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西暦1500年ごろにコペルニクス、西暦1600年ごろにガリレオ・ガリレイによって、地球は太陽を中心として回転する天体であることが示されました。これが現在一般的な考え方となっている「地動説」です。中学理科では、惑星・地球の自転と公転について学ぶほか、太陽、地球の衛星である月、地球以外の惑星、そのほかの天体の動きについて学習します。
CONTENTS
地球は、約24時間(約23時間56分4秒)で1回転しています。
この運動を「自転」といい、回転の中心になっている軸を「地軸」といいます。
地球の自転は、常に東方向へと進んでいます。
北が上になっている地球儀をイメージすると、左から右へ、反時計回りに移動していきます。
イメージしづらい場合は、実際に地球儀と電球を用いて実験してみると分かりやすいでしょう。
暗い室内で電球を灯し、少し距離をあけて、北が上になるように地球儀を置きます。
地球儀上で日本を探し、北海道が先に明るくなり、沖縄県が最後に暗くなるような方向に向かって回転させます。
この時の回転を北極側から見ると、反時計回りになっていることが確認できます。
同時に、これによって「太陽が東から昇って西へと沈む」を再現できます。
なお、1回の自転あたりの時間が24時間に対して約4分短いのは、次の項目で解説する公転の動きも含めて『1日』を計算しているためです。
地球は、赤道1周で約4万kmの距離があります。
ですので、赤道上に立っている人は、4.0×10⁴(km)÷24(時間)≒秒速460mで東に向かって常に移動していることになります。
これは、東京=大阪間の直線距離約400kmを、14分30秒で移動できる速さです。
2045年に全線開通が見込まれているリニア中央新幹線の東京=大阪間(438km予定)の所要時間が67分と見込まれています。
地球の自転速度がどれほど速いか、イメージできるのではないでしょうか。
一方で、地球は地軸を中心に回転しているため、地軸の通る北極点・南極点では、宇宙空間から見た際の自転による移動はほぼゼロです。
地球は、太陽の周りを、約1年(約365.25日)かけて1周しています。
この運動を「公転」といい、地球が周回している平面を「公転面」といいます。
さきほど、地球の自転が1日あたり約4分短いと解説しましたが、もし24時間ぴったりで自転していると、太陽の周りを周る1周分だけ、1年が長くなってしまいます。
公転周期に対して1日あたりの自転周期の誤差が、1,440(分)÷365.25(日)≒3.9425(分/日)となります。
これは約236.6秒、つまり約3分56秒分だけ、毎日公転分を計算して自転分が短くなっているのです。
公転1周が約365.25なので、1年を365日に設定すると、4年に1度程度の頻度で日付を1日増やさないと、どんどん日付に対して季節がずれていってしまいます。
これを調整しているのが、「うるう年」です。
4年に一度、西暦が4の倍数の年に2月を29日まで設定することで、この公転によって生じそうな誤差を解消しています。
公転の回転方向は、地球の自転同様に、北側を上としたときに反時計周りです。
また、地球の地軸は公転面に対して垂直方向から約23.4度傾いています。
そのため、北極点がより太陽から遠くなるような位置のときは、北緯66.6度よりも北側の地域は、自転しても太陽が昇らない「極夜(きょくや)」という現象が起こります。
北緯23.4度よりも北側の地域は日の当たらない時間が長くなりますので、気温が下がります。
これが、冬の正体です。
一方、北が冬になっているときの南極側、南緯66.6度以南では、一日中太陽が沈まない「白夜(びゃくや)」という現象が起きています。
南緯23.4度よりも南側の地域は、日の当たる時間が伸びるため、気温が上がり、夏を迎えます。
地球は地軸の傾きを保ったまま約1年で公転するので、半年後には北半球と南半球で太陽に近い側が変わります。
北極側が太陽に近いとき、北半球は夏、北緯66.6度以北では白夜を迎えます。南半球ではその逆で、冬となり、南緯66.6度以南では極夜となります。
加えて、北緯23.4度から赤道を挟んで南緯23.4度までの間は、年間を通して太陽光を地平面に対してより垂直に近い角度で受けている地域となり、結果として気温が上がりやすくなります。
逆に、緯度が90度に近付くほど、太陽光は地平面に対して傾いて当たるようになり、光や熱の力が弱まり、寒冷化します。
地球の自転・公転と地球の環境には、非常に密接なつながりがあります。
太陽は、東から昇って西へと沈みます。これは、北半球でも南半球でも同じです。
ただし、北半球では「東から昇って南へ移動し、西に沈む」のですが、南半球では「東から昇って北へ移動し、西に沈む」という動きになります。
中学理科の範囲での出題では、特段断りがない限り、日本における天体の動きをテーマとして扱うことが大半ですが、知識として持っておいて、損はないでしょう。
東京(北緯36度)での太陽の動きは、次の図の通りとなります。
地球から夜に見える星は、大きく分けて4種類あります。
月は、地球の自転・公転と同様に、北極側から見たときに反時計回りに地球を周回しているため、太陽と同様に東から昇って西へと沈みます。
月は約27.3日をかけて、地球の周りを1周しています。また、月は常に地球に同じ面を向けて回転しています。
月も地球の公転に合わせて太陽の周りを公転するため、月の満ち欠けの周期は月の自転周期よりも長い約29.5日となっています。
太陽系の天体は、それぞれの周期で太陽の周りを公転しているため、地球から見た時の位置や天球上の動き方は観測時期によってバラバラです。
地球より太陽に近い水星・金星の2つを「内惑星」と呼びます。
水星は、太陽に最も近い惑星です。太陽に近すぎるため、基本的に太陽が出ている時間帯しか観測することができません。
日が出る直前の東の空の低い位置、もしくは日が沈んだ直後の西の空の低い位置で観測できることもあります。
水星の次に太陽に近い金星は、「明けの明星」「宵の明星」と呼ばれるように、日の出直前の東の空・日没直後の西の空でひときわ明るく輝いて見えることのある惑星です。
観測者が太陽から遠ざかっていくことで、地球よりも太陽に近い位置にある内惑星は、すぐに見えなくなってしまいます。
また、地球と内惑星の間に太陽が挟まる形の位置関係になったときは、太陽が巨大で、かつ明るすぎるため、地球上の観測ができなくなることもあります。
地球より太陽から遠い火星・木星・土星・天王星・海王星を「外惑星」と呼びます。
外惑星は基本的に西から東方向へと移動(順行)することが多いですが、太陽と地球・外惑星それぞれの位置関係によって、東から西へ移動(逆行)することもあります。
軌道が安定せず、一定の動きをしないことから「惑う星」として「惑星」という呼び名が生まれました。
外惑星やそれに付随する衛星なども、外惑星に準じた動きをします。
また、地球と外惑星の間に太陽が挟まる位置関係になった場合は、内惑星同様、観測できなくなることがあります。
彗星は、極端な楕円状の公転軌道を描く、氷などで出来ている太陽系の天体の一種です。
太陽に接近しながら「コマ」と呼ばれる尾のようなものを出します。
これらは普段は極めて小さい天体のため確認するのが難しいですが、太陽に接近したときのみ、尾をなびかせて天球上に現れます。
2024年10月頃には『C/2023 A3』と命名された彗星が、地球のすぐそばまで来ると予測されており、天球上でもかなり明るい星として観測できると見込まれています。
これらは、一時的に観測ができる星であり、一日の中で決まった一定の動きがあるわけではありません。
太陽系外の恒星は、地球の自転に伴って、東から昇って西へと沈んでいくように見えます。
地球の公転の影響で、季節によって見える天体は変わり、1か月あたり約30度ずつ天体の見える位置は西方向へとずれていきます。
また、地球から観測できる時間も、1か月あたり約2時間程度早くなっていきます。
天体の動きを知る基本となるのは、地球の自転・公転と太陽の位置関係です。
地球は、北を上におくと、反時計回りに自転・公転を続けています。
これにより、基本的に天球上の太陽・月・太陽系外恒星は「北半球では東→南→西、南半球では東→北→西」で移動しているように見えます。
ただし、太陽系惑星の動きはそれぞれの惑星と太陽、地球の位置関係によって、天球上での見え方が異なり、順行(西→東)したり逆行(東→西)したりします。
月や内惑星の満ち欠け、太陽系外恒星の天球上の動きについては、より詳細に解説したページをチェックして、テストに備えましょう。
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