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凍結現象を利用して、セルロースナノファイバーゲル(環境や生体との親和性が高い生分解性高強度多孔質材料)の強度向上に成功しました。生分解性、高成型性、有害物質高吸着性が特徴で、環境浄化材料やバイオ材料への展開が期待できます。
セルロースゲル
従来、ポリマーを三次元に架橋した多孔質体は保水性、 生体適合性を有す
るものが多く存在し、吸着材料から医療材料まで幅広い分野で利用されてい
る。一方、環境や医療分野で利用するためには無害で環境に優しい材料であ
ることが求められる。
当該多孔質体を構成するポリマーは、合成高分子と天然高分子とに大別さ
れる。合成高分子を用いる場合、一般的には、アクリルアミド系ゲルに見ら
れるように主に架橋剤とのラジカル重合によってゲルが合成されている。 ラ
ジカル重合を行う際には重合開始剤が用いられるため、 作成された多孔質体
に残存する重合開始剤の有毒性等が課題となる場合があり、医療分野におけ
る一部の使用方法では使用できない。
一方、天然高分子は有毒性がなく生体的合成に優れているため、手術時の
傷口封止材やドラッグキャリアとして広く活用されている。しかし、ゲルを
合成できる天然高分子には限りがある。 また、 合成の際に高温での加熱が必
要になるため、 例えばたんぱく質や細胞等の熱に弱い材料の内包等、その用
途によっては利用が制限される場合がある。
以上の背景から、より汎用性が高く、環境負荷が低く、 合成方法が簡便で
あり、かつ低コストな多孔質体ポリマーが求められている。
上記要望を満たす天然高分子としてセルロースが注目されている。 例えば
セルロースを用いた多孔質体の合成方法では、セルロースにカルボキシル
墓を導入したカルボキシメチルセルロースを用いる方法があり、その物性を 変化させる合成方法について種々研究がなされている。
特許文献1に記載のセルロースを用いた多孔質体の合成方法では、カルボ
キシメチルセルロースに酸を加えることによって、カルボキシメチルセルロ
ース分子間に架橋を生じさせることによってゲルを合成する方法が開示され
ている。
先行技術文献
特許文献
特許文献1: 特開2008-69315号公報
特許文献1に記載のセルロース多孔質体の合成方法では、カルボキシメチ
ルセルロースに酸を混錬するだけでゲルを合成できるため、 毒性のある試薬
を使用する必要が無く、 安全なセルロース多孔質体を提供することが可能となる。
しかし、本発明の筆者らが特許文献1に記載の方法で合成したゲルについ
て、強度の測定を行った際、その強度が十分でないことが分かった。 また、
ゲルから水分を抜いた際に残る多孔質体も同様に、その強度が十分でない。
そのため、ある程度の力が加わるような場所に上記ゲルや多孔質体を用い
た場合、その機能を発揮する前にセルロースゲル自体が破壊されてしまう可
能性があり、より強度を向上させる必要がある。
また、特許文献1に記載の方法では20wt%ほどの高濃度のカルボキシ
メチルセルロースを合成時に用いる必要があるが、一般的に高濃度の多糖水
溶液は高粘度であることから作成が極めて困難である。
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、簡便に、かつ強度が高い
ゲル及び多孔質体を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に記載の多孔質体の製造方法は、反応 性官能基を有するファイバー状高分子を溶液に溶解させる第一の工程と、フ
ァイバー状高分子を溶解させた溶液を凍結させる第二の工程と、凍結させた
溶液に所定量の架橋剤を添加してファイバー状高分子同士を架橋させる第
の工程を有することを特徴とする。
また、本発明に記載の多孔質体は、反応性官能基を有するファイバー状高
分子が溶解された溶液を凍結した状態で架橋し、 架橋後に凍結された溶液を
融解し、乾燥した後に得られることを特徴とする。
また、ファイバー状高分子を主成分とするゲルは、80%圧縮率で圧縮し
た場合、少なくとも2回は略同一の応力ひずみ曲線となることを特徴とする
本発明を実施することにより、簡便に、かつ強度が高いゲル及び多孔質体
を提供することが可能となる。
なお、上述した課題及び効果に記載されていない新たな課題や効果につい
ては、発明を実施するための形態の記載にて明らかになる。
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