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2023年の春、私は奈良県に住んでいるものの、奈良のことをよく知らないなと思い立ち、何か桜の名所でもないかなとネット検索してヒットした吉野山を訪れた。吉野山には、桜の野生種ヤマザクラがたくさん生えているとの情報があり、奈良に住む者として、現物を見てみたいと思ったのだ。
その後、夏には大きなカエルを乗せた神輿が吉野山を練り歩く奇祭「蛙飛び行事」が行われることを知り、再び吉野山を訪れることになった。吉野山は桜の名所として有名だが、紅葉の名所でもあることを知り、三度目となる秋にも吉野山に足を運んだ。
四季のうち三季に吉野山を探索したとなると、冬も訪れて吉野山探索シリーズを完成させたくなるものだ。寒いのは苦手なので、どうしようかなと思っていたのだが、ちょうどダイエットを始めたので、山を歩くのは良い運動になると考え、冬も吉野山に行こうと決意した!
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2024年1月25日、前日に今シーズン最強寒波が襲来し、日本各所に大雪を降らせた。吉野山にも雪が積もったという情報を知り、これは冬らしい吉野山を見ることができるはず!と思い立った私は、早速吉野山に足を運んだ。
9時半頃、吉野駅に降り立つ。今回到着した電車に乗っていた観光客は、私以外はたったの一人だけだった。四季を訪れた中で最も人が少ない。これにはなかなか衝撃を受けた。
もはや恒例となった吉野駅前の今回の光景だ。まだ少し屋根に雪が残っていた。写真左側の木に注目して過去の記事をご覧頂くと、見事なまでに四季の移り変わりを感じて頂けることだろう。

今回は、ダイエットがてら春に来た時と同じく、歩いて奥千本の金峯神社まで行くことにした。吉野駅を出ると、夏と秋には遭遇しなかったバスが止まっている。

ここからバスで上の方まで行けるのかー、と思っていたら、今日はロープウェイが休みだった。シーズンによって動いている乗り物が違うのはなかなか面白い。

雪が少し残る山道を行く。昨日は道も雪で覆われていたと思われるが、一日で溶けてしまったようだ。雪道を想定して長靴を履いてきたので少し残念。

最近ダイエットがてらよく歩いているおかげか、山道を登っていても全然疲れない。あっという間に下千本まで辿り着いた。ヤマザクラと思われる木の枝をチェックすると……おっ!開花にはまだ早いが、つぼみが膨らんできているのが確認できた。また桜が咲き乱れる頃に、吉野山は多くの人で賑わうことだろう。

観光地を歩いている人はほぼ皆無の状態。イベントが無い平日の冬の吉野山は一番の閑散期のようで、シャッターが閉まっている飲食店も多かった。私が過去の記事で訪れた店も閉まっているところが多かった。少し寂しい雰囲気が漂っていたが、逆を言うと一人でのんびりと吉野山を探索することができる!

融雪剤として撒かれた塩化カルシウムが所々に残る道を行く。

さくさくと登り続けて、あっという間に上千本に到着。体感的に春よりも早く着いたような気がしていた。しかし、標高が高くなるほど寒くなり、また観光地から離れるので除雪する必要性も薄れてくる。それ故、上千本から先に行くと、道に雪が残っている割合が多くなってきた。しかも、一度溶けて再び凍ったアイスバーン化している! アイスバーンは結構滑って転びやすいので要注意だ。アイスバーンと雪が残っている道があったら、雪が残っている側を歩いた方が滑らなくて安全である。やっぱり長靴を履いてきて正解だった!

転ばないように注意しながら歩いていくと、吉野水分神社の直前で、普通に道端でシカと遭遇。私もシカも一瞬、動きが止まり、次の瞬間、お互いを認識すると驚いて、シカは山の方に走って行った。吉野山で哺乳類と遭遇したのは初めてだが、結構デカかった。これは確かに山でクマといきなり遭遇したら混乱するだろうなと思った。逃げてくれてよかったが、見えなくなる前に写真を撮らねばと急いでカメラを起動。しかし、ある程度離れたらシカは警戒しているのか、私の方をじーっと見てあまり動かない。角は生えていなかったので、メスか子供だと思われる。

私はシカ類に詳しくないので、これがシカのどの種に該当するのか家に帰ってから調べてみた。日本に生息するシカ属哺乳類はニホンジカ1種しかいない。外来種として時々話題に上がる同じシカ科のキョンはホエジカ属なので、属が異なる。ニホンジカは1種しかいないが、複数の亜種に分かれており、全日本鹿協会によると、ニホンジカの亜種は7亜種いるようだ。本州に生息する亜種は主にホンシュウジカのようで、私が吉野山で遭遇した個体もホンシュウジカでよさそうだ。冬の飢えたニホンジカは木の皮を剥ぎ、樹木を枯らしてしまう問題があるようで、確かにホンシュウジカがいた場所を確認してみると、樹皮が剝がれているところがあった(赤矢印)。

よく見ると、2個体のうち、1個体は首の周りにネットのようなものが付いている。農作物を食べた時とかにネットを突き破って逃げ、そのまま外せなくなったなどの理由が考えられる。外してあげたいところだが、近付けば逃げるし、シカを捕まえる技量なんて私は持っていない。どうすることもできないので、元気に生きて欲しいと願いながら、私はさらに先に足を進めた。

吉野水分神社を超え、奥千本のエリアに入ると、さらに道に雪が残っている割合が増えていく。しかし、アイスバーン化しているところも多いので、慎重に歩いていく。この辺りになると、杉の木がたくさん生えているエリアになる。さすがに1月にはまだ花粉はできていないだろうと観察してみると……既に花粉がたくさんできていた……。そういえば、今年は暖冬なので、スギ花粉は早くから飛び始めるというニュースを見たことを思い出した。非常に恐ろしい……最近目が痒い気がしていたのはこれのせいだろうか……?

春の絶望に身震いしながらさらに登っていくと、急斜面の修行門に到着。ここから先は行く人が少なくなるのか、かなり雪道だった。しかし、雪が適度に残っているおかげで滑り止めに働き、秋に来た時よりも苦労せずに登りきることができた。

そして、11時14分に目的地の金峯神社に到着!!! 春に来た時は3時間かかったが、今回は1時間45分ほどで到着できた! そして、疲労感も少ない。最近ダイエットがてらに結構歩いている影響だろうか?
さて、ここから西行庵に行こうかどうしようかと思って周囲を見ると、秋に来た時には無かった張り紙が目に付いた。

クマああああああああ!!!!!
まじか、ついに吉野山でもクマが出たのか!!! 今回は冬だから問題ないだろうと思って熊鈴代わりになるものを持ってきていなかった。この張り紙があるということは、ここから先でクマと遭遇する可能性があるということ。さらに、ここから先は舗装されてない完全なる雪の山道だったので、今回は西行庵に行くことを諦めた。自然を舐めてはいけない。ちょっとした軽はずみな行動が命取りになることもある。

一応目的は達成されたので、ここから引き返して、駅の方へと下っていくことにした。帰りに吉野水分神社を少し超えた時、再びホンシュウジカ2匹と遭遇。さっき山の方に逃げたのに、また道路の方に戻って来ていた。私は予期せぬ遭遇に再び驚いた。首にネットがかかっている個体がいたので、さっきの2個体だろう。同じ個体に2回も会うとは、なんとも珍しい一日になった。
下山の途中、観光名所である花矢倉展望台に立ち寄り、ちゃんと来た証拠に自撮りでパシャリ。春は桜でこの俯瞰風景が綺麗だが、冬も雪の白に染まっていて綺麗だ。昨日はもっと周りも白くて綺麗だったに違いない。


昼食はどうしようか迷ったが、春に来た時から気になっていたジビエ料理のぼたん鍋を奮発して食べることにした(1食3000円近くする)。ぼたん鍋は味噌をベースにした猪肉と季節の野菜を入れた鍋料理。イノシシは地元産だという。ぼたん鍋は冬季限定で、吉野山で食べられる店は少なく、今回は初音という店で食べることにした。私以外誰もいなかったので、ぼたん鍋もすぐに出てきた。それなりの値段がするだけあって、かなり豪華だ。

こちらがイノシシ肉。ブタとはまた少し違う味わい。イノシシ肉の方が少しクセがあるように感じた。しかし、美味い!!

支払いの際、店の人にさっきホンシュウジカを見た旨を話すと、吉野山は結構ホンシュウジカを見るとのことだった。確かに吉野山に4回来ただけで遭遇できるのは、結構高確率かもしれない。ホンシュウジカは冬眠もせずにこの冬でも活発に動いているんだなと感心した。
さて、これまで四季折々の吉野山の探索をお届けしてきたが、何か参考になっただろうか? どの季節もそれぞれ違った魅力があり、四季を通して楽しむことができる山であった。これにて吉野山の探索は一旦終了、完結だ! 今年はまた別の奈良の魅力を探しに旅に出ようかと考えている。
雪積もり
白銀に染まる
吉野山
ぼたん鍋食う
シカに遭遇