マンボウの飼育経験がある水族館関連施設

2026.08.06

日本はマンボウの飼育経験がある水族館関連施設が多い国である。世界は広いが、こんなにあちらこちらでマンボウを飼育している国は他にはない。こう言い切れるのは、私が過去に全世界のマンボウ飼育水族館について調べたことがあるからだ(見逃しもあるとは思うが)。実際のところ、海外のマンボウ飼育事情はマンボウ研究者もお互いあまり把握していないが、日本がマンボウの飼育で有名な国であることは断言できる。少なくとも1956年から続く日本でのマンボウ飼育。今までに一体いくつの水族館関連施設がマンボウを飼育してきたのだろうか? 気になったので調べてみた。

過去の調査からわかる日本全国のマンボウ飼育実績

鴨川シーワールド(2010)は、1977~2006年までの日本動物園水族館協会加盟の水族館関連施設61館について、マンボウの飼育経験を調査した。鴨川シーワールド(2010)によると、現在閉業・改装されたところも含めて、おたる水族館、サンピアザ水族館、登別マリンパークニクス、浅虫水族館、マリンピア松島水族館(※閉業)、アクアマリンふくしま、マリンピア日本海、大洗水族館、鴨川シーワールド、サンシャイン水族館、葛西臨海水族園、しながわ水族館、京急油壺マリンパーク(※閉業)、新江ノ島水族館、八景島シーパラダイス、伊豆・三津シーパラダイス、下田海中水族館、東海大学海洋科学博物館(※閉業)、魚津水族館、のとじま水族館、越前松島水族館、蒲郡市竹島水族館、南知多ビーチランド、碧南海浜水族館、名古屋港水族館、鳥羽水族館、志摩マリンランド(※閉業)、串本海中公園、和歌山県立自然博物館、海遊館、神戸市立須磨海浜水族園、城崎マリンワールド、姫路市立水族館、しまね海洋館アクアス、桂浜水族館、高知県立足摺海洋館、宮島水族館、海響館、マリンワールド海の中道、うみたまご、いおワールドかごしま水族館、沖縄美ら海水族館の42館を挙げている。

これら以外で私が知るマンボウ飼育経験のある施設は、期間限定も含めて、男鹿水族館GAO、仙台うみの杜水族館、道の駅大谷海岸、上越市立水族博物館うみがたり、波左間海中公園、エプソンアクアパーク品川、すさみ町立エビとカニの水族館、京都大学瀬戸臨海実験所、クラブノアすさみ、みかめ海の駅潮彩館、徳島新鮮なっとく市、足摺ダイビングセンター(※閉業?)、むろと廃校水族館、日本ドルフィンセンター、大分県マリンカルチャーセンター(※閉業)、延岡マリンサービス、長崎ペンギン水族館の17施設である。私が把握していないだけでおそらく他にもまだあるような気がする……合計すると、少なくとも59施設がこれまでにマンボウを飼育してきた。

道の駅やダイビングスポットなど意外な場所での飼育と体験

水族館でマンボウを飼育するのはわかるのだが、道の駅大谷海岸、みかめ海の駅潮彩館、徳島新鮮なっとく市はいわゆる道の駅である。このような場所でもマンボウの飼育が行われたのはなかなか興味深い。水槽的にも長期飼育は難しいと思われるが、旅の途中でマンボウを観察できるのは良いかもしれない。

また、波左間海中公園、クラブノアすさみ、足摺ダイビングセンター、延岡マリンサービスでは大きな生け簀や天然プールでマンボウスイムが行われ、スキューバーダイビングなどで季節限定でマンボウと一緒に泳ぐことができた。野生マンボウのダイビングスポットと言えば、静岡県沼津市の大瀬崎が有名であるが、マンボウの出現する時期が来ても会えるかどうかは運次第で、水深も一般ダイバーにしてはやや深いので、これらのマンボウスイムが行われている施設の方が確実にマンボウと一緒に泳ぐことができる。ここに書いている情報は古いものもあるので、もしマンボウと一緒に泳いでみたいと思った方は、事前に各施設に連絡をした方がいいだろう。

移動水族館での驚きの展示

すさみ町立エビとカニの水族館は、移動水族館(協賛は他にもあったと思う)を行っており、様々な海洋生物を普段は見ることができない地域に運んで一時的な展示を行っている。移動水族館の規模はその時によって様々だが、2010年にコンベックス岡山で行われた時、運ばれる海洋生物のメンバーの中に、なんとマンボウも入っていた。マンボウが移動水族館のメンバーにいるということで、私も一度現地に行ったことがある。ちゃんと現地に運ばれて泳いでいたことにビックリした。

近年の飼育状況とおすすめの施設

これまで北海道から沖縄まで様々な地域でマンボウが飼育されてきたが、近年飼育している水族館は限られる。季節限定も含めて、近年マンボウが飼育されている水族館は、仙台うみの杜水族館、大洗水族館、鴨川シーワールド、八景島シーパラダイス、越前松島水族館、下田海中水族館、海遊館、海響館、いおワールドかごしま水族館くらいである。本記事を書いている2026年8月現在確認できているマンボウが飼育されている施設は、大洗水族館、鴨川シーワールド、越前松島水族館、海遊館、海響館の5施設だ。もしこの夏休みにマンボウを見に行くなら、個人的におススメな施設は大洗水族館と海遊館だ。大洗水族館は今年1月、テレビ出演の依頼で現地へ赴き、マンボウが複数展示されていることを確認した。海遊館は今年3月、レンタル博士の依頼で現地へ赴き、太平洋大水槽でマンボウが1個体展示されていることを確認した。

おわりに

時折、普段飼育していない施設にマンボウが入ることはあるが、あまり長くは生きない。しかし、生き物の生きている姿を見せることが水族館の大きな命題なので、まずは来館客に実物を見てもらい何かを感じ取ってもらうことが大切なのだと私は思う。マンボウを飼育した各水族館関連施設では、それぞれの飼育エピソードがあるはずだ。いつかそれらのエピソードを掘り起こすことができればいいなと考えている。

 

マンボウを

  飼育してきた

   各施設

    59施設

     君はもう見た?

 

 

【参考文献】

鴨川シーワールド.2010.マンボウ類の飼育に関する調査.動物園水族館雑誌,51: 62–73.

澤井悦郎.2019.マンボウは上を向いてねむるのか:マンボウ博士の水族館レポート.ポプラ社.東京,207pp.