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先日紹介した膵臓ガンは、ガンに対する間質反応によりガンの微小環境が変化させられ、この反応によりガンの周りに集まった線維芽細胞から細胞外マトリックスやサイトカインが提供され、ガンの悪性度が増していくタイプだ。
これに対し、最初に組織の線維化が起こり、これが発ガンを促進するタイプの代表例が肝臓ガンだ。勿論、発ガン後も間質との関係は続くが、発ガン前と後では、相互作用のあり方も異なる可能性がある。
今日紹介するコロンビア大学からの論文は肝臓の線維化の鍵を握る細胞と考えられているStellate Cell(星細胞、発見者の名前をとって伊東細胞とも呼ばれる)が肝臓ガン発生過程への関与のメカニズムを明らかにした研究で、これまでほとんど知識が不足していた星細胞についてしっかりとしたイメージを形成することが出来た。
タイトルは「Opposing roles of hepatic stellate cell subpopulations in hepatocarcinogenesis(肝臓星細胞は肝細胞ガン発生過程の細胞サブポピュレーションに相反する作用を示す)」で、10月5日Natureにオンライン掲載された。
様々な組織特異的遺伝子改変法を駆使して、星細胞の活性を操作し、様々な方法で誘導する肝臓ガンに対する影響を詳しく調べた膨大な研究だ。
まず、星細胞特異的活性化シグナル、あるいは活性化抑制シグナルを遺伝子導入したマウスで、星細胞の活性化が発ガン過程を促進することを確認し、さらに星細胞自体を除去して、発ガンを促進しているのが星細胞自身であることを明らかにしている。
後は、星細胞が発ガンを促進するメカニズムを探索しており、結果をまとめると次のようになる。
以上が結果で、星細胞の機能を、発ガン過程からガン成立後までにわたって、よく理解できる結果だ。
さらに、正常状態ではHGFが肝臓の増殖より、肝臓を守る働きをしていることも見事に示されており、大変勉強になった。
肝臓ガンに興味のある人には一読を勧める。