環境に配慮した研究室とは?QUINTBRIDGE×アズワンイベントレポート

2024.06.21

 

本記事は2024年6月7日に開催したQUINTBRIDGE×アズワンのコラボイベントのレポートです。当日の雰囲気やアズワンのオープンイノベーションについて知っていただける内容です。

開催概要

主催:QUINTBRIDGE×アズワン株式会社
日時:2024年6月7日(金)16:00~19:00
場所:QUINTBRIDGE 大阪府大阪市都島区東野田町4-15−82
登壇者:

 

京都大学大学院 地球環境学堂 研究員 
バイオミメティクスワーククリエイト
橘 悟

アズワン株式会社 システムインテグレーショングループ
平山 かおる

テーマ:環境配慮型の研究現場について考える
背景と目的:研究現場における大量の使い捨てプラスチック製品や水・エネルギーの消費は一般的なオフィスと比較すると環境負荷が大きい。長年にわたり理化学商社として展開してきたアズワンは研究領域の環境負荷削減を目的とした新規事業を検討している。本イベントを通じ実際の研究者や環境問題に関心のある方々とディスカッションを行うことで、環境配慮型の研究現場に関する解像度を高める。

イントロダクション

本イベントの趣旨を説明

趣旨を説明する平山さん(アズワン)

QUINTBRIDGEのご紹介

QUINTBRIDGEは、NTT西日本が運営するオープンイノベーション施設です。企業・スタートアップ・自治体・大学などが自由に交流し、それぞれの思いやアセットを共有しながら共創を進め、実社会での活用をめざします。
会員とともに社会課題の解決と未来社会の創造を成し遂げ、ウェルビーイングが実感できる社会を実現することを目的としています。本イベントはQUINTBRIDGEの皆さんのご協力のもと開催いたしました。

QUINTBRIDGEについて説明する宮永さん(NTT西日本)

バイオミメティクスに関するミニ講義と研究現場の現状共有

【バイオミメティクス体験1】松ぼっくりの鱗片が水で閉じる
松ぼっくりの鱗片は内側と外側で異なる構造をしている
それぞれの収縮率が異なるため乾燥していると開くが、水に触れると閉じる
これにより松ぼっくり内部のタネを晴れた日に飛ばすことができる

【バイオミメティクス体験2】ハスの葉の撥水
ハスの葉は表面が特殊な形状をしているため撥水するが、ミカンの葉は撥水しない
ハスの葉の表面を指でつぶすと撥水効果がなくなる

ワークショップ

個人ワーク

  • ①:環境配慮がなされた研究室やオフィスのイメージをブレスト
  • ②:①のイメージを実現するためのアイデアを共有
  • ③:②のアイデアが実現できていない理由や課題を共有

グループワーク

  • ④:③の課題を解決するためのアイデアをワークシートに記入
  • ⑤:ワークシートを右隣りの人へ回し④のアイデアに対する厳しい指摘を記入
  • ⑥:さらにワークシートを右隣りの人へ回し⑤の指摘を踏まえた最終アイデアを記入
  • ⑦:それぞれの手元にあるワークシートについて流れを踏まえて発表

当日出たアイデアを抜粋してご紹介!

アイデア①:不用品の再利用(ポリプロピレン)

実現したい環境に配慮した研究室
研究室で出た不用品の活用先と郵送システムが整っている
解決ソリューション
PP(ポリプロピレン)の廃棄物を回収し、傘や雨合羽、簡単な施設の屋根にアップサイクルする事業を展開する

アイデア②:申請書のペーパーレス化

実現したい環境に配慮した研究室
申請書類がペーパーレスで完結している研究室
解決ソリューション
1年間で消費する紙の量や廃棄にかかる代金、処理にかかる時間を調べ、どの程度のシステム・電子媒体であれば何年でペイできるか提案する

まとめ

今回のイベントには研究者から経営者、個人事業主から大企業勤務まで様々な方にご参加いただき、終始和やかな雰囲気で進みました。提案いただいたアイデアの中でもペーパーレス化を進めようという意見が多く見受けられ、アカデミアにおける申請書式・方法の多様性や電子化導入時の課題が明らかになる場面もありました。

皆さんから得られたアイデアや課題をもとにアズワン株式会社では研究室の環境負荷削減を目的とした新規事業計画を推進いたします。

改めまして本イベントにご参加いただいた皆さんや運営にご協力いただいたQUINTBRIDGEの皆さんありがとうございました。また、アズワン株式会社では不定期でこのようなイベントを開催しております。今回参加できなかった方も次回はご参加いただけますと幸いです。

オマケ

橘さんの所属している研究室では両生類や爬虫類をはじめとした生物について研究されています。

先日は絶滅したオオサンショウウオが生きていたというプレスリリースで注目を集めました!

 

コバンザメの標本(2か月前まで生きていたそうです)