電子天びんと静電気の関係

2022.01.13 監修 株式会社エー・アンド・デイ

夏は問題なかったのに、秋冬になると天びんの調子が悪いこと、ありませんか?

様々な研究室や実験現場で使用される電子天びんですが、夏は何もなくしっかり重さが量れていたのに、秋冬になると「物を載せてもいつまでも計量値が安定しない…」「修理に出してみたけど、不具合が改善しなかった…」などのご経験はありませんか。
また、季節を問わず、粉物を量ってみたら値が安定しなかったり、場合によっては粉が飛び散ってしまった…そんなご経験はありませんか。

その原因、冬になるとドアノブをつかもうとしたとき、パチっとくる、
あの「静電気」にあるかもしれません。今回は電子天びんと静電気の関係についてお話します。

静電気はなぜ発生するのか?

ではまず、なぜ静電気が起こるのか、念のためにおさらいしてみましょう。

静電気が発生するのは、次のような場面です。
・接触帯電:2つの物質が接触するとき
・摩擦帯電:物質どうしをすり合わせたとき
・はく離帯電:接触したモノを剥がしたとき
・衝突帯電:物質と物質がぶつかったとき

湿度が45%RH以上では帯電しないといわれていますが、
実際は、物をこすったり、接触したりした際には、人間の感じないレベルでも静電気が発生しています。

なぜ電子天びんと静電気は相性が悪いのか?

帯電物が計量皿に近づくと、周りの物体に帯電物と反対の電気が発生し、
帯電物と引き合うようになります。この引き合いが、計量値が安定しない原因です。
更に、計量皿に載せた後は、静電気が時間と共に空気や計量皿などに逃げていくため、
これもまた計量値が変動する一因となっています。

1章でお話した粉体は薬包紙に載せて量ることが多いと思いますが、
粉体自体も、薬包紙も帯電しやすいため、天びんの計量値が不安定さにつながります。

更に、乾燥して低湿度になる冬場には、
帯電した衣服を着用した作業スタッフが天びんに近づいただけで
静電誘導となり、計量値が不安定になる可能性があるのです。

■帯電物を測定したいとき
実際より重い値が表示されます。
そして、静電気が空気中や計量皿へ逃げていくにつれ、値は変化していきます。

■帯電物が近づいたとき
静電気の引力が計量皿を反対方向に引っ張るため、値がドリフトします。

では、どうしたら静電気の対策ができるの?

とはいえ、冬場の研究を止めるわけにも、粉を量らないわけにもいきません。
そこで、静電気対策をご紹介いたします。

①研究室内の湿度を管理する
湿度が上がることで(45%RH以上が目安)、静電気の発生を抑制できます。
②帯電物を金属で囲む(シールド)
金属製のシールドを使うことで、静電気を遮断可能です。
③除電器を使用して、計量物を除電する
除電器を使用すれば、計量物に帯電した静電気を除去し、安定した計量をすることができます。

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