真空放電とは?実験をもとに陰極線についてもあわせて解説

2024.02.15

Byかむら

真空放電と陰極線について・アイキャッチ蛍光灯の中には何も入っていないのに、どうやって明かりがつくのか、不思議に思ったことはありませんか?

蛍光灯には、この記事で取り扱う真空放電という技術が使われています。真空放電は中学物理で学習する単元です。授業では、目に見えない物質の話に混乱した人も多いのではないでしょうか。

この記事では、真空放電の仕組みや陰極線について解説しています。ぜひ授業の復習にお役立てください。

放電とは

たまっている電気が流れて空間を移動する現象を、放電といいます。
空から地上に向かって落ちる雷、冬に車のドアでパチッと痛い静電気。これらも放電現象のひとつです。

空気は通常、電気を通しにくい物質です。しかし、強い圧力がかかったり、空気が少なくなったりすると電気が流れやすくなります。

ここでは、空気が少なくなった状態での放電現象、真空放電について見ていきましょう。

放電とは

真空放電とは

真空放電とは、空気がごく少ない状況で起こる放電のことです。
ガラス管を電極につなぎ、電圧をかけてもなかなか放電は発生しません。空気の分子が邪魔で、電子が流れないためです。

しかし、ガラス管から空気を抜き、圧力を下げていくと、放電現象が発生しやすくなります。空気の分子が減ったぶん、電子が流れやすくなるためです。

蛍光灯のなかに何も入っていないことを、不思議に思ったことはありませんか?
蛍光灯は両端に電極を付け、空気を抜いたガラス管でできています。ガラス管のなかにガスを入れ、内側に蛍光物質を塗ることで、蛍光灯は明るく光るのです。

真空放電では、ガラス管の中に入れるガスの種類によって色が変わります。一般的な白い蛍光灯の場合には水銀蒸気が入っています(蛍光灯を捨てるとき、一般ごみとは別で回収される自治体があるのは、水銀が危険物であるためです)。

ほかにもヘリウムガスを入れれば黄色、ネオンを入れればガラス管は赤く発光します。
これは、真空放電で電子がガスの分子や蛍光面にぶつかりエネルギーを産むことで光っています。この現象を発光放電といいます。

真空放電の実験課程ではX線(レントゲン線)という電磁波が発見され、医療や製造業などで活用されています。

真空放電とは

陰極線とは

真空放電を確かめるために実験を行います。下の図は蛍光灯と同じような作りをしたガラス管です。このような管のことを真空放電管(クルックス管)と呼びます。

陰極線イラスト

まず、電極Aにはマイナス側を、電極Bにはプラス側をつなぎます。
次に放電管の空気を抜き、両方の電極に電圧を加えます。
すると、真空放電が起こり、このとき電気の通る筋を発見できます。
(放電はそのままでは目に見えないため、蛍光板という光に反応する板を使用します)

この電気の通り道のことを陰極線と呼びます。陰極線は電子の流れを細く直線にした電子線の一種です。陰極線は真空管の中だけで発生し、マイナス極からプラス極への電子の流れを示しています。マイナス極(陰極)から出る線なので、陰極線と呼ばれています。

陰極線を理解しやすくするために、真空放電では以下のような実験も行われます。

陰極線の実験1

上の図は電極Aの反対側に蛍光物質を塗り、クルックス管の中には十字の形をした金属板を入れたものです。電極Aにはマイナス極を、電極Bにはプラス極をつなぎ、電圧を加えました。

すると、右端の蛍光物質を塗った面が光り、十字型の影もできます。

陰極線は、小さな電子の粒がマイナス極から直進する姿を示しています。マイナス極から出た電子の一部は十字型にぶつかり、蛍光面までたどり着けませんでした。そのため、十字型の部分だけ光らず、影ができているのです。

逆に、電極Aをプラス側、電極Bにマイナス側をつないでも放電は起こりません。電子の流れはマイナスからプラスにしか流れないのです。電流はプラス極からマイナス極へ流れると言われていますが、電子の流れはその逆であると覚えておきましょう。

陰極線とは

真空放電の実験

さてここで、陰極線の特徴を確かめる実験をしてみましょう。

先ほどの実験では、電極Aにマイナス極、電極Bにプラス極をつなぎました。下の図はそれに加えて、電極Cにはプラス極、電極Dにはマイナス極をつないでいます。

陰極線の実験2

陰極線が上の方、プラス極である電極Cの方に曲がっているのが確認できます。陰極線はマイナスの電気を持っているので、プラス極の方にひきつけられるのです。

反対に電極Cにマイナス極、電極Dにプラス極をつなぐと、陰極線は下へ曲がります。

この実験では、電子がマイナスの電気を持っていることがわかりました。

陰極線の特徴は以下の通りです。

  • 蛍光物質に当たると光って見える
  • マイナス極から出る
  • 直進する
  • マイナスの電気を持っている

真空放電の実験

まとめ

空気が多いところでは、空気の分子が多く、電子は動きにくいもの。空気を抜いて真空状態にすることで、電子が動けるようになります。

電子の動きである陰極線は目に見えないものの、蛍光物質を使用すれば観察可能です。

普段何気なく目にしている蛍光灯やネオンサインの中では、激しく電子が動いています。電子はマイナス極からプラス極に向かって出ているもの。蛍光灯を眺めながら陰極線など、ガラス管内の動きを考えると、より真空放電の理解が進みますよ。

ぜひこの記事を参考に、電子の動きを想像してみてください。中学物理の復習に役立つことでしょう。

真空放電と陰極線について・まとめ

 

 

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