化学蓄熱材

2022.08.09 By 千葉大学

材料工学

技術概要

アルカリ金属とアルカリ土類金属からなる群より選択される少なくとも1種の金属のハロゲン化物及び/又は水酸化物をリチウムシリケートに添加したものです。

用途・応用

蓄熱材

背景

 近年、二酸化炭素排出規制によって化石燃料の使用削減が求められており、各プロセスの省エネルギー化に加え、排熱の利用を進める必要がある、排熱の利用の手段としては、水を利用した100℃以下の温水蓄熱が知られている。しかし、温水蓄熱には、(1)放熱損失があるため長時間の蓄熱が不可能である、(2)顕熱量が小さいため大量の水が必要であり、蓄熱設備のコンパクト化が困難である、(3)出力温度が利用料に応じて非定常で、次第に降下する、等の課題がある。
 効率の高い蓄熱技術として化学蓄熱材が挙げられる。化学蓄熱法は、物質の吸着、水和等の化学変化を伴うため、材料自体(水、溶融塩等)の潜熱や顕熱による蓄熱法に比べて単位質量当たりの蓄熱量が高くなる。化学蓄熱法としては、固体材料(化学蓄熱材)と水蒸気や二酸化炭素との気固反応法、金属塩へのアンモニア吸収(アンミン錯体生成反応)、アルコール等の有機物の吸脱着による反応等が提案されている。環境への負荷や装置の簡便性を考慮すると、気固反応法が最も有利である。気固反応法に用いられる化学蓄熱材として、水蒸気との気固反応系ではアルカリ土類金属酸化物である酸化カルシウムや酸化マグネシウム、二酸化炭素との気固反応系では酸化カルシウムやリチウムシリケート等が知られている。特許文献1には、リチウムシリケート系化合物を含む化学蓄熱材が記載されている。

 製 鉄 業 等 か ら 発 生 す る 高 温 排 熱 ( 600℃ 以 上 ) を 有 効 利 用 す る 手 段 と し て 、 合 金 系 潜 熱蓄熱技術や、二酸化炭素を反応媒体として用いる化学蓄熱技術について検討が進められている。化学蓄熱技術は潜熱蓄熱技術に比べて蓄熱密度が大きいという利点がある。

【先行技術文献】
【特許文献】
【 特 許 文 献 1 】 W O2016/043224A1

課題

 600℃ 以 上 の 温 度 領 域 で 蓄 熱 操 作 が 可 能 な 材 料 と し て リ チ ウ ム シ リ ケ ー ト ( オ ル ト ケ イ酸 リ チ ウ ム 。 Li 4SiO4。 ) が あ る が 、 熱 出 力 操 作 に 用 い る 二 酸 化 炭 素 吸 収 反 応 が 600℃ 以 上で進行するものの、反応速度の制約があるため迅速な熱出力操作が困難であり、実用化への課題となっている。したがって、この材料を化学蓄熱材として用いるためには、熱出力操作の迅速化や低温化が求められている。

手段

 上記課題を解決するために、本発明の一つの手段によれば、化学蓄熱材を、アルカリ金属とアルカリ土類金属からなる群より選択される少なくとも1種の金属のハロゲン化物及び/又は水酸化物をリチウムシリケートに添加したものとした。

 さらに、前記アルカリ金属とアルカリ土類からなる群より選択される少なくとも1種の金 属 の 量 は 、 前 記 リ チ ウ ム シ リ ケ ー ト に 対 し て 0.1モ ル %以 上 50モ ル %以 下 で あ る も の と すると望ましい。
 さらに、前記金属が、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム又はストロンチウムであると望ましい。

効果

 本発明によれば、より低温での熱出力操作を実現できる化学蓄熱材及びその製造方法を提供することができる。

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特許情報

特開2019-142988

JPA 2019142988-000000