超伝導体・磁性体の無機材料合成

2022.08.30 By 横浜国立大学 大学院工学研究院 知的構造の創生部門 上原 政智

物理学

研究概要

高温超伝導体と呼ばれる銅酸化物の超伝導転移温度は高温といってもマイナス150℃で、実用にはまだまだ低すぎます。我々の最終的な目標は室温で超伝導となる物質を合成することです。また、強相関電子系物質では磁性と電気伝導がお互いに関連しあい新規な物性を示すことがあります。超伝導探索だけでなく、巨大磁気抵抗現象のような新しくて面白い物性の開拓も目指しています。

アドバンテージ

当研究室では豊富な合成装置を保有しています。具体的には、①最高1850℃までの温度を達成できる電気炉群、②合成時の雰囲気ガスを精密に制御できるガスフローシステム、③最高1700℃、最大圧力3GPa下での合成を可能にするキュービックアンビル型超高圧合成装置、④合金の合成に威力を発揮するアーク炉、グローブbox 大型単結晶育成のためのフローティングゾーン炉、以上のように、機化合物合成については様々なアプローチにより新物質合成を目指すことができます。

基礎的な物性評価として、10K冷凍機、VSM磁束計を保持しています。

事例紹介

当研究室においては以下のような興味深い新物質を合成してきています。

 

①新超伝導体CdCNi3:超伝導転移温度は3.5Kと低いものの超伝導発現に強磁性が関与している可能性があり学術的に興味深い。また強磁性・超伝導接合を用いたデバイスとしての可能性も秘めている。

②新超伝導ZnNNi3:超伝導転移温度は3.5Kと低いものの超伝導発現に強磁性が関与している可能性があり学術的に深い。また強磁性・超伝導接合を用いたデバイスとしての可能性も秘めている。

③新化合物LaSrVMo06 応用上有用な物質と考えられているが、合成が実現していない反強磁性ハーフメタルの可能性があり注目を集めている。

相談に応じられるテーマ

超伝導体

磁性体

超伝導体・磁性体の無機材料合成

主な所属学会

日本物理学会

日本磁気学会

主な論文

Superconductivity in the ladder material Sr0.4Ca13.6Cu24041.84J. Phys. Soc. Jpn. 65 (1996) 2764

Percolative phase seperation underlies colossal magnetoresistance in mixed-valent manganitesNature 399  (1999)

Superconducting Properties of CdCNi3J. Phys. Soc. Jpn. 76 (2007) 0347141

New anti-perovskite-type Superconductor ZnNyNi3J. Phys. Soc. Jpn. 76 (2009) 0337021

主な著書

Multi-scale Phase Modulations in Colossal Magnetoresistance Manganites, Chapter4 in “Colossal

Magnetoresistive Manganites”, Kluwer Academic Publishers, Dordrecht, Netherlands ,p131-200 (2004)

Superconductivity and Magnetism in Ladder and Chain Compounds – Physics of (Sr,Ca)14Cu24041 -a chapter

in”Frontiers in Magnetic Materials”, Springer Verlag, Germany, p573-606 (2005)

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