシウム (炭酸カルシウム) を添加して強化するとどうなるか?大方の予想通り、溝の中に粒子が大量に作られていたんだよね。どこに由来するかは別にして、カルシウムが豊富ならば粒子が作られるということがこれで証明されたと言えるね。
総合的に見てみると、この溝構造を持つ細胞は、カルシウムやリンを粒子状に固めて、消化管が吸収しすぎないようにする役割を果たしているっぽいんだよね!骨を溶かして出てくるカルシウムやリンのうち、必要量より多い分については粒子の形で固めてしまい、血液に流れることを防ぎ、糞と共に排泄させるみたいなのよね。
このように、骨の消化に伴うカルシウムやリンを粒子状に固め、過剰摂取の恐れを防ぐ役割を果たす細胞は今まで知られていないんだよね。そもそも、溝を持つという細胞の形自体が、腸の内側表面の中では見覚えのない感じだよ。Lignot氏ら3氏は、この細胞はこれまでに知られていなかった新しい細胞かもしれないと述べているよ。

今回見つけたのと同じような細胞は、他のヘビや爬虫類でも見つかっているけど、仕組みまで同じかどうかは分かってないよ。また、爬虫類以外ではそれっぽい細胞は見つかっていないので、単に見逃されているのか、根本的に生理学が違うのか、まだ分かってないよ。
今回発見されたのは、骨の消化吸収に関わり、カルシウムの過剰摂取を防ぐ役割を果たしている、新発見かもしれない細胞だね。3氏は、まだ研究によって確実にそうであると特定したわけじゃないものの、何もビルマニシキヘビだけがこの細胞を持つ特別なヘビではないと考えられているよ。
例えば、今回の研究でビルマニシキヘビから発見したのと同じだとみられる細胞は、ボアコンストリクター (Boa constrictor) 、オオアナコンダ (Eunectes murinus) 、マレーアカニシキヘビ (Python brongersmai) 、アミメニシキヘビ (Malayopython reticulatus) 、アフリカニシキヘビ (Python sebae) 、カーペットニシキヘビ (Morelia spilota) といったヘビ達からも見つかっているよ。
さらに言えば、この細胞はヘビ特有というわけでもなくて、トカゲの仲間であるアメリカドクトカゲ (Heloderma suspectum) でも見つかっているんだよね。肉食の爬虫類は一般的に獲物を骨ごと丸呑みすることを考えれば、この多すぎるカルシウムとリンを固める細胞は、爬虫類が一般的に持つ細胞である可能性があるよ。
一方で、獲物を骨ごと丸呑みするというのは、何も爬虫類の専売特許ではないよ。例えば、魚類や哺乳類を食べる海の捕食者、イルカやサメも、だいぶ骨を食べているはず。しかし、このような仕組みの細胞が見つかったという報告は見当たらないよ。
爬虫類にあって他の生物には見つからない理由は、今のところ分からないよ。細胞の構造が違うなど、何か見逃す要素があるだけで実際には存在するのか、それともカルシウムの過剰摂取を防ぐための仕組みそのものが、爬虫類とは全く違う可能性があるよ。
あるいは、骨を丸呑みすることで知られている「ヒゲワシ (Gypaetus barbatus)」なんかも興味深いね。栄養価の高い骨髄を食べるために骨を丸呑みし、強力な胃酸で溶かしてしまうなど、その仕組みが爬虫類と大分似ているよ。ヒゲワシならば、爬虫類と同じようなメカニズムでカルシウムの過剰摂取を防いでいる可能性もあるよ。
このように広い生物を調べ、その仕組みが似ているのか、あるいは違うのかを調べることはとても重要よ。骨を丸ごと消化してカルシウムの過剰摂取を防ぐ仕組みがいつ誕生したのか、この仕組みが進化によって引き継がれているのか、あるいは独自発生したのか。こういった疑問を知るための手掛かりにもなるからね!
<原著論文>
<参考文献>
<画像引用元の情報> (必要に応じてトリミングを行ったり、文字や図表を書き加えている場合がある)