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金属酸化物の皮膜の状態を簡便に評価・モニターするためのセンサです。シンプル構造、簡便な計測方法で、500℃超にも適用できます。
腐食センサ
四 酸 化 三 鉄 は 、 実 社 会 の 様 々 な 環 境 で 多 様 に 用 い ら れ て い る 鉄 系 金 属 材 料 (炭 素 鋼 や ス テ
ン レ ス 鋼 )の 表 面 に 生 成 し 、 そ の 金 属 材 料 の 腐 食 進 展 を 抑 制 す る 保 護 皮 膜 の 働 き を す る こ
とで知られている。腐食進展による鉄系金属材料の劣化事象は、多くの工業プラント等に
おいて発生するので、その対策コストは社会問題である。この腐食進展を早期に抑制し、
安定してプラントを運転するためには、鉄系金属材料の使用環境を保護皮膜が存在できる
雰囲気に制御する必要がある。そのために、四酸化三鉄などの保護皮膜の状態を検知する
センサの開発が求められている。
金属酸化物と電極を有するセンサとしては、ジルコニアなどの固体電解質センサが知られ
ており、酸素濃度の検知などに使用されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、
このようなセンサは一方の電極で酸素分子をイオン化し、固体電解質に酸化物イオンを透
過させてもう一方の電極で酸素分子に戻すことにより酸素の濃度を測定するもので、金属
酸化物自体の状態変化に基づくセンサではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特開平11−281611号公報
本発明は、四酸化三鉄などの金属酸化物の皮膜の状態を簡便に評価・モニターするためのセンサを提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、金属酸化物薄膜と
、該薄膜上に設置された電極対を含むセンサであって、電極間に電流を流し、該薄膜上の
環境変化に基づく該薄膜の還元による電極間の電気抵抗変化を検知することを特徴とする
センサを開発し、これを使用することで、環境中の金属酸化物皮膜の状態を簡便に検知す
ることができ、また、環境中の酸素濃度の変化も検知できることを見出した。このような
知見に基づき、本発明を完成させた。
本発明の要旨は以下の通りである。
[1]金属酸化物薄膜と、該薄膜上に設置された電極対を含むセンサであって、電極間に
電流を流し、該薄膜上の環境変化に基づく金属酸化物薄膜の還元による電極間の電気抵抗
変化を検知することを特徴とする、センサ。
[ 2 ] 金 属 酸 化 物 が 、 四 酸 化 三 鉄 ( Fe 3 O4 ) 、 酸 化 銅 ( Cu2 O) 、 酸 化 ニ ッ ケ ル ( NiO) 、 酸
化 コ バ ル ト ( CoO) 、 酸 化 鉄 ( II) ( FeO) ま た は 酸 化 ク ロ ム ( Cr 2 O3 )である、[1]に
記載のセンサ。
[ 3 ] 金 属 酸 化 物 が 四 酸 化 三 鉄 ( Fe 3 O4 )である、[1]に記載のセンサ。
[4]金属酸化物薄膜が絶縁性基板上に設けられた、[1]〜[3]のいずれかに記載の
センサ。
[5]電極間に電圧を印加するための電源、電極間の電圧を測定する電圧計、および電極
間に流れる電流値を制御するガルバノスタットを有する、[1]〜[4]のいずれかに記
載のセンサ。
[6]設置環境中の酸素濃度の変化を検知するために使用される、[1]〜[5]のいず
れかに記載のセンサ。
本発明のセンサによれば、環境中の金属酸化物の状態を簡便に検知することができる。例
えば、本発明のセンサを用いることにより、四酸化三鉄などの金属酸化物が還元されて当
該金属酸化物の保護皮膜が消失したことを検知し、鉄系金属材料の適切な使用環境から逸
脱したことをいち早く検知することができる。それにより、早期に使用環境を制御し、腐
食進展を抑制することができる。発明のセンサはシンプルな構造であり、耐熱性に優れる
ので、室温から高温まで幅広い温度範囲で使用可能であり、耐放射線性も高い。
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