LINE公式アカウントから最新記事の情報を受け取ろう!
![]()
近頃は夏が長くなったと思えば、その分秋がなくなり、そしていきなり冬になってしまう、そんな寒暖差が激しい気候になってきた。
そうなると、身体に入りこんだウイルス達が悪さしだし、免疫系が下がっていると風邪などを引いてしまい、体調を崩してしまう。
そんな方々に朗報になるかもしれない研究が発表されている。
CONTENTS
1つ目に紹介するのは、オーストリア・ウィーンで行われた欧州呼吸器学会にて発表された研究で、普通の生理食塩水よりも塩であるNaClの濃度が高い食塩水を用いて、点鼻薬で洗浄すると、子どもの風邪(上気道感染症)がかかる罹患期間が約2日短縮されたと明らかになったのだ。

英国イギリスのエディンバラ大学小児呼吸器科教授Steve Cunningham氏らによると、「子供たちは年間最大10〜12件の風邪にかかり、これはその家族に大きな影響を与え、パラセタモールやイブプロフェンなど、症状を改善する薬があるが、風邪を早く治す治療法は見出せてはいない。南アジアの人々が風邪を治療するために鼻洗浄やうがいとして塩水溶液を使用していることに着目し、それが臨床上どのような利点が挙げられるか、また大規模な研究で再現できるかどうかを調査したい。」というところから開始されている。
初めに研究チームは、風邪を発症した301人の子供に対して、半分の150人の親に海塩を渡し、高張生理食塩水〜2.6%の塩水の点鼻薬を作り、鼻孔あたり3滴、1日に最低4回、良くなるまで子どもの鼻に投与をするように、残りの151人の子どもには通常の風邪のケアを施すようにと伝えた。(ELVIS-Kidsランダム化比較試験)
結果、塩水の点鼻薬を用いた子供は平均6日間風邪の症状を示したのに対し、通常のケアを受けた子供は8日間症状だったことが判明した。さらに塩水の点鼻薬を受けている子供たちは、病気の間、薬の量も減少していた。
何故そうなったのかについてSteve教授は
「塩はナトリウムと塩化物で構成されており、特に塩化物は、鼻と気管を覆う細胞内で次亜塩素酸を産生させ、ウイルス感染から防御するための有効打になる。内膜細胞に過剰な塩化物を与えることで、細胞はより多くの次亜塩素酸を生成する。これは、ウイルスの複製を抑制し、ウイルス感染の期間を短縮し、そのため症状の持続時間を短縮するのに役立つのだろう。」
と見解を述べた。
さらに塩水の点鼻薬を子どもに投与すると、その周りの家族が風邪をひいたという報告が15%程度少なくなった。子どもを看病した親の82%は点鼻薬が子供の風邪に対し早く良くなる助け舟になると感じ、81%は将来的に点鼻薬を用いるとも答えていた。
医薬品の量を抑えられ、日常の生活に早く戻れることから親の需要も高まる中、スイスのチューリッヒ大学小児病院のERS小児科総会と呼吸器医学部門の責任者アレクサンダー・メーラー教授は、
「これは、風邪をひいた子供に対する高塩分点鼻薬の影響を調査するという未開拓地を掘り起こす研究となる。ほとんどの風邪は通常、深刻なものに変わらないが、特に幼い子供とその家族にとって、私たち全員がそれがどれほど悲惨で苦労するのかを知っている。
とても安価で簡単な方法は、世界で適用される可能性がある。 風邪が子供や家族に与える影響を制限する安全で効果的な方法を親に提供することは、この最も一般的な状態の健康と経済的負担を大幅に軽減することを意味する。」
とした。
点鼻薬を入れ鼻から滴下を受けた子供はほとんど違和感なく、喘鳴をしたエピソードが有意に少ないことも示されているので、英国での点鼻薬開発からの販売も遠い未来ではないのだろう。
もちろん日本では既に点鼻薬は販売されているので、風邪の症状が辛く、早く治したい方には有効な策と言えるだろう。

ある論文によると、亜鉛サプリメントが風邪の症状を先ほど紹介した方法と同様に約2日短縮できることを示唆されている。
1980年代以来、亜鉛製品は風邪の治療薬としても販売されており、特に米国で人気で、必須ミネラルであり、免疫機能の役割を果たしている。その一方で、亜鉛が鼻、口、喉のウイルス粒子と接触すると、どのようにウイルスの複製を妨げるなどが解明されていないため、風邪になった場合に摂取するリスクが完全に分かっていないのが現状だ。
亜鉛が風邪の予防または治療に有用かどうかを調べるために、研究者チームは、治療薬として亜鉛を含んだ19のヒト試験と、予防策としての15のヒト試験を調べた。
結果として、偽薬であるプラセボを投与したグループは平均1週間程度、風邪の症状があったのに対し、亜鉛を含んだ医薬品を投与したグループの期間はプラセボを投与したグループより約2日短縮する証拠を得ている。
ただ寒冷治療と併用した場合、嗅覚の喪失、胃のけいれんなどの深刻ではないものの副作用が見られるとのことだった。まだ不完全な領域があるため、今後も調査を行い、亜鉛の有用性の結論を出したいと締めくくられていた。

デイトン大学栄養学のコルビー・ティーマン助教授曰く、風邪などの治療には治癒特効薬として効果のあるチキンスープは、食欲と栄養吸収を促進し、うま味成分により、炎症や呼吸器症状を軽減し、さらに快適さ以上のものを提供する代物だと提唱している。
チキンスープは、古代の医療行為の一つで、治療薬としては、医学百科事典5巻によると、西暦60年にローマ皇帝ネロの下で奉仕した陸軍外科医ペダニウス・ディオスコリデスに、起源となると、何千年も前の古代中国にまで遡る。
栄養学からの魅力は、なんといってもスープの温かさ、そしてチキン、野菜、麺のバラエティ豊かな食材から出てくる香ばしい"うま味"だ。味覚の5番目のカテゴリーと称され、それはしばしば"肉のような"味ともされ、他にも甘味、塩味、酸味、苦味が舌の感覚で味わえる。
うま味成分であるアミノ酸はタンパク質の構成要素であり、グルタミン酸はその代表格といってもいいだろう。
いくつかの研究によると、味はチキンスープの治癒特性に不可欠であることが判明している。例えば、風邪になると食欲が低下させる可能性のある炎症反応を引き起こすのだが、チキンスープのうま味がより大きな食欲を刺激するのに役立つ可能性があることを示唆されている。
他の研究では、私たちの脳が舌の味覚受容体を通してうま味も感知すると、栄養素の消化を改善する可能性があると言われている。
もちろん食材自体の栄養素も紹介されており、鶏肉は、感染と戦うための完全なタンパク質源を、野菜には、さまざまなビタミン、ミネラル、抗酸化物質が含まれており、アメリカの方法で調理すると、麺は消化しやすい炭水化物源であり、体がエネルギーと回復の助けになるとのことだった。
特に、ニンジン、セロリ、新鮮なニンニク、ハーブ、スパイスなど、いくつかの材料で調理できる自家製のものをお勧めしていた。

点鼻薬と言えば、日本ではごく身近にある民間療法の1つで、薬局に行けば誰でも販売してくれる商品だ。
自国から離れると、文化の違いを食事からだけでなく医薬からも感じ取れる。風邪の治し方は人や国それぞれだが、なるべくなら普段から予防するように勤めたい。