連立方程式の応用編!難しい文章問題にチャレンジしよう!

2023.06.26

連立方程式は、「連立」の名の通り、複数の式が並び複数の値を求める方程式で、高校入試にもよく出題されます。

以前、こちらの記事「連立方程式とは?解き方をわかりやすく解説!練習問題、応用問題にも取り組もう!」で連立方程式の基礎をお伝えしました。

その基礎を踏まえて、今回は連立方程式を応用した文章題3つにチャレンジしてみましょう!

各問題に解説が付いていますので、ぜひ参考にしてくださいね。

連立方程式 文章題の解き方

実際に文章題を解く前に、連立方程式を利用して文章題を解く手順をお伝えします!

①数量を文字に置き換えて表す
求めることになる数量を文字にするとうまくいくことが多いです。
②文字を使って連立方程式をつくる
どの数量が等しく=(イコール)で結んで式にできそうかと考え、2つの方程式をつくりましょう。
③連立方程式を解く
加減法もしくは代入法をつかって解きましょう。「加減法や代入法ってなんだっけ?」と思われた方は、基礎編の記事「連立方程式とは?解き方をわかりやすく解説!練習問題、応用問題にも取り組もう!」で復習しましょう!
④解を確認する
たとえば、人数を求めたのに解が負の数になっていないか?など問題文に即さない答えになってないかを確認するだけでも、正解率をぐっと上げることができます。
時間がある場合・解が合っているか不安な場合は、改めて②でつくった連立方程式や問題の文章に解を当てはめて、確かめの計算をしてみるのがおすすめです。

以上の手順を踏まえて、3つの文章題に挑戦しましょう!

連立方程式 応用問題1

最初に、食塩水の濃度についての問題を解いてみましょう。

問題

濃度が8%の食塩水と15%の食塩水があります。これらの食塩水を混ぜ合わせて、濃度が10%の食塩水を700gつくります。8%の食塩水と15%の食塩水がそれぞれ何g必要か求めなさい。

解説

①数量を文字に置き換えて表す

今回は、濃度の異なる食塩水がそれぞれ何g必要かを求める問題ですね。
なので、8%の食塩水の必要量をg、15%の食塩水の必要量をgと表します。

②文字を使って連立方程式をつくる

8%の食塩水と15%の食塩水を混ぜて700gつくるので、

x+y=700

という方程式ができます。

そして、できる食塩水の濃度が10%ですね。
濃度は溶けた物質の重さが、溶かしてできた液体の重さの中で何パーセントになるかを示した割合です。
8%の食塩水と15%の食塩水の中に溶けている食塩の重さと、混ぜてできた10%の食塩水の中に溶けている食塩の重さは変わらないので、このことを利用して式をつくりましょう!

(8/100)x+(15/100)y=10/100・700
(8/100)x+(15/100)y=7000/100

計算しやすいように、両辺に100をかけて分母を消します。すると、

8x+15y=7000
という方程式ができました。

できた2つの方程式を並べると、

x+y=700
8x+15y=7000

という連立方程式をつくることができます。

③連立方程式を解く

加減法で解く場合

x+y=700
8x+15y=7000…②

係数をそろえるため、上の式の両辺に8をかけます。すると、

8(x+y)=8・700
8x+15y=7000

となり、

8x+8y=5600…③
8x+15y=7000…②

になります。

②-③で

7y=1400
y=200

と導けます。

①にy=200を代入すると

x+200=700
x=500

よってx=500、y=200になります。

必要な食塩水の量は、8%の食塩水が500g、15%の食塩水が200gです。

代入法で解く場合

x+y=700…①
8x+15y=7000…②

①の式を変形すると、x=700-yなので、こちらを②の式に代入します。

8(700-y)+15y=7000
5600-8y+15y=7000
-8y+15y=7000-5600
7y=1400
y=200

このyの値を①の式に代入すると、

x+200=700
x=500

となり、代入法でも先述の加減法の場合と同じ答えになります。

④解を確認する

答えが合っているか不安な場合は、確かめをしましょう!

さっと確かめたい場合は、今回の問題だと

・必要な量をもとめるのに、答えが負の数になっていないか?
・8%と15%の食塩水を混ぜて10%の食塩水をつくるのだから、10により近い濃さの8%の食塩水の方が15%の食塩水よりも多く使うことになるはず。解はそうなっているか?

といった視点で確認ができます。

全く自信がない場合は、解の値を②でつくった連立方程式に当てはめて、計算が合うか確認しましょう!

連立方程式 応用問題2

次に、割合の問題を連立方程式を利用して解きましょう。

問題

ある文房具屋さんでノート1冊とペンを1本を買おうとしたところ、定価だと合計250円ですが、割引セールのためノートは2割引でペンは3割引になっており、合計が190円なりました。ノートとペンの定価を求めなさい。

解説

①数量を文字に置き換えて表す

この問題で求めるのは、ノートとペンの定価ですね。
なので、ノートの定価をx円、ペンの定価をy円とします。

②文字を使って連立方程式をつくる

ノート1冊とペン1本の定価の合計が250円なので、

x+y=250

という方程式ができます。

そして、2割引のノート1冊と3割引のペン1本で合計190円ですね。
2割引は20%引き、3割引は30%引きなので、

(1-20/100)x+(1-30/100)y=190
0.8x+0.7y=190

計算しやすいように、両辺に10をかけて小数を整数にします。すると、

8x+7y=1900

という方程式ができました。

できた2つの方程式を並べると、

x+y=250
8x+7y=1900

という連立方程式をつくることができます。

③連立方程式を解く

加減法で解く場合

x+y=250…①
8x+7y=1900…②

係数をそろえるため、上の式の両辺に8をかけます。すると、

8(x+y)=8・250
8x+8y=2000

となり、

8x+8y=2000…③
8x+7y=1900…②

になります。

③-②で

y=100

と導けます。

①にy=100を代入すると

x+100=250
x=150

よってx=150、y=100になります。

ノートの定価は150円、ペンの定価は100円です。

代入法で解く場合

x+y=250…①
8x+7y=1900…②

①の式を変形すると、x=250-yなので、こちらを②の式に代入します。

8(250-y)+7y=1900
2000-8y+7y=1900
-8y+7y=1900-2000
-y=-100
y=100

このyの値を①の式に代入すると、

x+100=250
x=150

となり、代入法でも先述の加減法の場合と同じ答えになります。

④解を確認する

答えが合っているか不安な場合は、確かめをしましょう!

さっと確かめたい場合は、今回の問題だと

・値段を求めるのに、答えが負の数になっていないか?

といった視点で確認ができます。

全く自信がない場合は、解の値を②でつくった連立方程式に当てはめて、計算が合うか確認しましょう!

連立方程式 応用問題3

最後に、自然数についての問題に挑戦しましょう。
少し難しいですが、面白い問題です。

問題

2ケタの自然数があります。その数字の十の位と一の位の数字をたすと9になります。また、その数字の十の位と一の位の数を入れかえてできる数からもとの数をひくと27になります。もとの2ケタの自然数を求めなさい。

解説

①数量を文字に置き換えて表す

この問題で求めるのは、もとの2ケタの自然数ですね。
問題文中で、その数字の十の位と一の位を切り離してたすなどをしているので、それぞれのケタの数を文字で置き換えてみましょう。
もとの自然数の十の位の数字をx、一の位の数字をyにします。

②文字を使って連立方程式をつくる

もとの自然数の十の位と一の位の数字をたすと9なので、

x+y=9

という方程式ができます。

そして、その数字の十の位と一の位の数を入れかえてできる数からもとの数をひくと27ですね。
ここの式での表し方が難しく、間違えやすいのですが、ゆっくり考えていきましょう!
まず、もとの数はxとyをつかってどう表現すればいいでしょうか?

xはもとの数の十の位の数字を表していますね。
十の位の数字は、10の束がいくつあるかを表している数字です。
なので、もとの数は

10x+y

と表せます。

また、その数字の十の位と一の位の数を入れかえてできる数は、

10y+x
となります。

では、数字の十の位と一の位の数を入れかえてできる数からもとの数をひくと27、を式にしてみましょう。

(10y+x)-(10x+y)=27
10y+x-10x-y=27
-9x+9y=27

できた2つの方程式を並べると、

x+y=9
-9x+9y=27

という連立方程式をつくることができます。

③連立方程式を解く

加減法で解く場合

x+y=9…①
-9x+9y=27…②

係数をそろえるため、上の式の両辺に9をかけます。すると、
9(x+y)=9・9
9x+9y=81

となり、

9x+9y=81…③
-9x+9y=27…②

になります。

③+②で

18y=108
y=6

と導けます。

①にy=6を代入すると

x+6=9
x=3

よってx=3、y=6になります。
もとの2ケタの自然数は36です。

代入法で解く場合

x+y=9…①
-9x+9y=27…②

①の式を変形すると、x=9-yなので、こちらを②の式に代入します。

-9(9-y)+9y=27
-81+9y+9y=27
9y+9y=27+81
18y=108
y=6

このyの値を①の式に代入すると、

x+6=9
x=3

となり、代入法でも先述の加減法の場合と同じ答えになります。

④解を確認する

答えが合っているか不安な場合は、確かめをしましょう!

さっと確かめたい場合は、今回の問題だと

・自然数を求めるのに、答えが負の数になっていないか?
・xとyは2ケタの自然数のそれぞれの位の数字を表しており、十の位に0がくることはないので、解は1~9の自然数になるはずだが、それ以外になっていないか?

といった視点で確認ができます。

全く自信がない場合は、解の値を②でつくった連立方程式に当てはめて、計算が合うか確認しましょう!

まとめ

式、文字、数字が複数並ぶ連立方程式。

高校入試でも頻出の範囲ですが、苦手とされる方が多いです。

ですが、連立方程式を利用すれば、一見複雑な文章題も鮮やかに解くことができます。

そのため連立方程式は、損益分岐点の計算など経済やビジネスにおいても利用されています。

文章題中のどの数量を文字で表したらいいかを意識しながら、連立方程式の応用問題に取り組んでみてください!

 

 

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