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前回までは理科や科学の実験でよく使われるガラス器具を中心に紹介しました。
まだ前回のページを見ていないという人は
ガラス器具編パート1
ガラス器具編パート2
をぜひチェックしてください。
今回はガラス器具編の最終回として少しマニアックなガラス器具を紹介していきます。
CONTENTS
ナスフラスコの首の部分を長くした形状のガラス器具です。
試料に含まれる窒素を定量するための反応(「ケルダール反応」)を行うときに使われるガラス器具です。
ちなみにケルダール反応の名前の由来は考案者”ヨハン・ケルダール”から来ています。
ケルダール法での分析を行う際にはケルダールフラスコ以外にも様々な実験器具が必要です。
必要な実験器具についてはコチラをご覧ください。
口が複数あるフラスコです。「二頭/三頭/四頭フラスコ」とも呼ばれています。
口が複数あることで、温度計を差し込んだりほかのガラス製品(冷却器や分液ロートなど)と連結したりすることができます。
完全な密閉状態を作れるよう連結部分は”摺合(すりあわせ)”加工が施されていることが多いです。
連結部分の径は一定の規格(JIS) に従って決まっています。
ガラス器具どうしをつなぐ役割があるガラス器具です。
形状は多岐にわたっており、直線タイプ、曲線タイプ、三つ又になっているものやコックがついているものなどがあります。
二つ口/三つ口/四つ口フラスコと同様、連結部分は完全な密閉状態となるよう擦合(すり合わせ)加工が施されていることが多いです。
セパラブルフラスコは上部のセパラブルカバーと下部のセパラブルフラスコを組み合わせて使うガラス器具です。
上部と下部はセパラブルフラスコ用のクランプで固定することができます。
上部のセパラブルカバーは口数・口径さまざまな種類があり、ガラス管を連結することができます。
下部のセパラブルフラスコには圧力や熱に強く熱を均一に加えることができる”丸型”と、自立可能でスターラーで撹拌しやすい”筒型”(瓶型・円筒型・平底型ともいう)の2種類があります。
名前の通り種子のような小さいもの(粒子や粉末)を入れる標本用の瓶です。
コルク栓側が下になります。
上部がとがっておりイカの形に似ている「イカ型」、上部が丸い「タコ型」があります。
種子瓶は実験器具としてよりかはディスプレイ用途で使われることが多いです。
気体を冷やして液体をするときに使用するガラス器具です。
おもに蒸留実験で使われます。
「リービッヒ冷却器」「蛇管/グラハムタイプ」「球入/アーリン氏タイプ」など形状が異なる様々な冷却器があります。
気体が通る道を冷却材や空気が囲んでいる構造はすべての冷却器に共通しています。
河川の汚染度を測定する際に使われるガラス器具です。
生物化学的酸素消費量(BOD) と呼ばれる汚染度指標の1つを測定する際に使用します。
容器をよく見ると口の部分が広がっておりカップ状になっていますね。
フラン瓶を使うときは栓をした状態でカップ部分まであふれる程度まで試料を入れます(カップに溢れた試料は廃棄します)。
そうすることで瓶いっぱいに隙間なく試料を入れることができ正確にBODを測定できます。
BODを測定する際はBOD測定器やポータブル溶存酸素計を使用してください。
気密性の高い保存瓶です。
キャップの形状は大きく分けて3種類、ワンタッチで開閉できる”スナップ型“・開閉が用意な”スクリュー型”・ハンドクリッパーという専用の締め付け器具で一度だけ閉めることができる”クリンプ型“、があります。
またシリンジニードルで突き指すことができるオープントップタイプのキャップもあります。オープントップタイプの場合はセプタムと呼ばれるPTFEやゴム製の蓋を使用します。
さて、今回のコラムはいかがだったでしょうか。
研究開発で使用される本格的・ややマニアアックなガラス器具が多かったと思います。
紹介したガラス器具のうち何種類知っていましたか。
3回にわたってお届けしたガラス器具編も今回が最終回です。
最後までお読みいただきありがとうございました!