美味しく食べて楽しく学ぶ!至高のサイエンスグルメ!

2023.07.14

ドラえもんのひみつ道具のひとつ、アンキパン。パンに写した内容を、食べることで丸暗記することが出来るという夢のようなパンですが、残念ながら現実世界には存在しません。

しかし!!

食べると科学に興味が芽生え、科学を学ぶきっかけになるグルメは現実に存在します!というわけで私、サイエンスコミュニケーターの佐伯恵太が、美味しく食べて楽しく学ぶ!至高のサイエンスグルメをご紹介いたします。

本日のお品書きは、こちら。

ニュートリノを○○で表現!?「ニュートリノミルクティー」(日本科学未来館)

こちらは、日本科学未来館7階にある「Miraikan Kitchen」で提供されている「ニュートリノミルクティー」です。宇宙からも降り注いでいる素粒子の一つ「ニュートリノ」が、カラフルなコラーゲンボールで表現されています。

ニュートリノはとても小さく、たとえば太陽で生まれたニュートリノは、私たちの体を1秒間に数百兆個通り抜けています。コラーゲンボールは、まさにその性質を表現しているかの如く、ソフトクリームの上からこぼれ落ち、ミルクティーの氷の間を通り抜けていくので捉えるのが難しいのです。映える写真を撮りたい時は、最初が勝負です!

ミルクティーは甘さ控えめなので、ソフトクリームを先に食べ切るか溶かすかで、後味のスッキリ度を調整できます。私は、半分食べて半分溶かす派です。

ちなみに、「Miraikan Kitchen」のみの利用も可能ですが、5階の常設展示「ニュートリノから探る宇宙」とセットでお楽しみいただくのがオススメです!素粒子についての理解が深まります!

憎たらしいほど肉らしい!「NEXT牛丼」(日本科学未来館)

続きまして、同じく「Miraikan Kitchen」で提供されている「NEXT牛丼」です。

「普通の牛丼じゃん!何がNEXTなの?」と思われたかもしれません。確かに見た目は普通ですが、実はこちら......植物性タンパクなどを原料とし、肉の味や食感を再現して作られた「代替肉」なのです!

SDGsやコロナ禍における健康志向の高まりを受けて、徐々に広まりつつある代替肉ですが、まだ食べたことがない方も多いのではないでしょうか?私もこの日、代替肉デビューでしたが、まず味がしっかり牛丼で驚きました。そして何より凄いのは、食感です。代替肉と知って食べると、確かに牛肉ではないと感じるかもしれませんが、何らかの肉であることは疑いようがない!というほどの食感で、満足度抜群でした。

お肉特有のジューシーさなど、完全に再現されているわけではありませんが、その分、ヘルシーということでもあります。実際に食べてみて、代替肉は我慢や妥協ではなく、「前向きな選択肢の一つ」になってきていることを感じました。皆さんも、代替肉を味わいながら、未来の食や、食を支える科学技術に思いを馳せてみませんか?

▶日本科学未来館 ホームページ [最寄駅:テレコムセンター駅]

ほぼ等身大のど迫力!「ニシキアナゴパン」 (すみだ水族館)

こちらは「すみだ水族館」館内のペンギンカフェで限定販売されている「ニシキアナゴパン」です。

イラストなどで、チンアナゴとセットで描かれることも多いニシキアナゴですが、チンアナゴとは別種です。ニシキアナゴパンは約40cmなのですが、実はこれ、ほぼ等身大です!

チンアナゴやニシキアナゴは普段、巣穴から体の一部をひょっこり出している状態であることが多いため、全身を見られる機会は少ないですが、パンでその長さを感じることができますね(本物より太いためド迫力!)。

ニシキアナゴパンの白い部分は砂糖ペースト、その他はオレンジ風味で、甘さとほのかな酸味、柑橘類の爽やかな香りがベストマッチ!また、チンアナゴパンは、ココアクッキーを生地に練り込み、黒い斑点模様を再現しているそうです。見た目と共に、味へのこだわりも感じます。美味しく食べ応えもありました!

粘り強く水槽を眺めていると、泳いでいる姿を見られることも!

すみだ水族館のYouTubeチャンネルでは、チンアナゴ・ニシキアナゴの産卵行動という貴重映像も公開されています!

ペンギン愛が止まらない!「ゆずぽんずラムネ」 (すみだ水族館)

そしてこちらは、2023年3月に産まれたマゼランペンギンの赤ちゃん「ぽんず」の誕生記念で登場した「ゆずぽんずラムネ」です。

すみだ水族館では、たくさんのペンギンを見ることができるのですが、それだけではなく、すみだペンギン相関図という、ペンギンの性格や関係性がわかる相関図が館内に大きく展示されていて、飼育スタッフさんのペンギン愛や、水族館としての想いが伝わってきます。

それぞれのペンギンの名前や、魅力、個性を、お客さんに少しでもわかりやすい形で紹介するという姿勢は、とても素敵ですよね。実は「ぽんず」は、「ゆず(オス)」、「ラムネ(メス)」の初めての赤ちゃんで、家族全員の名前が入ったドリンクなのです。ちなみに「ゆずぽんずラムネ」は、ぽん酢&ゆずのラムネ割で、キリッとした味わいは、ニシキアナゴパンとも相性抜群でした!

※「ゆずぽんずラムネ」は2023年夏限定のメニューです。終了前にぜひ!

飼育スタッフさんによる丁寧な餌やり

ペンギンの姿は初心者にはなかなか見分けがつきにくいですが、フリッパー(翼)についているバンドの色の組み合わせでわかるようになっています。6月にプールデビューした「ぽんず」にも会えますので、探してみてください!

ところで、「すみだ水族館」は、ペンギンの他、クラゲや金魚がたくさん見られることでも有名ですが、東京ソラマチ4階にある飴細工のお店「アメシン」には、かわいいクラゲや、ペンギン、そして、リアルな金魚の飴細工がズラリと並んでいます。

金魚は今にも動き出しそうな躍動感でした!すみだ水族館からも近いので、水族館の帰りにお土産として買って帰るのも良さそうです。日持ちするので、すぐ食べずにお家でじっくり観察できます。

すみだ水族館 ホームページ [最寄駅:とうきょうスカイツリー駅]

アルコールランプで炙る!「ゴーダチーズ」 (サイエンスバー インキュベータ)

次にご紹介するのは「ScienceBar INCUBATOR (サイエンスバー インキュベータ)」の、アルコールランプで炙っていただくゴーダチーズです!

少し焦げ目がついてチーズがトロッとしてきたタイミングがベスト!とはいえなかなか難しく、炎との距離や、当てる時間が重要です。熱々のチーズにブラックペッパーのアクセントも効いていて最高の一品です!他にもいくつかアルコールランプで炙っていただくメニューがあります。

アルコールランプを見て、理科実験の授業を思い出した方も多いと思いますが、現在、小学校で行われる加熱実験では「カセットこんろ」が使用されていて、アルコールランプの出番はなくなってきています。こちらのバーではアルコールランプの正しい使い方もバーテンダーさんに教えていただけるので安心です。

「燃える」という原理について考えながら炙るもよし!初めて火を使うようになってから今日までの人類の歴史に思いを馳せながら炙るのもまたよし!

AIが貴方のお題でレシピを考案!「AIカクテル」 (サイエンスバー インキュベータ)

最後は、最新のテクノロジーを駆使したメニュー、その名も「AIカクテル」です!作ってほしいカクテルのイメージやお題を伝えると、AIがレシピを考案してくれて、バーテンダーさんにそのレシピ通りのカクテルを作ってもらえるというもの。

突然ですが、クイズです!こちらのカクテルのテーマは何でしょう!?

正解は「暗黒バエ」です!

……正解できるわけないですよね。しかもカクテルにハエって、色々スミマセン......。実は私、大学院時代には、知る人ぞ知る「暗黒バエ」の研究をしていました。その正体は、暗闇で飼育・継代し続けたキイロショウジョウバエなのですが、暗闇で代々生活してきたハエがどのように環境に適応・進化しているのかというのを調べていました。

実際の暗黒バエは、見た目は普通のハエとほぼ変わらないのですが、AIには「暗黒バエ」というお題のみを伝えたため、かなりミステリアスな仕上がりに。ブルーベリーでハエを表現しているそうです。笑

サイエンスバー インキュベータには、他にもたくさんのサイエンスにちなんだカクテルがあります。試薬ビンを使って自分で作るカクテル「シヤクビン」や、緑色蛍光タンパク質GFPをイメージしたカクテルGFPなど、名前を聞くだけでもワクワクしませんか!?

GFP

AIカクテルのお題は意外と悩んでしまうので、事前に考えてからお店に行かれることをオススメします!お店のバーテンダーさんはもちろん、常連さんにも科学の話が大好きな方が多く、メニューだけでなく、お店の雰囲気から会話に至るまで、まさにサイエンスづくしのひとときが過ごせます!

サイエンスバー インキュベータ ホームページ [最寄駅:四谷三丁目駅]

まとめ

今回は「日本科学未来館」「すみだ水族館」「サイエンスバー インキュベータ」で提供されているメニューをそれぞれ2品ずつご紹介しました。見た目でサイエンスを感じるものから、調理の工程で楽しむもの、食べて感じるものまで様々ですが、美味しく食べて、楽しく学ぶことができるなんて最高ですね!

バーは大人向けですが、科学館や水族館は親子でも楽しめますし、子どもたちがより科学に興味を持つきっかけとしても、とても良いと思います。

記事を書いていたら、お腹が空いてきました。サイエンスグルメが、私を呼んでいる......。

【著者紹介】佐伯 恵太

俳優 / サイエンスコミュニケーター。
1987年5月30日生。京都出身。京都大学大学院理学研究科で修士号を取得し、日本学術振興会特別研究員(DC1)として同大学院博士後期課程に進学。1年間の研究活動の後、俳優に転身した異色の経歴の持ち主。現在は、科学とエンターテイメントの架け橋になるべく、俳優・サイエンスコミュニケーターとして活動中。
【出演ドラマ】BS時代劇「大富豪同心」シリーズ / 「ABEMAヒルズ」コメンテーター / 日本科学振興協会(JAAS)正会員 / 「エンタメ×科学」のプロ集団「asym-line(アシムライン)」代表
プロデューサー・監督・出演者として、YouTube科学番組「らぶラボきゅ〜(※)」を手がけている。
※「東京応化科学技術振興財団」助成事業