半導体集積回路の設計技術、低消費電力技術

2022.08.30 By 横浜国立大学 先端科学高等研究院 吉川 信行

物理学

研究概要

新しい動作原理に基づく電子デバイスを用いて、次世代の高速・高密度な大規模集積回路(LSI)システムを実現することを目指しています。例えば超伝導現象を利用すれば、単一磁束量子(磁束の最小単位)を情報の1ビットに対応させた超高速ディジタル回路を作ることができます。これらの単一磁束量子LSIは、数百GHzにおよぶクロック周波数での動作が可能です。また、超伝導回路を断熱的に動作させると、従来の半導体LSIに対して6桁以上の低消費電力化が可能です。一方、量子状態を利用した量子コンピュータは、従来不可能だった膨大な計算を高速に行える可能性を秘めています。このようにデバイス自体の機能が新しくなると、これらの機能を生かすために、新しい回路アーキテクチャやシステムアーキテクチャの検討も必要になります。我々は、LSIシステムを、デバイスの動作原理、アーキテクチャ、ならびに設計手法という多方面から眺め、研究を行っています。

アドバンテージ

現在の研究テーマは、超伝導集積回路を用いたマイクロプロセッサや浮動小数点演算器(FPA)などの設計と高速、低消費電力動作実証などを行っています。この研究を通して超伝導LSIにおいて、100GHzを超える動作や、半導体の100万分の1の低消費電力動作を実証してきました。また、研究を通して、高周波回路の3次元設計、高速アナログ増幅器の設計、高速ディジタル回路の設計などを手がけてきており、これらの分野において技術的なアドバンテージを持っています。最近は、断熱的手法を用いて半導体ディジタル回路の消費電力を100分の1に下げる研究も行っており、超低消費電力回路への展開を目指しています。 

事例紹介

超伝導単一磁束量子回路を用いた世界初のマイクロプロセッサや浮動小数点演算器の50GHz高速動作実証を行いました。また、超伝導断熱回路を用いて超省エネルギーマイクロプロセッサの研究開発を行っています。これらの技術を用いてピコ秒時間間隔の計測が可能な微小時間測定回路や、超伝導量子ビットを高精度で操作するための高速マイクロ波チョッパを開発しました。

相談に応じられるテーマ

半導体集積回路の設計技術、低消費電力技術

高速回路や伝送線路の設計、シミュレーション方法

高速回路の測定技術、低温測定技術

アナログ、ディジタル回路の設計

主な所属学会

応用物理学会

電子情報通信学会

電気学会

低温工学・超電導学会

米国電気電子学会(IEEE)

主な論文

『量子コンピュータの大規模化に向けた量子ビット制御用低温回路技術の動向』「電学論A2021.1

『超電導エレクトロニクスが拓く未来技術開発動向』「電学論A2019.1

『超電導エレクトロニクスが開く未来技術の創生に向けて』「電学論A2018.1

『超伝導ディジタル回路による生体高分子用超伝導飛行時間型質量分析計』「低温工525pp.349-354 2017.5

『位相エンジニアリングの研究動向と新展開』「電学論A2017.1

『超電導が切り開く未来技術の創生に向けて』「電学論A2016.1

『単一磁束量子回路を制御回路とする量子計算システム』「応用物理」2009

主な特許

特願2015-081036「断熱型量子磁束パラメトロン回路及び超伝導論理素子」

特願2014-181355「超伝導集積回路装置」

主な著書

Fundamentals and Frontiers of the Josephson EffectSpringer International Publishing, 2019

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特許情報

特願2015-081036「断熱型量子磁束パラメトロン回路及び超伝導論理素子」

JPB 006563239-000000

特願2014-181355「超伝導集積回路装置」

JPB 006396726-000000