親子で科学を楽しめる!「体感型」スポット3選+α

2023.03.10

皆さん、こんにちは。サイエンスコミュニケーターの佐伯恵太です。「科学と社会をつなぐ」ことをお仕事にしている私は、仕事やプライベートで、科学を学べる場所に行くことが多いです。そこで今回は「親子で科学を楽しめる!『体感型』スポット3選!+α」と題して、とっておきの場所をご紹介したいと思います!

科学を通して未来について考えてみる!「日本科学未来館」

まず一番にご紹介したいのは、お台場にある「日本科学未来館」です!

名物のGeo-Cosmos(ジオ・コスモス)は迫力満点! 写真:日本科学未来館提供

 

日本科学未来館といえば、こちらの直径6メートルの球体「ジオ・コスモス」が有名ですが、実はジオ・コスモス、2022年4月に生まれ変わっています。より鮮明に地球の姿を映し出すために、なんと1万枚を超えるLEDパネルが使われています。「ジオ・コスモス」そのものが、まさに科学の結晶!

さらに、普段は地球のありのままの姿を映し出しているジオ・コスモスですが、観る時間によって、様々なテーマやメッセージが込められた特別な映像に切り替わります。私のイチオシは「未来の地層」です。YouTubeでも映像が公開されていますが、営業時間中の、人が行き交う中で、館内に映像と音楽が響き渡る様が、たまらなく素晴らしいのです!

常設展の内容は、特に宇宙に関するものが充実していて、3月31日(金)まで「宇宙に夢中、発信中! ~体感する宇宙遊泳と月面探査~」という、メタバース空間で、宇宙飛行士が見ている世界を体験できる展示も楽しむことが出来ます。

宇宙に夢中、発信中! 写真:日本科学未来館提供

 

また、宇宙や地球といった壮大なスケールのものだけでなく、私たちの体や脳の仕組み、細胞のはたらき等についても幅広く学ぶことができます。常設展の内容が随時更新されたり、科学コミュニケーターさんによる15分間のトークプログラムにも様々な内容がありますので、行くたびに新たな発見と感動があります。

体を新しくする幹細胞たち

 

展示の内容はお子さんには少し難しそうなものもありますが、そんな時、頼りになるのが「科学コミュニケーター」の皆さんです。未来館には科学コミュニケーターのお兄さん、お姉さんがたくさんいらっしゃいます。

わからないことや気になることがあれば、科学コミュニケーターさんに質問ができるのです!コミュニケーターの皆さんは、ただ正解を教えるのではなくて、一緒に考えるということも大切にされています。そんな体験を通して、学校の理科に苦手意識があるお子さんも、きっと科学に興味が持てるはず。皆さん、真面目で優しくて、そして、科学が大好き!

↑こちらの微生物多様性に関する展示もオススメです!

最後にオススメしたいのが、現在開催中の特別展「動画クリエイター展(2023年4月2日まで)」です。人気動画クリエイター(YouTuber)さん9組のここでしか見られない動画が公開されていたり、いつも撮影をされている部屋がすごい再現度で公開されていたりします!

はじめしゃちょーの相棒のクマさん

 

科学館に興味を示してくれないお子さんでも、動画クリエイター展なら「行ってみたい!」と思えるはず。ちなみに、こちらの特別展の中でも、インターネットの歴史が学べたり、動画編集が体験できたりと、様々な形で科学が学べるようになっています。抜け目なし!

動画クリエイター展を存分に楽しんだら「ついでにこっちも行ってみる!?」という感じで常設展にも行かれるのも良いかもしれません。動画クリエイター展のチケットで常設展も見ることが可能です。

お台場エリアということで、ダイバーシティ東京で巨大なガンダムを眺めることができ、ロボット好きにはたまりません。また、フジテレビの本社ビルの25Fには球体展望室もあり、一日コースで科学を軸とした、様々な感動体験をすることができます!

▶日本科学未来館 ホームページ

日常と科学がここでつながる!「科学技術館」

続いてオススメするのは、皇居に隣接する北の丸公園内にある「科学技術館」です。その名の通り、私たちの暮らしを支える科学技術について学べる科学館なのですが、特に、乗り物や家電など「身近なものの中にある科学」について、楽しく学ぶことができます!

エンジンのしくみ

 

体験型の展示がとても多いのが特徴で、見たり、触ったりして楽しみながら、科学技術について学べるようになっています。

万華鏡の工作キットのガチャのすぐ側では、ガチャの中身のかけらを3Dプリンタで作っていました。製造工程に使われている科学技術を体感した上で、ガチャを回す。こんな体験ができるのは科学技術館ならではですね!


展示室には「ものづくりの部屋」「自転車広場」といった名前がついていて、それぞれ雰囲気がガラッと異なる部屋の中で、様々な体験が待ち構えています。こちらは「鉄の丸公園1丁目」。鉄の性質や製品のつくられかただけでなく、環境に配慮した取り組みなどについても学ぶことができます。

独特の雰囲気を醸し出す鉄の丸公園1丁目


この展示室では「鉄の実験」を見ることができます。空き缶など身近にあるものが鉄とくっつくのかどうかを、参加者の皆さんも一緒に考えながら学ぶというもので、実際に参加してみると、同じ回に参加していた子どもたちもノリノリで結果を予想したり、積極的に発言していて、とても楽しいひとときでした。子供たちの主体性を引き出す講師の方の技術には、サイエンスコミュニケーターとして学ぶべきところもたくさんありました。

気象をテーマにした実験ショー:ビニル袋の中の空気を暖めると・・・


他にも一回で経験しきれないほどたくさんの実験ショーやワークショップがあり「体験すること」をとても大事にされていることがわかります。

実はこの科学技術館、1964年に開館していて、日本科学未来館(2001年開館)と比べても、とても長い歴史があります。展示室の中にはレトロな雰囲気、昔ながらの展示室から、最新の科学技術を駆使した展示室まであり「展示の歴史」を感じることができるというのも、お楽しみポイントの一つ。

そんな歴史ある科学館で、科学技術の歴史と最新技術にも触れながら、未来に想いを馳せてみてはいかがでしょうか?北の丸公園は桜の名所でもあり、これからの季節にピッタリのスポットです!

▶科学技術館 ホームページ

オシャレ!楽しい!そして学べる水族館「すみだ水族館」

続いてご紹介するのは、東京スカイツリータウン(R)にある「すみだ水族館」です。科学といえば外せないのが「生物学」。そして生き物について学べる施設の中でも人気なのが、水族館です!

そんな中で、すみだ水族館を特にオススメしたいのは、お魚や生き物たちが生き生きとしているのはもちろん、アート、エンタメ、学び、全てのバランスが良い水族館だからです。

スマホでもこんな美しい写真に

東京スカイツリータウンの中にある水族館らしく、オシャレで、周囲の環境にあう空間設計になっているのですが、それだけではなく、実は上の写真の水槽は東京都の世界自然遺産・小笠原諸島の海をテーマにしていたりして「東京のいきもの」について学ぶことが出来るのです。

他にも、トウキョウサンショウウオや、ミヤコタナゴ、ミナミメダカなど、珍しい東京の生き物たちを見ることができます。

トウキョウサンショウウオ


今となっては珍しい生き物たちですが、かつては都内のあちこちに生息していました。それが、だんだんとすみかを追われ、絶滅してしまったり、絶滅の危機にひんしたりしているのです。そんな東京の生き物たちを通して、生物保全の重要性を感じ、生物多様性について考えることもできるのです。

すみだ水族館といえば、約500匹のミズクラゲが漂う、長径7メートルの楕円形の水盤水槽「ビッグシャーレ」や、国内最大級の屋内開放のプール型水槽で、マゼランペンギンが観られるのがオススメポイントですが、ここにも「学べる水族館」としてのこだわりが。

「ビッグシャーレ」では幻想的なクラゲを眺めて癒しのひとときを味わえますが、クラゲの飼育の様子が観察できる「ラボ」という場所もあります。ここでは、生まれたてのクラゲが日を追うごとにどれくらい成長していくのかということを、観察して学ぶこともできます。

ペンギンについても、こちらの「すみだペンギン相関図」があることで、ただ眺めるのでなくて、今見ているペンギンがどの子なのか、どんな性格をしているのか、さらに、ペンギン同士の関係性についても知ることが出来ます!と言いつつ、自分が見ていたペンギンがどの子なのかは、わかりませんでした。笑

パッと見てわかるには修行が必要かもしれませんが、裏を返せば、ペンギンの水槽だけでも本当にずっと見ていられます。今年中に見分けがつくようになることを密かな目標にしています。

また、解説パネルの一つ一つにもこだわりを感じます。水族館は完全屋内型なので、天候に左右されず、じっくりと解説を読むことができます。水草についている泡なんて、今まで何度も目にしてきたはずですが、このパネルを見て初めて意識することができました。

“空気中では気づくことはないが、人間が当たり前に呼吸している酸素の美しさは、水槽の中だからこそ見ることができる”

生態系の循環について


水族館の周辺には、食・お土産・観光などどの観点からもオススメできるスポットですので、色々セットでお楽しみいただけるのではないかと思います!

すみだ水族館 ホームページ

番外編

今回ご紹介しました施設以外にも、オススメの場所はたくさんあります!今回は「体感型」ということで、様々な体験ができる施設や、生きた生き物から学べる施設をピックアップしましたが、生き物についても、剥製や標本から学ぶべきこともたくさんあり、特に絶滅した生き物、恐竜などについて学ぶには、博物館がやはりオススメです。

国立科学博物館では3月14日から特別展「恐竜博2023」が始まるということで、私もとても楽しみにしています!

関連記事:【恐竜博2023の目玉!美しき鎧竜ズール】観察のポイントと、アンキロサウルス科の仲間たち

また、ここまでご紹介しました施設は全て有料ですが、最近では無料でも科学を楽しく学べる素晴らしい施設がたくさんあり、中でも「東芝未来科学館」は体験できることの種類がかなり豊富で「これが無料!?」と驚かされるほどです。


さらに、自分自身、関西(京都)出身でもありますので、関西のオススメ施設も紹介したい......という気持ちも込み上げてきておりますが、機会がありましたら別の施設、別な切り口でのご紹介や、それぞれの施設の深堀り、スタッフの方へのインタビューなどもさせていただけたらと、色々と妄想は膨らみますが、まずはこの記事が「子供たちと科学の素敵な出会いのきっかけ」になることを願います。最後までご覧いただき、ありがとうございました!

【著者紹介】佐伯 恵太

俳優 / サイエンスコミュニケーター。
1987年5月30日生。京都出身。京都大学大学院理学研究科で修士号を取得し、日本学術振興会特別研究員(DC1)として同大学院博士後期課程に進学。1年間の研究活動の後、俳優に転身した異色の経歴の持ち主。現在は、科学とエンターテイメントの架け橋になるべく、俳優・サイエンスコミュニケーターとして活動中。
【出演ドラマ】BS時代劇「大富豪同心」シリーズ / 「ABEMAヒルズ」コメンテーター / 日本科学振興協会(JAAS)正会員 / 「エンタメ×科学」のプロ集団「asym-line(アシムライン)」代表
プロデューサー・監督・出演者として、YouTube科学番組「らぶラボきゅ〜(※)」を手がけている。
※「東京応化科学技術振興財団」助成事業