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シリコンナノ多孔粒子とナノ金平糖粒子は、微細孔と微細突起のサイズ、密度を制御することにより、比表面積を自在にコントロールすることができます。また、従来のナノ加工技術と比べて劇的にコスト削減することができるウェットエッチングプロセスを採用しており、ナノ多孔粒子表面に有機ポリマーを被覆した太陽電池では、比表面積の拡大によるpn界面領域の大幅な拡張により、その性能向上が図られます。
・無機/有機ハイブリッド太陽電池
・リチウムイオン電池の負極材料
・抗原抗体反応用材料
近年、太陽電池や蓄電池等といったエネルギー関連製品の分野を初めとした様々なデバイスにおいて、製品の機能向上を目的として、その製品を構成する部材に対してナノレベルの加工が行われることがある。これらの中でも、特に、シリコン(珪素)材料に関しては、半導体分野において長年にわたって蓄積されてきた微細加工技術を応用して、微細構造を有する様々な構造体の調製に用いられている。このような微細加工技術を応用した構造体の一例として、例えば特許文献1には、単結晶シリコン基板に対して、特定のテーパー角と深さを備えた微細な溝を研削加工により形成し、これをエッチングすることで鋭利な先端部を有する針状構造の規則配列体を得ることが提案されている。また、特許文献2には、シリコン基板上にナノ秒レーザを照射することにより、針状結晶突起や樹枝状結晶突起からなるナノレベルの微細構造を形成することが提案され、この微細構造を備えたシリコン材料が機械部品や電子部品用途に有用であるとされている。
ここで、シリコンは、太陽電池における発電素子として用いられており、この分野においても発電効率の向上を目的として、各種の微細表面加工が行われている。このような例として、特許文献3には、シリコンウエハ表面にエッチングを施すことにより、その表面にナノ孔状等の表面テクスチャを形成させることが提案されている。
また、シリコンは、リチウムイオン二次電池における高容量負極材料としての用途が期待されている。しかしながら、シリコンは、リチウムイオンの挿入と脱離に伴って大きな体積変化を示すので、充電と放電を繰り返すうちに負極の劣化により二次電池の容量が低下する問題を有する。この問題を解決する手段の一つとして、例えば特許文献4には、Si O 2 粉末と塩化ナトリウムとの混合物を還元するとともに、還元により得られたシリコンにエッチングを施して微細構造を備えた多孔質シリコンを電極材料として用いることが提案されている。また、特許文献5には、多孔質シリコンウエハから多孔質シリコン粒子を調製し、これをリチウムイオン二次電池の負極として用いることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特開2008-114345号公報
【特許文献2】特開2006-231376号公報
【特許文献3】特表2017-504179号公報
【特許文献4】特表2017-520089号公報
【特許文献5】特開2016-051622号公報
上記のように、シリコンに対して表面加工を行って、微細構造を形成させる手段が種々提案されている。しかしながら、この種の加工は、コストや手間のかかるものも多く、工業的に利用するには課題が多いのも事実である。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、簡易な操作と安価な材料を用いて、シリコン微粒子の表面に微細な突起を形成する手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、以上の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、リン若しくはそれを含む化合物、又はホウ素若しくはそれを含む化合物をシリコン微粒子に接触させてから熱処理を行うことでシリコン微粒子にリン又はホウ素をドープした後、リンをドープした場合には、フッ化水素酸及び遷移金属イオンを含む溶液にシリコン微粒子を浸漬することで、そのシリコン微粒子の表面に遷移金属粒子を析出させるとともに、当該析出に伴って、遷移金属粒子との接触部が酸化されたシリコン微粒子の表面をフッ化水素酸でエッチングする第一エッチング工程を行った後、上記遷移金属粒子を除去することにより、また、ホウ素をドープした場合には、リンをドープした場合と同様に第一エッチング工程を行った後、さらにフッ化水素酸及び酸化剤を用いて第二エッチング工程を行うことにより、シリコン微粒子の表面に微細な突起を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1)本発明は、リン若しくはそれを含む化合物、又はホウ素若しくはそれを含む化合物をシリコン微粒子に接触させ、さらに熱処理を行うことにより、上記シリコン微粒子にリン又はホウ素をドープするドーピング工程と、フッ化水素酸及び遷移金属イオンを含む溶液に、上記ドーピング工程を経たシリコン微粒子を浸漬することで、上記シリコン微粒子の表面に遷移金属粒子を析出させるとともに、当該析出に伴って、上記遷移金属粒子との接触部が酸化された上記シリコン微粒子の表面をフッ化水素酸でエッチングする第一エッチング工程と、上記第一エッチング工程を経たシリコン微粒子から、上記遷移金属粒子を除去する除去工程と、を備え、上記ドーピング工程によりホウ素がドープされた場合には、上記第一エッチング工程を経たシリコン微粒子をフッ化水素酸及び酸化剤を含む溶液に浸漬させる第二エッチング工程をさらに含む、表面突起を有するシリコン微粒子の製造方法である。
(2)また本発明は、上記酸化剤が過酸化水素である(1)項記載の表面突起を有するシリコン微粒子の製造方法である。
(3)また本発明は、上記遷移金属が銀である(1)項又は(2)項記載の微細突起を有するシリコン微粒子の製造方法である。
(4)また本発明は、上記第二エッチング工程を行う場合、当該第二エッチング工程を実施する前であって上記第一エッチング工程の後に、上記シリコン微粒子に対して超音波ホモジナイザーによる破砕処理を行う破砕工程を備えた(1)項~(3)項のいずれか1項記載の表面突起を有するシリコン微粒子の製造方法である。
(5)本発明は、不純物としてリンを含み、高さ10~100nmの表面突起を備え、径が50~500nmであるシリコン微粒子でもある。
(6)本発明は、不純物としてホウ素を含み、高さ10~100nmの表面突起を備え、径が50~500nmであるシリコン微粒子でもある。
(7)また本発明は、さらに、径が20~100nmの表面孔を備えた(6)項記載のシリコン微粒子でもある。
本発明によれば、簡易な操作と安価な材料を用いて、シリコン微粒子の表面に微細な突起を形成する手段が提供される。
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