遠隔加工・監視装置

2024.08.08 By 日本原子力機構

機械工学

背景

近年、狭小で人の手が届かない箇所での機械加工を実現するべく、各種の装置類が提案
されている(例えば、特許文献1−2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】

【特許文献1】特開2003−94236号公報
【特許文献2】特開2006−15413号公報

課題

 管やその他の棒状体が集合する狭小な箇所において、特定の棒状体に機械加工を施した
い場合、棒状体の隙間に機械加工用のツールを通すことになる。そして、機械加工時には
、棒状体から受ける反力に耐えられるようにツールを支持する。なお、棒状体が集合する
狭小な箇所としては、例えば、新型転換炉原型炉施設ふげんに用いられているような圧力
管型原子炉、水管が密集するボイラーの燃焼室内、使用済み核燃料を貯蔵する燃料プール
の燃料ラック、配管を多数擁する化学プラント等が挙げられる。

 しかし、棒状体が集合する狭小な箇所に、例えば、ロボットアームのような長尺の道具
でツールを入れた場合、機械加工時にツールが棒状体から受ける反力に耐えるようにツー
ルを当該長尺の道具で支持することは難しい。そこで、本願は、棒状体が密集する狭小な
箇所に挿入して特定の棒状体に機械加工を施しても、棒状体から受ける反力に耐えられる
遠隔加工装置及び遠隔加工方法を提供する。

手段

 上記課題を解決するため、本発明では、棒状体に加工を施す加工ツールを、スイング機
構や捻転機構を設けたアームの先端に設けると共に、当該加工ツールから出し入れ可能な
可動式の突出部材を設け、当該加工ツールで棒状体に加工を施す際は当該突出部材を突出 させて他の棒状体に接触させ、反力をこれで受けることにした。

 詳細には、本発明は、棒状体が集合する集合体の特定の棒状体に機械加工を施す遠隔加
工装置であって、棒状体に加工を施す加工ツールと、加工ツールをスイングさせる第1の
スイング機構を介して加工ツールが先端側に設けられたアームであり、先端側とその反対
側とを相対的に捻転させる捻転機構を有する第1のアームと、第1のアームをスイングさ
せる第2のスイング機構を介して第1のアームが先端側に設けられた第2のアームと、加
工ツールから出し入れ可能な可動式の突出部材を加工ツールから突き出し、加工ツールが
機械加工を施す特定の棒状体の付近にある他の棒状体に接触させ、特定の棒状体から反力
を受ける加工ツールを支持する反力受け部を備える。

 このような遠隔加工装置であれば、例えば、少なくとも2以上ある各アームを棒状体の
隙間に集合体の側方から挿入した状態で、何れかのアームを棒状体と平行な形態にしてか
らスイングさせたり、アームの先端に設けられた加工ツールをスイングさせたりすること
ができるので、加工ツールを集合体内で適宜の位置に配置することができる。そして、加
工ツールには、可動式の突出部材が設けられており、機械加工を施す際には加工対象の周
辺にある棒状体に当該突出部材が接触して加工ツールを支持するので、機械加工により反
力を受ける加工ツールが動いて加工に支障を来すことが無い。

 なお、加工ツール、第1のアーム及び第2のアームは、例えば、直線状に伸ばした状態
で集合体に側方から挿入され、第1のアームは、第1のアームと第2のアームとの連結部
分が集合体内に位置する状態において、棒状体と平行になるように第2のスイング機構で
スイングされ、加工ツールは、第1のスイング機構のスイング方向が特定の棒状体へ向か
うように捻転機構で第1のアームの先端側の向きが調整された後、特定の棒状体の方へ向
くように第1のスイング機構でスイングされてもよい。加工ツールや各アームをこのよう
に動かせば、加工ツールが集合体内の適宜の位置に配置された状態になるので、棒状体に
加工ツールで加工を施すことが可能となる。

 また、集合体は、棒状体が互いに隙間を空けて縦横に整列したものであってもよい。集
合体がこのように構成されていれば、加工ツールや各アームを直線状の形態で集合体に側
方から挿入することが可能となるため、加工ツールを所望の位置へ配置することが容易と
なる。

 また、本発明は、方法の側面から捉えることも可能である。例えば、本発明は、棒状体
が集合する集合体の特定の棒状体に機械加工を施す遠隔加工方法であって、上記の遠隔加
工装置が備える加工ツール、第1のアーム及び第2のアームを、直線状に伸ばした状態で
集合体に側方から挿入し、第1のアームを、第1のアームと第2のアームとの連結部分が
集合体内に位置する状態において、棒状体と平行になるように第2のスイング機構でスイ
ングし、加工ツールを、第1のスイング機構のスイング方向が特定の棒状体へ向かうよう
に捻転機構で第1のアームの先端側の向きが調整された後、特定の棒状体の方へ向くよう
に第1のスイング機構でスイングするものであってもよい。 

効果

上記の遠隔加工装置及び遠隔加工方法であれば、棒状体が密集する狭小な箇所に挿入し
て特定の棒状体に機械加工を施しても、棒状体から受ける反力に耐えられる。

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特許情報

特許第6959565号

JPB 006959565-000000