"独立系研究者"に学ぶ!フリーランス処世術(1)初めまして、佐伯恵太です。

2022.05.30

はじめまして。京都大学大学院の博士後期課程(特別研究員DC1)退学の後、俳優に転身し、現在は俳優・サイエンスコミュニケーターとして活動しております佐伯恵太(さいき・けいた)と申します。

この度「独立系研究者に学ぶ!フリーランス処世術」という連載を持たせていただくこととなりました!フリーランスの研究者である「独立系研究者」から、研究のことだけでなくフリーランスとしての生き方を学んでいこうという企画です!

初回となる今回は、今後の連載で聞き手となる私の自己紹介と、この企画にかける想いについてお話しさせていただきます。暑苦しい回になること必至ですが、よろしくお付き合いくださいませ。

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この連載企画では、フリーランスとして活動している俳優・サイエンスコミュニケーターの佐伯恵太が、「独立系研究者」からフリーランスとしての生き方を学び、皆さまにシェアします!

◎佐伯恵太プロフィール▶︎https://keitasaiki.info/official
◎twitter▶︎https://twitter.com/Keita_Saiki_

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自己紹介

遡ること30年。当時5歳の私は生き物や自然が大好きで、森や草むら、川が遊び場でした。

兄と一緒に行う昆虫採集ではそれぞれの担当が決まっており、私はカミキリムシやキリギリスなどを捕まえ、兄はチョウやコオロギなどを捕まえます。大きくて捕まえやすい昆虫を譲ってくれているのだと思っていましたが、後に、兄は噛まれると痛い昆虫を私に捕まえさせていたことが発覚しました。よく兄と昆虫が嫌いにならなかったなと思います。

あらゆる生き物を捕まえては飼育、観察することにハマっていました

 

高校では理数系を選択しましたが、やはり一番楽しいのは生物の授業。大学では迷わず生物学を専攻しました。元々大好きだった生き物たちが、生物学を学ぶことで、ある時は尊敬の対象に、またある時は、より身近な存在に感じられました。科学を学ぶとは、視点を増やしていくことなのかもしれないと思いました。

大学院時代の研究は、50年以上暗闇で飼育・継代し続けたハエ、通称「暗黒バエ」の環境適応に関する研究でした。

最新の研究手法を用いた行動解析で「進化」という壮大な謎に挑む研究。最高に刺激的な日々でした。

では何故、そんな研究を辞めて俳優の世界へ飛び込んだのか。

きっかけは高校時代。水泳部だった私は、当時映画やドラマで大流行していた「ウォーターボーイズ」を観て感動し、部活の仲間達と一緒にシンクロを始めました。そして、高校3年の時にはフジテレビ主催「全国高校ウォーターボーイズ選手権2」に出場。そこは今まで味わったことのない煌びやかな舞台でした。シンクロを通して、エンターテイメントの魅力を感じると共に、芸能界への憧れも抱くようになったのです。大学進学後はシンクロチームを結成し、その活動は次第に大きなものになっていきました。

全国各地で300ステージ以上、被災地復興支援活動や東京五輪招致イベントにも参加

 

大学院進学後も研究とシンクロの両立を続けるも、博士後期課程が一年過ぎた頃、シンクロの活動に専念することを決意しました。大学院を退学し、夢を掴むため上京したのですが……

なんとその後たった1年ほどで、チームは解散してしまいました。それでも、エンターテイメントへの情熱は消えません。シンクロに変わる新たな挑戦、俳優の道へ。ゼロからの俳優修行と地道な活動の末、映画やCM、テレビドラマにも出演できるようになりました。

 

NHK BS時代劇「大富豪同心2」甘利家家臣役(準レギュラー)

 

ところが今度は……コロナ禍で、所属していた芸能事務所が閉鎖となり、突如としてフリーランスに。家で悶々と過ごしていたある日、押し入れの中からかつて自分が作った、一つの企画書を見つけます。

 

それは「将来こんな番組に出演できたらいいな」という自分の夢を形にした番組企画書です。科学の素晴らしさを、エンターテイメントの力で、たくさんの人に届けたい!そんな想いを込めて作ったものでした。

当時、映画界や演劇界がほとんどストップしていたことや、フリーランスになって自分のやりたいことが自由にできる状況になっていたことから、思い切ってその番組を自ら作ることにしました。

YouTube科学番組「らぶラボきゅ〜」です。それから1年間は、とにかくがむしゃらに番組を作り続けてきました。

らぶラボきゅ〜ではエイト特派員に変身します

「らぶラボきゅ〜」をきっかけにたくさんのご縁があり、現在は番組に限らず色々な形で、科学と社会をつなぐことに携わっています。こうして、フリーランスの俳優・サイエンスコミュニケーターとしての道を歩み始めました。

俳優活動では学業や研究で身につけた論理的思考力が武器となり、サイエンスコミュニケーションではエンタメの世界で培った伝える力が役に立っていると感じます。紆余曲折の人生ですが、無駄なことは一つもないですね……

独立系研究者との出会い

「らぶラボきゅ〜」の制作やサイエンスコミュニケーターとしての活動を通して、たくさんの研究者の方々と交流する中で、ある時、大学にも企業にも所属せずフリーランスとして研究に取り組まれている「独立系研究者」の存在を知ります。

「らぶラボきゅ〜」にご出演いただいたマンボウ博士こと澤井悦郎先生もその一人です。

独立系研究者について調べたり、実際にお話を伺っていると、研究者の方が抱えている不安や悩みというのは、私自身のそれと、多くの共通点がありました。「研究者」でも「俳優」でも、そして他の職業でもフリーランス特有の課題というものがあることがわかりました。

 

一方で、その課題の解決方法について質問すると、とても独創的な発想や、極めてロジカルな回答が次々飛び出してくるのです!「その手があったか!」「そこまで考えているなんて!」そんな心の声を連発しながら、フリーランスとしてぶつかる壁は一緒でも、その壁の乗り越え方は、さすが研究者だと甚く感心してしまいました。

 

独立系研究者だからこその、フリーランス処世術。

 

 これはきっと、独立系研究者を目指す方だけでなく、あらゆる職業のフリーランスの方に、大いに参考にしていただけるに違いない!そんな想いからスタートしたのが、この連載でございます!

次回からの内容について

次回からは、毎回ゲストとして独立系研究者の先生にお越しいただきます。様々な専門分野、それぞれ異なるキャリアを持つ先生たちからどんなお話が聞けるのか、私も楽しみです!

気になる次回のゲストは、マンボウ博士の澤井悦郎先生!

明後日、6月1日(水)公開予定です!

それではまた次回、お会いしましょう!!

【著者紹介】佐伯 恵太

俳優 / サイエンスコミュニケーター。
1987年5月30日生。京都出身。京都大学大学院理学研究科で修士号を取得し、日本学術振興会特別研究員(DC1)として同大学院博士後期課程に進学。1年間の研究活動の後、俳優に転身した異色の経歴の持ち主。現在は、科学とエンターテイメントの架け橋になるべく、俳優・サイエンスコミュニケーターとして活動中。
【出演ドラマ】BS時代劇「大富豪同心」シリーズ / 「ABEMAヒルズ」コメンテーター / 日本科学振興協会(JAAS)正会員 / 「エンタメ×科学」のプロ集団「asym-line(アシムライン)」代表
プロデューサー・監督・出演者として、YouTube科学番組「らぶラボきゅ〜(※)」を手がけている。
※「東京応化科学技術振興財団」助成事業