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こちらの記事では、つくるまなぶ京都町家科学館様が提供するYouTube動画「【伝統工芸】つくってまなぶ京都のおしごと~北山杉編~【科学ものづくり】」の内容をご紹介します。
伝統建築に欠かせない和室を飾る北山杉を作られている京都京北の京都北山丸太生産協同組合、株式会社中西林業からお届けします。
全篇動画は以下のリンクよりご覧ください!
動画のポイント解説を、以下本文でさせていただきます。
後編は、北山杉の育て方の続きで伝統的な手作業の加工と現代の機械加工を比較したり、お子さんたちの素朴な疑問にお答えしたりしていきます。
CONTENTS
また工程説明に戻ります。
次に始まる工程が「枝締め」です。
これは伐採する前年の11月から3月ぐらいに、枝をまたもう一度適度に打ち落とします。こうやって最後に年輪の一番外が膨らんでしまうのを抑えるのが目的です。
ここまでいくと、後は「伐採」と「搬出」。木を切って運び出すっていう作業に入ります。
ここまでは共通なんだけど、ここから伝統的な昔からやってた方法と、最近行っている機械を使った方法の2種類に分かれるので、まずは伝統的な方法から見ていてもらいたいなと思います。
ということで伝統的な方法の次の工程です。
切った後、表面の皮を剥くということで皮むきの動画を見てもらうかなと思います。
こんな感じにちょっと変わった棒、ヘラを使って皮の表面をこすります。
いい感じに表面が乾いていると、ペロンと皮がめくれていきます。
すごく簡単そうに見えて、多分かちゅーがやってもうまくいかない難しい作業なんですけど、きれいにペローンとに向けると中の、今さっき見てたツヤツヤの綺麗な北山丸太が中から見えてきます。
この後ぐるっと全体を綺麗に剥いても、剥いた後でちょこっと残っていたりする。
それを取るための作業、「小むき」っていう作業があります。
ちょっと残っちゃった皮を手に丁寧に手作業で落としていくと、茶色いところもきれいに落ちてキレイなツヤツヤの北山丸太が出来上がる。
皮はまでむけたら、今度は乾かす。こんな感じで外に並べて木を乾かします。

ここまでいった後に、ちょっと面白いことします。「磨き」っていう工程です。
滝の動画が出てきましたが、この滝壺の砂を使って、なんと木の表面を磨いていきます。
昔この地を訪れた高僧が、この土地にある菩提の滝つぼの砂がとってもいいものだと言って、その砂で杉の丸太を磨いて商売すればきっとこの土地は栄えると教えてくれました。
そうやって磨くことで、とっても綺麗で表面がピカピカになって、カッコいい北山丸太ができたよっていうエピソードがございます。
砂で磨くことで木がピカピカになるってどういうことかも、ちょっと考えて欲しいなと思います。
ここで何が出てきそうか、そろそろ予想がつくでしょうか。袋の中に入っていた変な砂。
この砂はなんと今、動画に出て行った滝壺の砂です。
この滝壺の砂が、なんで木を磨くのにいいのかちょっと考えて欲しいです。
袋を開けて、中身の粒を触ったらどうなるか、ちょっとやってほしいな。
指でつまんで、ちょっと指をすり合わせてみて。その時にこんな感じになったよって、何か発見があったら聞かせて欲しいなって思うんですけど。
誰かこの砂の感想、どんな砂だと思うっていう、滝つぼの砂がいい理由の予想があったら聞かせてほしいです。
~観察~
参加者:なんか手に優しい砂!
たしかにね。手でこするときに手が荒れちゃったりするからね。大事な要素かもしれない。
参加者:とがったり硬い砂。
確かに硬い粒も入っているよね。
ひとつ見てもらうと面白いのが、こすり合わせた時に最初硬い粒で、こすっているうちにポロポロちっちゃくなっていく粒がある。こうしてみたらわかるかな。この細かい粒がいいんじゃないかなと考えてます。
キットの中に最後の工作で使うやすり、サンドペーパーも入っていると思います。
こういうやすりを使うときも、最初は粗い目、大きなつぶつぶが付いたヤツで擦ってから、だんだん細かいのに変えていくと表面がツルツルにできます。
それがこの砂だと多分、いい感じに自動的に細かく崩れながら表面が擦れるからピカピカになるんじゃないかなと思います。
といったことを、みんなと考えてきました。

これが砂で磨くっていうの伝統的な作り方なんですけど、実は今ではさっきみたいに手で皮をむいて砂で磨くということをあまりやってなくて、なんと機械でやっています。
むっちゃかっこいい機械でやっています。それを本物を見てほしいなと思うので、今からちょっと中継、別の場所の工場の方にカメラを切り換えて、それを見てほしいなと思います。
山の中にある工場です。
こんな機械が出てきました。早速動かしてくれます。
見てみましょう。なんとこれが皮むきと磨きを同時にできちゃう機械。なんかすごい。
これ、どうやって削ってるかわかる?木がゆっくり回りながら、その上を何かが通っていきます。
ちょっとみんなに聞いてみよう。コレ何してるかわかる?上から降ってきているの、何だろうというのを考えてくれたひと?
参加者:砂?
なるほどね、砂を吹き付けている。それもありそうだね、さっき砂で磨くとか言ってたもんね。
参加者:水!
なるほど水。確かにそんな感じがするね、跳ね返っているし。
どうでしょう、ちょっと正解を聞いてみたいな。中西さん。
今、中西林業の中西さんが機械を動かしてくださっていました。
ちょっと聞いていきたいんですけど、今上から降っていたもの何でしょうか?
中西:川の水ですね。
川の水を使っているってことは、近くに川が流れているということでしょうか。
中西:隣に川が流れています。
なるほど、すぐ近くを川が流れているから、その水を勢いよく当てることで皮むきと磨き作業をしているということですね。ありがとうございます。
ダイナミックなすごい機械を皆に見せていただきました。

もう一つ、ここの中西林業さんで使っている面白い機械があるので、奥の方に入ってもう一個見せてもらいましょう。
さぁ、何か大きい機械の真ん中で、大きなのこぎりが回っています。
丸ノコギリの上に丸太をおきます。さっきの水で磨いた丸太が、ノコギリの上ですーっと。
今、丸太がノコギリの上を通り過ぎていきました。
さあ、これでどうなったのか、何をしたのか見てもらいたいと思います。
割れ目が入りました。せっかくのきれいな丸太に傷をつけちゃったのかなって感じなのですが、中西さん、なぜ切り込みを入れたのでしょうか。
中西:これは「背割り」という工程で表面の割れを防ぐために入れてるんです。
なるほど、「背割り」をしておかないと木が乾いていく過程とかで木が割れちゃう。
それを防ぐために、「背割り」の作業をしてあります。
実はね、かちゅーが座っている床の間の床柱も、後ろ側に背割りが入っています。
こんな感じで、背割りなんていう作業も、今は機械で綺麗に出来上がります。
中西さん、大きな機械を2つも見せて頂いてありがとうございます。
中西:はい、どうも。
皮むきと磨きが一緒に機械でできるんだよっていうのを見てもらいました。

工程のスタートから最後まで、ザーッと流れを見てもらいました。
太い大きな柱を作ろうとしたら、なんと育てるまで30年くらいかかるということです。さっきみんなで見つけてくれたように今回届いている丸太の輪切りは19年くらいだったのかな。
これだけ色々と北山丸太のことを知って、どうやって作っているかまでわかってくると、今度からいろんな物を見るときに見方がちょっと変わってくるんじゃないかと思います。
例えば、どこかのおうちに和室あったら、床柱があるんじゃないかとか見てみてください。お店とか旅館でも気にしてみて。
お店の人に「なかなかいい柱使ってますね、この模様は天然ですか人工ですか?」
って言ってみたら、なんだこいつなんで床柱にに詳しいんだって驚かれるかもしれないです。
知って見てみると面白いものってたくさんあります。ぜひ今度見かけたら触ってみてください。
それでは説明はここまでにさせていただきまして、いったん自由な質問の時間を取りたいと思います。ここまでで分からなかったこと、気になっていることがあったらお気軽に。なにかありますか?
Q. かんなで皮はむけますか?
多分できるとは思う。さっきみたいに丁寧に磨いているのは、中の木を傷つけないように磨くためだけど、カンナを掛けちゃうとちょっと削れ過ぎちゃうんじゃないかなと思います。なので、今回はカンナは表面をきれいにするためじゃなくて、中を削るために使おうかなと思っています。
参加者:ありがとうございました。
チャットになんか来ている。
参加者:思ったより木が細かった。
なるほど。なかなかね、育てるのってとっても大変なんでございます。
Q. 乾かす前はどれくらいの重さですか
松本:例えば乾かす前は40キロぐらいなんです。
乾かした後は20キロぐらい。だから杉の木の半分は水分です。
それぐらいたくさん水分が入ってる杉の木。
機会があったら、この丸太を抱きかかえてもらったらいいんですけど。20キロぐらいだから、みんなの体重くらいかもしれない。僕ががんばればギリギリ持てるぐらいなんだけど、職人さんたちは、これを何本も担いで軽快に歩いていて、これ軽そうだな思って持ってみたらめちゃめちゃ重くてびっくりしました。
Q. 背割りしたあとは、柱に残るんですか。
背割りしたあとは、柱にそのまま残ります。なので、わざと背割りの面を後ろにして見えないようにして使うんですけど、背割りもね綺麗に出来てるとそれ自体もただの傷じゃなくてかっこよく見えるので(表に見せるのも)ありかなと。
Q. 腐らないんですか?
腐らないんですか?木が腐るかってことかな
腐ることは、もちろんありますよね。
松本:そうですね、乾いてないと腐りますね。けどこうやって乾燥させると、10年20年どころか100年くらい使えるようになります。
すごい。柱もね、何十年も使うことでちょっとずつ表面の色が変わってきたりして、それも味として楽しめる、そんな北山丸太でございます。
Q. 木の種類が変わっても年輪は同じくらいの幅ですか?
それは、ものによって変わります。めちゃくちゃ大きくなる木だと年輪の幅も大きくなるし、長生きするけどあんまり大きくならない木ならもちろん、ギュッと詰まった年輪になります。
杉でも、育て方でもちょっと変わったりします。
いったん質問コーナーは終わりにして、また最後に質問の時間がとれたらなと思ってます。

~北山杉の箸づくりワークショップ~
北山杉の角棒をカンナで削って、お箸の形に整えます。
自分用?家族やお友だちにプレゼント?使う人のことを考えながら、集中して削っていきます。

聞きたいことあったら(作業中の)今のうちに。これを作る中で困ったことでも何でもどうぞ。みんな集中してくれてるかな。
Q. この(滝壺の)砂はどうするんですか
これは特別、何に使おうっていうものでもないんだけど、例えばこの輪切りの側面を磨いてみたらどうかなとか、試してもらってもいいかもしれない。すごく栄養があるとかいうわけでもないから庭の土に混ぜてあげたらいいとかいうわけでもなくて、こんなに使えるかなーっていう面白いアイディアがあったらぜひ教えてください。
参加者:僕コースターの側面削ってみる。
どんな感じになったか教えてね。
Q. つまようじになりました。
じゃあ、かっこいいつまようじにします?使い捨てしないかっこいいつまようじ。あともう1本で合わせて作ってくれてもいいし、なんならもう一膳でやり直し、もう1回チャレンジしてくれてもいいです。細くなることもあると思います。
Q. 北山杉の葉を庭に植えてみたいのですがどうでしょう
可能性はあるでしょうか、松本さん。「一回やってみてください」とお声をいただきましたので、ぜひ植えてみて、どうなったか教えてください。ちょっと伸びたよとか、もしかしたらちゃんと苗になって庭に埋め直したら大きくなった、という可能性も無くはないですね。
松本:日陰においてください。
最初は日陰に植えるのがいいみたいです。
Q. 杉の木1本から今日貰ったコースターは何枚切れますか
この、僕らの横にある丸太が3m ぐらいあるんですけど、コースターは1センチぐらいの厚みで切ってあるので、これだと300枚とれます。
Q. スギの葉はどう使いますか。
これも別に何に使ってもらおうというわけではないんです。例えばちょっとちぎってみると杉の香りがお届けできるかもしれないと思ってましたけど、杉ってあまり匂いが強い木じゃないので分かりにくいですね。
Q. ニス塗ってもいいですか。
お箸にってことですかね。口に入れて大丈夫なものなら使ってもらったら良いと思います。
あとこの杉の葉も乾かすととってもいい匂いが出るので、綺麗に干して乾かしてからお風呂につけたりするとスギの良い香りになるかもしれません。いろいろ試してみてください。
Q. 先生は普段林業に携わっているんですか?
先生は私かちゅーのことかと思いますが、私は林業に携わっておりません。
今回は北山杉をテーマにいろんなことをお伝えしているんですけれども、先々月ぐらいは友禅の会社から着物のことをお話ししていたり、色々な京都のお仕事、ものづくりのことをみんなに分かりやすく伝えようということを今の主な仕事にしております、かちゅーです。
Q. 職人さんがこの箸を削るならどれぐらいの時間がかかりますか
どうなんでしょ。松本さんがこれ作ったらどれぐらいかかりそうですか?
松本:10分くらい。
10分くらいでできちゃう。すごい。僕にはできません。
参加者:コースターに、杉の葉とやすりとカンナ屑と滝壺の砂を擦りつけたら、さっきより表面がサラサラになった。
なるほどいいね、出てきた他のものとかも色々使って擦り合わせてみたらサラサラになったと。
参加者:擦るとどんどんツルツルになってきます。
いいね、どんどん良い触り心地を目指してやってみてください。他の人も良かったらやってみて。
今回は『つくってまなぶ京都のお仕事~北山杉編~』ってことで、北山丸太ってどんなものだろうっていうのを一緒に考えながら見てきました。
最初、知らないとただの木でしかないものも、いろいろ触ってみたり学んでみたら何か違うものに見えてくるんじゃないかなと思うので、是非いろんなところでもし(床柱を)見る機会があったら、これ北山杉かな、もしかしたら他の地方の杉かな、なんてちょっと考えてみてもらいたいなぁと思います。
つくまなぶ京都のおしごと北山杉編は、ここらで終わらせていただきたいと思います。
長い時間ありがとうございました。

今後も動画によるコンテンツ拡充を続けてまいります。
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