マイコンを搭載したIoT対応非破壊振子式硬さ試験機

2022.10.06 By 群馬大学

材料工学

技術概要

この硬さ測定方法はハーバート硬さ試験機による硬さの測定値として、揺動角度の減衰定数の逆数という全く新たな値を用いる。これにより、ハーバート硬さ試験機を用いながら精度の高い硬さ測定を非破壊で行うことができる。また、この硬さ測定方法は減衰硬さと押込硬さとの相関式を求めることで、減衰硬さを押込硬さに変換することができる。これにより、測定物の押込硬さを非破壊で得ることができる。また、測定物の硬さを一般的な押込硬さを用いて比較、評価することができる。

用途・応用

・刃物など特殊形状物の硬さ試験
・摩擦係数測定
・液体の粘度測定

背景

 試料の硬度を測定する方法としては、四角錐の圧子を規定の力で押圧してその圧痕の寸法から試料の硬度を測定するビッカース硬度測定法や、球形の圧子を規定の力で押圧してその圧痕の径から試料の硬度を測定するブリネル硬度測定法等の押込み式の硬度測定方法が一般的である。このような押込み式の硬度測定法に関連した測定方法として例えば下記[特許文献1]に記載の発明が挙げられる。

 しかしながら、上記の押込み式の硬度測定方法は試験試料に圧痕が残留するという問題点がある。この点、ハーバート硬度試験機を用いた振り子式の硬度測定方法は試験試料に傷を付けず非破壊で硬度測定を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特開平11-118690号公報

課題

 上記のハーバート硬度試験機による硬度測定では、試験機を一定角度傾けて開放し反対側に傾いた際の最大角度である目盛硬さS1や、試験機が5往復の揺動(10揺動)に要し た 時 間 で あ る 時 間 硬 さ T 、 ま た 目 盛 硬 さ S 1 と 時 間 硬 さ T の 比 で あ る 流 動 硬 さ S 1 /T、が硬度の測定値として用いられる。しかしながら、これらの測定値は測定精度が低いという問題点がある。

 本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ハーバート硬度試験機を用いながら高精度な硬度測定が可能な硬度測定方法を提供することを目的とする。

手段

 本発明は、
(1)ハーバート硬度試験機50を用いて測定物12の硬度を測定し、初期角度S 0 と 、複数の揺動角度のピーク値と、前記ピーク値を取るときの時間と、を少なくとも取得する測定ステップS102と、揺動角度の下記[数1]式に示す減衰曲線S(t)の減衰定数α 0 を前記測定ステップS102での取得値に基づく近似により算出する演算ステップS104と、前記演算ステップS104で求められた減衰定数α 0 の逆数(1/α 0 )を前記測定物12の減衰硬さHDHとして算出する減衰硬度算出ステップS106と、を有することを特徴とする硬度測定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(2)押込み式の硬度測定による押込硬度(HD)が既知の異なる硬度の基準測定物の減衰硬さを取得する換算データ取得ステップS200と、基準測定物の減衰硬さと押込硬度(HD)の値とから、減衰硬さと押込硬度(HD)との相関式である(HD)=A×(1/α 0 )Bの相関定数A、Bを算出する相関定数算出ステップS202と、前記相関定数A、Bが特定した相関式を用いて前記減衰硬度算出ステップS106で得られた測定物12の減衰硬さHDHを押込硬度(HD)に換算する換算ステップS204と、をさらに有することを特徴とする上記(1)記載の硬度測定方法を提供することにより、上記課題を解決する。
(3)押込硬度(HD)がビッカース硬度(HV)もしくはブリネル硬度(HB)であることを特徴とする上記(2)記載の硬度測定方法。

効果

 本発明に係る硬度測定方法によれば、ハーバート硬度試験機を用いて精度の高い硬度測定を非破壊で行うことができる。

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特許情報

2015-216248

JPA 2017090070-000000