LINE公式アカウントから最新記事の情報を受け取ろう!
バイオ系研究所で働くテクニシャン(技術員)でありながら漫画家として活躍するAyaneさんによる「ラボりだな日々」(※ラボりだ…ラボから離脱すること。ラボから帰ることの意を持つ造語)。
第6回のテーマは「研究室で大活躍する意外な"日用品"」です。
研究室というと、何か特別な機械や機器ばかりが稼働していると思われがちですが、それらを使って研究・実験を行っているのは「ヒト」であるため、論文には載らないこまごまとしたMaterial…便利な日用品がいろいろな使われ方で日々活躍しています。
「研究者」ってどんなイメージ? 思っていたより生活感満載!? |研究所で働く漫画家兼テクニシャンが送る4コマ『ラボりだな日々』第1話
今回の漫画ではアズワン株式会社の極厚カタログの活躍を描きましたが(日用品なのか?)、他にどのようなモノが活躍しているかについて、少しお話したいと思います。
研究分野やテーマによって注目度は変わると思いますが、私がまず1つ目に選ぶのは…なんといっても「サランラップ」です!
安価で柔らかく、保湿にも使えるPVDCフィルム…日常生活だけでなく、実験でもとてもお世話になっています。アガロースゲルに巻いて短期保存したり、ウェスタンブロットのアクリルアミドゲルを裏返したいとき使ったりと重宝しています。
ウエットな実験では乾いてはいけないサンプルがいろいろあり、それらを冷蔵庫で保存する際にもフタになったり、包み込んだりと大変役にたっております。実験現場におけるサランラップの多彩な使われ方を目にした留学経験のある研究者の方は「日本のサランラップだからできるんだよね…アメリカのサランラップだと難しいと思う…」とよく仰られます。どれくらい違うのかちょっと試してみたい気も…?
2つ目は「マジックペン」です!マジックペンはどの職場でも使用する代表的な筆記用具だと思いますが、実験の現場でもそれはもう!ものすごく使います!
サンプルが入った遠心チューブ、マイクロチューブの蓋やチューブ側面、はたまた、それらを保存する箱だとか、細胞培養をしている培養プレートとか…とにかく様々な入れ物に名前や番号を書きまくります。
長期保存するサンプルには情報を記載したシールやラベルを付けて管理することも多いのですが、現場ではとにかく素早く確実にその場で記録することが重要視されるので、マジックペンは大活躍です。
バイオ実験の現場ではアルコールをよく使うので、よくマジックペンで書いた情報がアルコールで消えてしまうという悲劇が起こっていましたが、コクヨ株式会社様の「リサーチラボペン」など耐アルコール性を持つ製品も出てきており、嬉しい限りです。
そして、3つ目はタンパク質実験などで実験サンプルや試薬を冷やしながら実験したいときに使用する「氷を入れる発泡スチロールの入れ物」です!
紐の取っ手がついている発泡スチロールの箱、たくさんアイスクリームを買ったときにたまーにもらえる「アレ」です!研究室にいると冷凍試薬などを購入した際にもらえたりするので、自分の実験にちょうどいいサイズのものがあるとサッと確保したりしています。
氷を入れたアレを簡易クーラーにし、実験台の上でサンプルを冷やしながら実験ができるのです。取っ手がついていて持ち運びできるのもグッドポイント!かなりの実験者がさりげにお世話になっているはず…!
最後に…先ほどからアレアレ言っておりますが、「名前のわからないアレ」ではなく、実は株式会社カルックス様の「多目的クーラー」という正式名称がある製品であることをお伝えいたします。
ということで、研究室で大活躍する意外な日用品たちを3つ挙げさせていただきました。研究現場で働く方々は「なーんだ」と思われたかもしれませんが、改めて目を向ける良い機会ということで!
ちなみに、これらの製品全て、アズワン株式会社様のカタログやECサイトから購入できますので、カタログとして使用される際は是非探してみてくださいね。