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グラフェン等炭素素材であって、ピリジン型の窒素がドープされていることを特注とする酸素還元触媒
燃料電池、水電解
燃料電池は、水素と酸素から水を生成する際に生じるエネルギーを電気として取り出す
発電装置である。燃料電池は、発電時に温室効果ガスの二酸化炭素や有毒ガスを排出せず
、化石燃料を燃焼させる従来の発電システムに比べて、発電効率が高いなどの優れた特徴
を有している。しかしながら、燃料電池の電極では、化学反応を担う触媒材料として白金
が使用されており、この白金が高価で希少なレアメタルであることが、燃料電池の大規模
な普及を妨げる要因の一つになっている。
既に複数の研究グループによって、炭素材料に窒素原子をドープした場合に、白金に匹
敵するカソード電極触媒性能や耐久性が出現することが報告されており、窒素ドープ炭素
材料が、白金を代替する有力な燃料電池カソード電極の酸素還元触媒の候補材料として、
注目されている(非特許文献1〜3参照)。ただし、窒素ドープ炭素材料には様々な種類
の窒素種が混在しており、どの窒素種が触媒活性をもたらし、触媒反応が起きる部位(触
媒活性点)については様々な提案が出されているものの、明らかにはされていない。
特に、炭素との結合を2つ有するピリジン型窒素と呼ばれる窒素種と、炭素との結合を
3つ有するグラファイト型窒素と呼ばれる窒素種と、のどちらが活性をもたらすかで論争
となっている(非特許文献4〜13参照)。触媒をより高性能化する上で、触媒活性点の
特定が求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【非特許文献1】K. Gong, F. Du, Z. Xia, M. Durst
ock, L. Dai, Science. 323, 760−764 (2009
) .
【非特許文献2】L. Dai, Y. Xue, L. Qu, H.−J. Cho
i, J.−B. Baek, Chem. Rev. 115, 4823−4892
(2015).
【非特許文献3】J. Shui, M. Wang, F. Du, L. Dai,
Sci. Adv. 1, e1400129 (2015).
【非特許文献4】H.−W. Liang, X. Zhuang, S. Brull
er, X. Feng, K. Mullen, Nat. Commun. 5,4973 (2014).
【非特許文献5】L. Qu, Y. Liu, J.−B. Baek, L. Da
i, ACS Nano. 4, 1321−1326 (2010).
【非特許文献6】C. V. Rao, C. R. Cabrera, Y. Ish
ikawa, J. Phys. Chem. Lett. 1, 2622−2627
(2010).
【非特許文献7】T. Xing et al., ACS Nano. 8, 685
6−6862 (2014).
【非特許文献8】R. Liu, D. Wu, X. Feng, K. Mulle
n, Angew. Chem. 122, 2619−2623 (2010).
【非特許文献9】H. Niwa et al., J. Power Sources
. 187, 93−97 (2009).
【非特許文献10】H. Kim, K. Lee, S. I. Woo, Y. J
ung, Phys. Chem. Chem. Phys. 13, 17505−1
7510 (2011).
【非特許文献11】N. P. Subramanian et al., J. Po
wer Sources. 188, 38−44 (2009).
【非特許文献12】L. Lai et al., Energy Environ.
Sci. 5, 7936−7942 (2012).
【非特許文献13】W. Ding et al., Angew. Chem. In
t. Ed. 52, 11755−11759 (2013).
【非特許文献14】T. Kondo, S. Casolo, T. Suzuki,
T. Shikano, M. Sakurai, Y. Harada, M. S
aito, M. Oshima, M. I. Trioni, G. F. Tan
tardini, J.Nakamura, Phys. Rev. B 86, 03
5436 (2012).
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ピリジン型窒素をドープまたはピ
リジン型窒素含有分子を付着した炭素材料(グラフェン、グラファイト、カーボンナノチ
ューブ、カーボンブラック、活性炭等)からなり、高い二酸化炭素吸蔵機能を有し、かつ
、酸素還元反応に対して高い触媒性能を有し、白金を代替する酸素還元触媒とその活性化
方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)本発明の一態様に係る酸素還元触媒は、二酸化炭素吸蔵材料としての機能を有する
酸素還元触媒であって、炭素材料と、そのエッジ部にドープされたピリジン型窒素とを有
し、前記ピリジン型窒素の含有率が、0.04at%以上10.00at%以下である。
(2)本発明の他の一態様に係る酸素還元触媒は、二酸化炭素吸蔵材料としての機能を有
する酸素還元触媒であって、炭素材料と、前記炭素材料に吸着されたピリジン型窒素含有
分子とを有し、前記ピリジン型窒素の含有率が、0.04at%以上10.00at%以
下である。
(3)本発明の一態様に係る酸素還元触媒の活性化方法は、炭素材料と、そのエッジ部に
ドープされたピリジン型窒素とを有する酸素還元触媒の、触媒機能および二酸化炭素吸蔵
機能を、前記ピリジン型窒素の含有率を調整して活性化させる。
(4)(3)に記載の酸素還元触媒の活性化方法において、前記ピリジン型窒素の含有率
の調整を、前記炭素材料に占めるエッジ部の割合を調整して行ってもよい。
(5)本発明の他の一態様に係る酸素還元触媒の活性化方法は、炭素材料と、前記炭素材料に吸着されたピリジン型窒素含有分子とを有する酸素還元触媒の、触媒機能および二酸
化炭素吸蔵機能を、前記ピリジン型窒素の含有率を調整して活性化させる。
(6)(5)に記載の酸素還元触媒の活性化方法において、前記ピリジン型窒素の含有率
の調整を、前記炭素材料に占めるピリジン型窒素含有分子を付着部分の割合を調整して行
ってもよい。
(7)(3)〜(6)のいずれか一つに記載の酸素還元触媒の活性化方法において、前記
ピリジン型窒素の含有率を0.04at%以上10.00at%以下に調整してもよい。
(8)本発明の一態様に係る燃料電池触媒は、(1)および/または(2)に記載の酸素
還元触媒を備えている。
本発明では、窒素ドープグラファイトからなる酸素還元触媒の触媒活性に寄与する窒素
種が、ピリジン型窒素であるとの知見に基づき、ピリジン型窒素をドープ、またはピリジ
ン型窒素含有分子を付着した、炭素材料におけるピリジン型窒素の含有率が、0.04a
t%以上10.00at%以下の範囲で調整されている。このような調整により、高い二
酸化炭素吸蔵機能を有し、かつ、酸素還元反応に対して高い触媒性能を有し、白金を代替
する酸素還元触媒とその活性化方法を得ることができる。
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