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環境下での温度変化で充電できる電力設備が要らない三次電池の発明。
同一の金属イオンが可逆的に出入り可能な正極部材および負極部材をもつ熱発電素子であり、素子全体の温度変化に伴う部材の温度係数の差から起電力を得ることが可能。素子自体の温度変化で起電力を得ることができるため、薄型化が可能。
電池
我が国の未利用の産業排熱は、国内で利用されている電力量の2倍以上である。また、
我が国に降り注ぐ太陽熱エネルギーは、国内で利用されている電力量の1000倍以上で
ある。これらの熱エネルギーの一部を電気エネルギーに変換できれば、化石エネルギーの
消費が抑えられ、二酸化炭素の削減に貢献することができる。
また、人体も熱エネルギーを発散しているため、この熱エネルギーを電気エネルギーに
変換できれば、モバイル機器の充電が不要になる。そのためには、室温付近の熱エネルギ
ーを安価に電気エネルギーに変換することができる「熱発電システム」が求められる。
温度差を電気エネルギーに変換する技術としては、例えば、半導体のゼーベック係数を
利用した熱発電素子が知られている。この熱発電素子では、室温付近で性能が高い材料(
B i 2 T e 3 )が用いられる。しかしながら、この材料は、高価である上に、有毒な元素
を含むという問題がある。また、この熱発電素子は、温度勾配をつけるために嵩高いもの
となる。
これに対して、特許文献1では、電気化学ゼーベック効果を利用した二次電池に類似す
る熱発電素子が開示されている。この熱発電素子では、正極と負極に同一の活物質が用い
られている。この熱発電素子では、温度差によって両電極間に起電力の差を生じさせるこ
とにより、外部回路に電流を流すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】国際公開第2012/140856号
特許文献1の温度差変換型の熱発電素子では、素子内に大きな温度差をつける必要があ
る。そのためには、熱伝導度が小さい材料を用いる必要がある。熱エネルギーから電気エ
ネルギーへの変換効率が高い半導体熱電変換素子を実現するためには、大きな電気伝導度
と小さな熱伝導度を両立させる必要があることから、温度差変換型の熱発電素子の開発を
難しくしている。また、シート状の温度差変換型の熱発電素子は、電圧を上げるために、
一対の電極と、これらの間に介在する電解質とを有するシート状のセルを直列に接続する
(セルを重ねる)必要がある。そうすると、各セルの表面と裏面の温度差が減少する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、素子全体の温度変化を利用して、熱エネルギーを電気エネルギーへ変換することが可能であり、かつ薄型化が可能である熱
発電素子を提供することを目的とする。
[1]第1の電極と第2の電極が、単一の電解質を介して対向してなる熱発電素子であっ
て、前記第1の電極および前記第2の電極は、同一の金属イオンが可逆的に出入りする材
料を含み、前記第1の電極と前記第2の電極は互いに異なる 前 記 材料を含み、素子全体を
温度変化させて、前記第1の電極と前記第2の電極 の 温 度 を 上 昇 ま た は 下 降 さ せ て 、 前 記
第 1 の 電 極 に 負 及 び 正 の い ず れ か 一 方 の 起 電 力 を 生 じ さ せ る と と も に 、 前 記 第 2 の 電 極 に
前 記 第 1 の 電 極 と は 異 な る 他 方 の 起 電 力 を 生じさせることにより発電することを特徴とす
る熱発電素子。
[2]前記第1の電極は温度の上昇に伴って負の起電力を生じる材料Aを含み、前記第2
の電極は温度の上昇に伴って正の起電力を生じる材料Bを含むことを特徴とする[1]に
記載の熱発電素子。
[3]前記第1の電極は温度の上昇に伴って負の起電力を生じる材料Aまたは温度の上昇
に伴って正の起電力を生じる材料Bを含み、前記第2の電極はアルカリ金属Cを含むこと
を特徴とする[1]に記載の熱発電素子。
[4]前記材料Aは-20℃以上で負の起電力を生じる材料であり、前記材料Bは-20
℃以上で正の起電力を生じる材料であることを特徴とする[2]または[3]に記載の熱
発電素子。
[5]前記第1の電極は温度の上昇に伴って構造相転移する材料Dを含み、前記第2の電
極はアルカリ金属Cを含むことを特徴とする[1]に記載の熱発電素子。
[6]前記第1の電極、前記第2の電極および前記電解質を有するユニットが、一方のユ
ニットの前記第1の電極と、他方のユニットの前記第2の電極とが隣り合うように複数積
層されてなることを特徴とする[1]~[5]のいずれかに記載の熱発電素子。
本発明によれば、素子全体の温度変化を利用して、熱エネルギーを電気エネルギーへ変
換することが可能であり、かつ薄型化が可能である熱発電素子を提供することができる。
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