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バイオ系研究所で働くテクニシャン(技術員)でありながら漫画家として活躍するAyaneさんによる「ラボりだな日々」(※ラボりだ…ラボから離脱すること。ラボから帰ることの意を持つ造語)。
第8回のテーマは「何かおかしいの行方」です。
みなさん、お仕事をしていて「何かおかしい」と感じる瞬間ってありませんか?
たとえば、資料を読んでる時、データを確認している時、プログラムのデバックをしている時、商品の部品を点検している時…などなど、ふとした時にやってくる「何かおかしい」を経験したことがある方は、業務内容関係なく一定数いらっしゃるのではないかと思っています。
そして、「何かおかしい」と感じた時にどう行動しますか?
そのように感じる部分を探して解決・解消する、気のせいだとスルーする…など、様々な選択肢があり、ケースバイケースでどのような行動をとるかは変動するのではないでしょうか。
「何かおかしい」の裏側に存在する「普段や予想と違う違和感」にはミスやエラーが潜んでいることが多く、これらを逃さずに対応した結果、トラブルを回避できたというお話は歴史上の逸話でも散見されます。そして、時に「何かおかしい」は大きな発見を運んできます。
今回の漫画は私が目の前で観測した「何かおかしい」から「新しい科学的発見につながった」というお話でした。
テクニシャン(技術員)は、研究者が設計・計画した実験を遂行し、結果を出して報告するという業務を主に任されることが多いです。
テーマによって違いはあるのですが、条件を検討しながら実験を繰り返し、マイナーなトラブルシューティング経験を積み重ねて手を動かすことで見えてくる「何かおかしい」があります。
今回の発見はテクニシャン側が現場での経験と結果から感じる「何かおかしい」をありのまま伝えなければ・研究者側がそのテクニシャンの報告に耳を傾けて追及しなければ、このデータは研究成果として実ることはありませんでした。どちらが欠けても、新発見にはつながらなかったのです。
今回のケースについて、「何かおかしい」の行方を左右する重要なファクターとなったのは、
・実験技術の正確さ
・報告・連絡・相談
・テクニシャン-研究者間の信頼
でした。
これらは立場の組み合わせをかえれば、どの職業にも共通する大切な要素ではないでしょうか。
「何かおかしい」は条件によって、ただの気のせいになったり、トラブル回避や大発見に繋がったりします。見落とさない部分と気にしすぎない部分の塩梅がとても難しいですが、あなたの努力や経験から得られたかもしれない「何かおかしい」の行方を良い方向へ導けるよう、普段から少し気を付けて状況を整えてみるのも良いかもしれませんね。