コロナワクチン接種の体験談【化学者のつぶやき】

2021.07.26

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のワクチンの接種が始まり、ワクチン投与に関する噂やニュースが流れるようになりました。この記事では、非医療従事者でありながら、幸運にも Pfizer のワクチンを接種する機会を得た米国在住の大学院生がワクチンを受けた後の様子についてお話しします。

 

なお、私は医療や医学に関する専門家ではありません。あくまでも一般人がワクチンを受けた感想としてご覧いただければと思います。COVID-19 に対するワクチンとして広く利用されている mRNA ワクチンに関する専門的な解説は、こちらの記事をご参照ください (ケムステ記事: mRNA ワクチン (メッセンジャー RNA ワクチン)。

 

いつワクチンを接種しましたか?

米国カリフォルニア州では 2021年4 月1日から50歳以上のすべての州民に、4月15日から 16 才以上のすべての州民に COVID-19 に対するワクチン接種の機会が与えられます。UC バークレーで研究に従事する私は、”essential workers in education (教育機関の重要労働者)” に分類され、幸運にも一般の州民よりも早くにワクチンを接種できる順番が回ってきました。具体的には2月24日に Pfizer の第一回のワクチン投与を行い、その3週間後の 3月 17 日に第二回のワクチン投与を済ませました。

 

ワクチン接種の記録カード. 「旅行する際などの何かの証明になるから写真を撮っておけ」 と言われて撮影したもの. ただし, 現状ではワクチンを接種したからといって, 国際旅行の際の検疫をパスできるわけではありません. [追記 2021/4/4: 米国疾患予防管理センター (CDC) は、ワクチン接種が完了した人であれば、アメリカの国内旅行の際の陰性証明や隔離処置をパスできることを4月2日に発表しました]

 

ワクチン接種はどのように行われましたか?

バークレーのワクチン接種場では、ドライブスルー形式でした。広い駐車場のようなスペースにいくつもテントが設置されており、その隙間を車が通る配置になっていました。いわゆる飲食店のドライブスルーと同様に、車の窓越しに受付の人と会話をして、本人確認や予約の確認を済ませます。

 

その後、ワクチン接種用のテントのそばまで行くと、医療関係者が待っているので、車のドアを開けて、自身は車内にいたまま腕に注射してもらいます。その後、ワクチン接種が済んだことを証明するカードが配布されました。注射後は、 出口付近で15 分間待機して予後観察が行われます。1度目のワクチン接種の際は、この待ち時間の間に2回目のワクチン接種の予約を行いました。15分後、特に何もなければ、そのまま解放され、接種は完了です。車から一度も降りることなく、待ち時間も含めておよそ 30-45 分程度で済みました。

 

ドライブスルー型のワクチン接種場のイメージ図.

 

ワクチン接種後に副反応はありましたか?

なかったといえば嘘になります。

米国疾患予防管理センター (CDC) によると、よくある副反応として次のものをあげています。1

 

ワクチンを当てた腕に 腕以外に
  • 痛み (pain)
  • 発赤 (redness)
  • 腫れ(swelling)
  • 倦怠感 (tiredness)
  • 頭痛 (headache)
  • 寒気 (chills)
  • 発熱 (fever)
  • 吐き気 (nausea)

 

私の場合、1度目の接種後の数時間後から、ワクチンを接種した側の腕にじんわりとした痛み全身の疲労感を感じ始めました。そして、腕を45 度以上上げようとすると、かなり痛みました (腕をあげることが不可能ではありませんでしたが)。頭痛などの痛みはありませんでしたが、腕の痛みは1-2日程度継続したと記憶しています。

 

2度目の副反応はさらに顕著でした。接種したその3時間後ごろから頭痛とめまいを伴うような吐き気に襲われました。腕の痛みも1度目の時よりもさらにひどかった印象です。特に頭痛と寒気がひどかったため夜はなかなか寝付けず、軽度な風邪にかかったかのような気分でした。次の日の朝もそれなりに頭痛と吐き気は継続していましたが、その夕方頃になるといつのまにかそれらの症状が和らいで、ケロっとしていました

 

どうやら、他の研究室のメンバーも2回目の接種においては、副反応を経験していたようです。その期間や程度には個人差があったようですが、みな数日後には正常に回復したようです。ここから言えることとしては、2 回目のワクチン接種の直後は、副反応が予想されるため、 2回目のワクチン接種の後には安静を保てるようなスケジュールを事前に組んでおくと良いと思いました。私の場合はワクチンの副反応についてあまり調べずに研究のスケジュールを組んでいたため、頭痛を伴いながら研究室で作業することを余儀なくされました。

 

ワクチンを受けて何か変わりましたか?

ワクチンの効果についてはまだ研究中であるため、公共の場所ではマスク着用や社交的距離を保つことの義務は課されており、生活面で変わったことはほとんどありません (記事最後の追記を参照)。手洗いの習慣も続ける必要があります。また、不必要な移動も原則自粛するべきとされています脚注

 

一方で、米国疾患予防管理センターによると、ワクチン接種が完了した人同士の集まりであれば、マスクを外しても良いとされています。注意すべきことは、ここでいう”ワクチン接種が完了した人” とは、Ph2回目のワクチンの接種から2 週間経過した人のことです。副反応がなくなったからといって、体に抗体ができたわけではなく、体内に抗体が出来上がるまでには 2 週間程度の期間が必要なようです。

 

*上述の内容は、記事執筆時点 2021 年 3 月の内容です。記事最後に 2021 年 5 月以降最新の状況を記載しています。

 

終わりに

この記事で、副反応について記述しましたが、決して「副反応があるから危ない」という趣旨では書いたわけではありません。それらの副反応に関するすべては公表されています。むしろ私が伝えたいのは、もしワクチンの副反応を知らないで接種を受けていたら、びっくりする程度には強い反応を経験した、ということです。ワクチン摂取による副反応は、私たちの体が抗体を作ろうとしている証であり、ウイルスに対する抵抗を作る上では避けられない反応です。

 

ということを考えると、ワクチンを受けずに不意に COVID-19 を発症して、突然数日程度寝込むことを強要されるよりは、ワクチンを受けて予期された頭痛を1日だけ経験する方がよっぽどマシではないかと思います。また、自身がワクチンを接種することで、まだワクチンを受け取っていない人やワクチンを受けられない人 (基礎疾患の有無の関係や年齢制限の関係で) にウイルスが広がることを防げます。早く社会全体にワクチンが広まり、事態が収束することを祈っています。

 

というわけで、COVID-19 に対するワクチン接種の体験談を共有しました。ざっとweb上を検索したところ、非医療従事者による日本語の体験談は少なかったので、「すでにワクチンが身近なところまで回っていますよ」という、ワクチンに対する親近感を持ってもらえると幸いです。