実験の先生に聞いた!実験授業を円滑に進める豆知識!

2023.03.07

理科の実験授業を進める上で、意外と時間がかかる作業があり、思うように実験が進まないことは多々あるようです。
たしかに私も遠い昔の記憶ですが、実験授業で結局解説までたどり着かず終わってしまったような記憶がいくつかあります。
そこで現役の理科の先生に、意外と時間がかかる作業を、どのような工夫で乗り切っているのかを聞いてまいりました。

溶液を必要量取らせる作業は時間がかかる

"A液を試薬瓶からピペットで◯mlとり試験管にいれる"
という操作を生徒にさせると、想定より時間がかかるそうです。

理科教育に携わる身としては、実験器具を上手に使えるようになって欲しいという気持ちもありますが、授業時間という制限があります。

そうおっしゃるのは現役で理科を教える、だいし先生。
そんなときに実践している、手早く簡単に溶液を必要量取らせる方法があるそうです。

この方法は実験前に定量を分注しておく方法としても便利でした。「え、こんなの普通でしょ」ってやってる人がもういるかもしれませんが・・・今のところ、私は見かけたことはありません。

とのこと。
やはり生徒さんが多いと時間がかかったりして授業が円滑に進まないようですね。

生徒実験が円滑に進まない要因として、人数より、器具の扱いの経験値のばらつきが大きいように感じています。生徒の習得段階に合わせた授業設計をしていれば、20人のクラスも40人のクラスも進行速度の差異は少ないです。

経験値によってというのは納得ですね。
興味があれば前もって調べたりする生徒さんもいらっしゃるし、特になければそのまま実験に臨む生徒さんもいらっしゃるでしょう。
他にもさまざまな理由で経験値の違いが生まれるでしょうね。

一体どのような方法なのか

早速その方法で必要なものを聞くと、なんと洗瓶と目盛り付き試験管の2つだけ。
そして使い方もいたって簡単でした。

壮大な前置きをしましたが、使用する溶液を洗瓶に入れておき、目盛り付き試験管に注がせるだけです。

なるほど、単純明快。
たしかにこれで簡単に溶液を必要量取らせることができますね。
しかも必要アイテムも2つで手間も少ないのはとても良いです。

メリット、デメリットと改善案

そしてこの方法のメリット、デメリットもだいし先生は教えてくださいました。

【メリット】
・ピペットより簡単、早い
・複数クラス分入れておける、前準備出来る
・経験値、手先の器用さがあまり影響せず操作できる
・試薬瓶とピペットを兼ねるため、使用器具の数を減らせる
・割れない
・倒しても溢れない

まさにいいことずくめ!!
ではないのです・・・次にデメリットです。

【デメリットとその注意点や改善案】
・液垂れする
強酸、強塩基その他皮膚を浸食する溶液は染色液には適しません。
改善案として、洗瓶のキャップをつけるか、アルミホイルで包むとリスクを抑えることが出来ますが、アルミホイルで液だれを止めるとしても強酸強アルカリなどの皮膚を腐食する薬品や、手について嫌な染色液は基本的に入れない方がよいです。

・正確な量は測り取れない
あくまである程度必要量を取る方法のため、定量実験には適しません。
また、目盛り付き試験管は高いので、コスパ的には微妙です。
改善点としては、メモリのない試験管を机にならべて、溶液を入れる高さにマジックで線を引いておく、または「試験管立ての下の横棒まで入れましょう」と指示すれば普通の試験管でもおこなうことが出来ます。

・溶液を飛ばして遊ぶ者がいる
一定数こういう子がいるので最初に危険だということをしっかり教えておく必要があります。

デメリットに対する改善案も教えていただいたので、これは試してみる価値ありですね。

実験での方法活用事例をご紹介

つづいてだいし先生に、どのような実験で方法を活用したのか聞いてみました。

実験例として「豚血液の凝固反応実験」にて実践しました。
この実験は凝固止め処理をされた豚血液3mlと塩化カルシウム水溶液(0.025mol/?)3mlを混ぜ、37℃程度に湯浴させると豚血液が固まる現象を確認するものです。
実験の流れとしては、授業前にあらかじめこちらで目盛付き試験管に豚血液を3mlずつ分注し、1本ずつ試験管たてに立てて各班に配布。

授業中、生徒は洗瓶に入った塩化カルシウム水溶液を豚血液の入った目盛付き試験管に3ml入れます。

その後、湯の入ったビーカーに試験管をつけ、約5分後に観察するというものでした。

血液を見たときの生徒の反応は様々でした。体調が不安になる子、逆に気持ちが高ぶる子。
できる限り、生徒の視野に入る量、扱う量を減らしたいところではあります。
異なるクラスが連続で実験を行うときは、授業中に次のクラスの分の豚血液を分注しました。
洗瓶で行うことで清潔を保ちながら手早く分注できたので、これもメリットの一つですね。

9クラスでこの実験をおこなわねばならず、溶液の補充を各クラス毎にしていたら※きっと※間に合いませんでした。
洗瓶1本に9回分以上の量を入れておくことで、はじめのクラスから最後のクラスまで実験台に置きっぱなしにすることが出来、大変便利でした。

1クラスだけではなく、何クラスも同じ実験をおこなうことがあるので、前準備の効率化にも繋がっているわけですね。
こういった工夫が本当に大事だということがよくわかります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
たくさんの生徒さんを教えなければならない先生だからこその工夫。
授業が時間通りに進んでいたのは、先生方のこういったたくさんの努力があったからなんです。
また他にも工夫があれば、ぜひとも聞いてみたいですね。