LINE公式アカウントから最新記事の情報を受け取ろう!
バイオ系研究所で働くテクニシャン(技術員)でありながら漫画家として活躍するAyaneアヤネさんによる「ラボりだな日々」(※ラボりだ…ラボから離脱すること。ラボから帰ることの意を持つ造語)。
第22回のテーマは「近くて遠い?ノーベル賞」です。





こんにちは!ラボりだな日々、第22回のテーマは「近くて遠い?ノーベル賞」です。今回の漫画では、ノーベル賞の発表日を迎えたある研究所の日常が描かれています。ノーベル賞ウィークは研究機関にとって特別なシーズンですが、候補者が身近にいるラボでは、ちょっと違った“あわただしさ”が漂います。
ノーベル賞とは、スウェーデンの化学者アルフレッド・ノーベルの遺言に基づいて創設された、「人類のために最大の貢献をした人物」に贈られる世界的な賞です。
賞は以下の6部門に分かれています
・物理学賞
・化学賞生理学
・医学賞
・文学賞
・平和賞
・経済学賞(これはノーベルの遺言に基づくものではなく、後に追加された部門)
そして2024年のノーベル生理学・医学賞は、ヴィクター・アンブロス(Victor Ambros)博士とゲイリー・ラヴカン(Gary Ruvkun)博士に共同で授与されました。
受賞理由は、microRNA(マイクロRNA)の発見と、その転写後遺伝子制御における役割の解明によるものです。私たちの体の中で、たんぱく質を作る設計図(=遺伝子)がどう読み取られ、必要なタイミングで「オン・オフ」されるのか。その鍵を握る存在としてmicroRNAが注目されるきっかけを作った、まさに生命科学の基盤を揺るがす発見でした。
発表当日の朝、研究所内では「報道関係者は本部棟へ」との張り紙が掲示され、すでにざわざわとした空気が漂っています。
「今年こそはY先生が…!」という期待が高まる中、発表前から報道機関からの“取材の予約の予約”がたくさん…!ラボの秘書さんや広報担当は電話対応に追われ、研究所内もなんとなくソワソワした雰囲気。
一方、肝心のY先生は落ち着いた様子で、周囲の喧騒もなんのその、毎年恒例のように平常運転です。これもまた風物詩のようになっています。
Ayaneも語っていたように、「ノーベル賞候補者のそばで働く」というのは、研究の世界に入る前はあまり想像したことのない環境です。
でも、実際にその“そば”にいると、取材対応や記者会見の準備、万が一の対応まで、多くの人が裏でドタバタと動いていることを目の当たりにします。
なかなか該当する人も少ないと思うのですが、受賞しても、受賞しなくても、ある種大変なのだなぁと思いました。
ノーベル賞受賞は世界中の研究者からの尊敬を集め、後進の研究者たちにも大きな影響を与えます。
一方で、多くの研究者にとってノーベル賞は「目指して取るものではない」とも言われます。多くの研究者にとってのモチベーションは
・「まだ知られていないことを明らかにしたい」
・「病気を治す手がかりを見つけたい」
・「誰かの役に立ちたい」
といった、もっと“生活に根ざした探究心”です(こちらはもちろん人それぞれですが)その結果がいつかノーベル賞という形で評価されることもある――というイメージに近いかもしれません。
毎年ノーベル賞の季節になると、研究所の空気が少し変わります。どこか緊張感がありつつも、誇らしいムードも漂う、不思議な一週間。候補者が受賞すれば大きなニュースに、惜しくも逃した年には「また来年!」という声が飛び交う。そんな“ノーベル賞のそばにいる日常”は、少し特別で、でも少し身近でもあります。
研究者にとってノーベル賞は、決してすぐ手が届くものではないけれど、「研究の力が社会に届く瞬間」として、私たちを勇気づけてくれる存在です。
それではまた次回!
次はどんな「ラボの一コマ」をお届けできるでしょうか?お楽しみに。