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去年、その存在を知ってから妙に気になっている山があった。しかし、その山は修験道の修行に使われる場所で、ふらっと気楽に登山できる場所ではない。しっかりとした登山準備が必要な山なのだ。その山の登山について情報を仕入れているうちに、ふと少し前に話題になったスマホアプリのことを思い出した。
それが登山地図GPSアプリ「YAMAP」である。YAMAPはスマホアプリであるが、インターネット上にもサイトがあり、登山のことを調べていると高確率でヒットする。2023年10月27日には400万ダウンロードを達成した人気のアプリだ。
私が行きたい山でも活躍してくれるに違いないと思い、早速スマホにインストール。しかし、初めて使うツールでいきなり本番に挑むはちょっと怖い。全然使いこなせていないのだが、YAMAPがどんなものなのか、一回は身近な山で試しに使っておきたい。そう考えた私は、2024年4月11日に、奈良県葛城市と大阪府南河内郡太子町にまたがる二上山への登山で試しにYAMAPを使ってみたところ……サンプル採集などのフィールドワークでの行動記録にも有効そうなアプリであることが判明した。植物や昆虫など山系の研究者がYAMAPを利用してスマホで景色や生き物を写真撮影すれば、いつどこで何と遭遇したのかを後から確認できるので結構便利と思われる。今回私の実践例とともにYAMAPを使ってみた感想を紹介しよう。
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二上山は、雄岳(山頂517m)と雌岳(山頂474m)の二峰から成り、5箇所の登山口がある。私は今回、當麻山口神社の先にある二上山登山口(祐泉寺尾根ルート)から登った。二上山は1時間ほどで山頂に着ける初心者向けの登山しやすい山という情報をインターネットで仕入れていたので、普段通りの靴で向かったのだが、祐泉寺尾根ルートは結構な獣道だった。
當麻山口神社の近くに公衆トイレがあり、そこで登山前にトイレに行くことは必須。何故なら、このルートは現在他のトイレが壊れているらしく、ここで行っておかないと下山するまでトイレが無いのだ。

トイレを済ませ、早速YAMAPを起動。YAMAP無料版は月に2つまで山の地図をダウンロードできる(2つしかキープできないので、翌月に別の山の地図をダウンロードしたい場合は、ダウンロード済みの地図を一度消す必要がある)。地図は2種類あり、私は「LABO(β版)」をダウンロードした。山の地図をダウンロードしなくても地図を見ながら登れるが、詳細な情報を得られない、チェックポイントが記録に残らないなどせっかくの楽しい機能が使えないので、登る前にダウンロードしておくことは必須である。
YAMAPの「のぼる」⇒「保存した地図」⇒「地図を見る」⇒「活動を開始」で記録を始め、後は下山して「終了」を押すまでは基本的に放置でOK。道に迷った時などは地図として活用する(地図は拡大もできる)。YAMAPは電波が届かない(インターネット=Google地図が使えない)場所でも、GPSで現在位置と登山ルートが分かるとのことだ。YAMAPは安全に登山することを目的としたアプリであり、これはかなり有用であると私は思った。
二上山への登山は、私はてっきり以下の写真のようなある程度舗装された道が山頂まで続いているものと思っていた。しかし、それは祐泉寺に着くまでの序章であることをこの後思い知ることになった。

祐泉寺で2つの道の分岐点がある。どちらかでも上れ、下れるが、私が今回行って帰って来たルートは以下になる。右手の道から雄岳を目指した。

祐泉寺を超えてすぐ目に飛び込んできた景色がこれである。小川が流れている砂利道を歩くことになった。小川の水は砂利道まで染み出しており、普通に歩くと靴がびしょびしょになってしまう。靴を濡らさないように乾燥した場所や大きめの石の上を選んで登って行かなければならなかった。この時点で、去年探索した吉野山の金峯神社より奥地のレベルだなと思った。

さらに登っていくと、最早明確な道は消えていた。とりあえず上の方に登って行けば山頂に辿り着くであろうというレベル。進行方向に大きな岩があり、これが転がり落ちてきたらかなり危険だと感じた。写真では伝わらないと思うが、それなりに傾斜もあり、なかなかハードな上り坂であった。アスレチック感覚で登るならなかなか楽しいところであるが、薄暗いし、道が合っているのかは結構不安にさせられる。こういう時に、YAMAPで道を確認すると、多少道が外れていても行くべき方向が分かり、軌道修正ができた。この時点ではまだ辛うじて電波が1本立っていたが、YAMAPは割とさくさく動いていた。

何とか厳しい山道を登り終え、馬の背と呼ばれる開けた道に辿り着いた。ここに到着すると、他の登山者とちらほら遭遇する。私は雄岳の方に歩いて行った。

馬の背から雄岳山頂まではそれほどハードな道は無く、無事山頂に到着。着いた記念に一枚パシャリ。スマホで撮った写真は後からYAMAPに追加することができ、後で自分が来た道のどこで写真を撮ったのかが分かるような機能があった。これは良い登山の思い出になる。身長と体重を設定しておけば、消費したカロリーも計算してくれるので、ダイエットもやる気になると思った。

以下の青色が、YAMAPに刻まれた私が山の麓から山頂まで歩いて来たルートである。

雄岳に到着したら続いて反対方向の雌岳に向かった。YAMAPは下山まで終了せず、そのまま継続して付けておく。
雌岳山頂には日時計が設置されており、ここで休憩している登山者が多かった。

私もここでちょっと休憩。登る前に立ち寄った道の駅ふたかみパーク當麻「當麻の家」で買った名物、よもぎ餅(草餅)と五平餅を頂いた。4月~5月はよもぎの収穫時期らしく、新鮮な味を味わえるとのことだった。ローカル名物はついつい買ってしまう。どちらも美味しかった。

休憩が終わったら、雌岳から岩屋と呼ばれる方面に向かい、祐泉寺に戻る。帰りも行きと同様の道が待っていた。他の季節でもそうなのかは分からないが、小川沿いの山道は結構水が染み出ており、地面が濡れている。以下の写真は分かりにくいかもしれないが、最早小川の中に道があるという状態だ。こういう山道は今まで経験が無かったので、今後山に行く時に想定する必要がある事柄だと感じた。

帰り道では水飲み場があったが……多分飲んでも大丈夫だと思うが生水は寄生虫とか、もしものことが起こる可能性があるので、私はどうしても水が必要な状況になるまでは飲まないようにしている。

そして……なんとか無事下山! YAMAPの「終了」ボタンを押すと、おつかれ山という画面が出て、スタートからの行動履歴が保存される。今回はスタートから終了まで1時間55分であった(休憩時間も含む)。地図をダウンロードしていたので、YAMAPが設定したチェックポイントが知らないうちに自動的に記録され、バッチをもらうことができた(バッチは実施している山とそうでない山がある)。これは収集癖がある人には癖になる機能だと思った。いろんな山を登りたくなる。また、何回その山を登ったかも記録されるので、タイムトライアルとかにも使えそうだ。

今回、私が歩いた山の道のりは、最終的に以下のようになった。日記としても使えるし、独自のSNSで情報共有・交流もできるようだ。ちなみに、今回私が上った二上山のルートやポイント名はこちらのサイトの「二上山イラストマップ」でも確認できる。

面白いのが「3Dリプレイ」という機能である。上の歩いた道のりを3D視点の動画で追跡できる機能だ。今回の事例として、私のXのポストを見て欲しい。後から写真を追加すると、その場所も拡大して見せてくれる。これは楽しい。
スマホの機内モードをオンにしておけば、電池の消費を抑えながらGPSで行動履歴を記録できる。無料範囲内でも結構使えると私は感じた。
ちなみにこのYAMAP、「のぼる」→「地図なし活動」→「ウォーキング」という項目を選ぶと、山じゃない街中で散歩する行動も記録することができる。もちろん山登り同様に消費カロリーを計算してくれるので、楽しく歩いてダイエットもできると思った。
今回、初めてYAMAPを使ってみて、電波が届かない状況下で電池消費を抑えつつ地図が使えるのは、フィールドワークでの行動記録に非常に有効だと私は感じた。最も山系の研究者はこういう行動記録ができる他のツールを使っているのかもしれないが……YAMAPはアイデア次第で他にもフィールドワークの研究に使えそうだ。
あー、できればこの手の海版も欲しい。漁港巡りとかしてバッチもらったりしたら楽しそうだ。もしかしたら他のアプリでそういうものが既にあったりするのだろうか? もし知っていたら教えて下さい!
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