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バイオ系研究所で働くテクニシャン(技術員)でありながら漫画家として活躍するAyaneアヤネさんによる「ラボりだな日々」(※ラボりだ…ラボから離脱すること。ラボから帰ることの意を持つ造語)。
第12回のテーマは「子育て中の学会参加」です。
こんにちは!
ラボりだな日々、第13回のテーマは「子育て中の学会参加」です。
研究者にとって学会は日々の研究成果を発表し、分野の最前線に触れる重要なイベントです。しかし、「学会に参加する」ということはいわゆる出張と同じです。遠距離移動や宿泊を伴う場合が多く、子育て中の研究者にとってはとても大変です。今回の漫画では子育て中のほっさんが、長いブランクを経てようやく学会発表の準備を整えたと思いきや、次々と予期せぬトラブルに見舞われる様子が描かれています。
現実の世界でもこのようなトラブルは日常茶飯事。子育てと研究の狭間で奮闘する研究者たちの姿を少し覗いてみましょう。(わかりやすく研究者と表記していますが、技術職員や学生さんも学会には参加していますので研究関係者のお話として読んでいただけると幸いです)
小さな子どもがいる家庭では、予定通りに物事が進むことのほうが稀です。学会前は発表準備に追われます。それ以上に学会中に子供を誰にみてもらうのか、何かのサービスを利用するのか、一緒に同行させるのかなど様々な決断と予定調整が必要でかなり苦労します。
子どもが学会直前に熱を出したり、保育園から「お迎えに来てください」という電話がかかってきたりすることは珍しくありません。学会出発前日までは元気なのに、当日に突然体調を崩すこともよくあります…。ほっさんはその経験から「子ども関連の対策は万全!」と調整していたものの、まさかの台風という大規模な自然の力に翻弄されてしまいました。
学会に向けて準備を重ねてきたのに、最後の最後で思いもよらないハプニングが起こる。この「計画の崩壊」にどう対応するかも子育て中の研究者が試練の1つです。
では、子育て中の研究者たちはこうしたトラブルにどう対応しているのでしょうか?知り合いのお話や自分の経験からいくつかの対応をご紹介します。
では、子育て中の研究者がもっと学会に参加しやすくなるためにどのような支援が求められるのでしょうか?
子育て中の研究者が学会に参加しにくい現状には、まだ多くの課題が残っています。しかし、それを支える環境が整えば、彼ら・彼女らがもたらす研究成果はさらに素晴らしいものになるはずです。研究者の家族だけでなく、業界側が協力して、研究者がその力を存分に発揮できる流れを作ることが求められています。
ほっさんのように育児と学会発表の狭間で奮闘する研究者たち。その姿は、子育てと仕事を両立する多くの人々にとって共感を呼ぶものでしょう。研究にフルコミットできる状況は素晴らしいです。しかし、長い研究人生においてそのような状況でいられない期間が少なからず誰にでもあると思います。その苦しい時期について、一方的に否定するのではなく、どう切り抜けていくのか、どうサポートしていけるかを共に考えることが当たり前の社会になっていくと良いですね。