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こんにちは。理科講師・サイエンスライターの山﨑実香です。
今回は、水の入ったペットボトルを握り気圧を変化させるだけで、雲を作る科学実験をご紹介します。
簡単ですが、小学生の自由研究、中学生以上の探究学習、STEAM教育、さらには理科・社会・美術など教科を横断する学びも可能!
CONTENTS

用意するものは
・蓋つきの空のペットボトル(「いろはす」など柔らかいもの、もしくは炭酸飲料用の硬いもの)1本
・消毒用の濃度70%以上のアルコール(成功率が下がりますが水でもOKな場合あり)小さじ1程度
・線香×1本、線香に着火するもの、消火後の線香を安全に処理する水入りの容器など
のみ!
今回は、この実験内容で神奈川県横浜市にあるSEISAアカデミーで授業をしました。
ここは、興味のあるもの&とことんやりたいことを突き詰める学び舎。探求を中心に学ぶカリキュラムを実施し、2E・ギフテッド特性を持つ子も通っています。過去には、文部科学省「特定分野に特異な才能のある児童生徒への支援の推進事業」にも指定された実績も。
また、同校を運営する星槎グループは、フリースクール、保育園、幼稚園、中学校、高等学校、大学、大学院、研究所などを展開する、不登校や引きこもり・発達障がい分野の支援を得意とする学校法人。学びの多様化学校を複数運営しています。
今回2026年1月28日の10:30〜12:00に実施した90分間授業には、学年横断型のため小学生10名(3年生1名、4年生3名、5年生3名、6学生3名)、中学生6名(1年生2名、2年生4名)、高校生1名(2年生1名)の子ども達合計17名と講師の私、補佐スタッフ数名が参加しました。
①凝結の核となるものを入れる

まずペットボトルの中に少量のアルコールを入れ、蓋を閉めます。
次に、ペットボトルを両手で温めながら、逆さにしたり回したりする作業を繰り返し、アルコールをペットボトルのあらゆる面に行き渡らせます。
これにより、アルコールの蒸発を促します。

アルコールの液体が少なくなったら、線香に着火して煙が出ている状態にし、ペットボトルの中に煙だけ閉じ込めましょう。
これは、この後アルコールが冷やされて液体に戻っていくとき、煙を「核」として集まること(凝結すること)を促すためです。
ここでは、必要以上に大量のアルコールに、大量の火気を近づけないようにしましょう!それらを使いすぎると、炎が上がることがあるからです。
また、着火した後の線香は、見た目以上に熱くなっています。手で触れない、ペットボトルに直接つけない、使い終わったら水の入った容器に入れる等も徹底しましょう。
②気圧を下げる



ペットボトルをギュッと握り気圧を上げ、パッと離し気圧を下げます。
すると、手を離した瞬間に白い靄(もや)がペットボトルの中に現れました!
実際の授業では「ペットボトルの中に何を入れると思う?」など、子ども達の予想を聞きながら探究型の進め方をしました。
また、自由なアレンジも促したところ
「アルコールも煙も入れなくても、水だけでも少し曇る!アルコールも煙も『あれば良い』程度なのかな?」
「教室に備え付けの除菌用アルコールスプレーでもできた。別のものをわざわざ用意しなくて良かったね笑」
「ペットボトルは、握るよりも、曲げたり捻じったりした方が楽だよ!」
など、自分で発見をしていました。また、高学年が低学年の作業を手伝うほほえましい場面も。
しっかり観察も考察もできていますね!

白いもやが現れたのは、気圧の低下とともに温度も低下することで、気体のアルコールが凝結して液体のアルコールに変化したためです。
アルコールを水に置き換えると、以下のように空に浮かんでいる雲の原理になります!
①まず、空気に含まれる水の気体(水蒸気)が、太陽光で温められるなどの理由により、上に昇ります。
上空は地球の重力の影響を受けにくく空気が薄いため、気圧が下がります。
②気圧が下がると空気は膨張し、膨張によってエネルギーを使うため気温が下がります。
周囲に熱を与えたのではなく “エネルギーとして熱を消費した” ということです。
つまり、空気は周りに熱を与えることも奪うこともせずに膨らむため、これを「断熱膨張」と呼びます。
③冷えると、空気中に溶け込むことができなくなった水が出てきます。
つまり、水蒸気という水の気体が、液体(水)や固体(氷)の水に変わる「凝結」が起こります。
④この水や氷の粒は、チリなどの核の周りに集まってドンドン大きくなり、これが雲となります。
授業では、この原理をワークシートに記入しながら学習しました。

現代社会の多様な課題を解決するためには、複数の視点を養う「教科等横断的な学習」が不可欠です。
この授業では「葛飾北斎の『富嶽三十六景』の一枚「凱風快晴(がいふうかいせい、通称赤富士)」に描かれている雲は、うろこ雲、いわし雲、さば雲と呼ばれる」など、美術や歴史に関する内容も紹介しました。
このように、工夫次第で様々な分野に発展可能です!


ペットボトルで雲をつくる理科実験は、小学生の「自由研究」、中学生以上の「理科教材」「教科等横断的な学習」「探究学習」「STEAM教育の実践事例」としても活用できます。
気圧の低下を利用して、水を入れたペットボトルを握るだけで雲ができる簡単な実験ですので、ぜひアレンジを加えて学びを深めてくださいね!