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テレビや携帯機器のオーディオ回路には小形低コストなスイッチングアンプ(D級アンプ)が用いられるようになりました。しかし、高周波雑音抑制に要するコストと小形化への制約が生じる共に、信号歪の発生も課題となっています。本アンプにより、これらの課題を解決できます。
AV製品・映像機器・オーディオ機器の製造業
従来より、スイッチング技術を用いたD級増幅器が知られている。D級増幅器は、増幅素子の電流を中間状態に制御するアナログ増幅器とは異なり、スイッチング増幅素子をON/OFFさせることにより、増幅素子での余分な発熱を大幅に低減できる利点がり、家庭用オーディオ機器(ワンビットADコンバータ)などに使用されている。
図1(以下各図は詳細資料に記載)は従来例1のD級増幅器の構成を示す回路である。従来例1のD級増幅器は、信号源101aの信号をパルス幅変調器(PWM)110aによりパルス信号に変換し、パルス信号を第1パルス増幅器105aで増幅し、第1低域通過フィルタ(LPF)107aでパルス成分を除去して元の入力信号の周波数成分を取り出して負荷109aに出力する。さらに一般では、負荷109aの駆動電力を増強すべく、パルス幅変調器110aのパルス信号をインバータ111aにより反転して得られた反転パルス信号を第2パルス増幅器106aで増幅し、第2低域通過フィルタ(LPF)108aを介して負荷109aの他端に出力する。
図2(a)に示す入力信号V I N が入力された場合、第1パルス増幅回路105aに与えられる電源電圧をVとすれば、図2(b)に示す出力パルス電圧が第1パルス増幅回路105aからさらに反転された出力パルス電圧が第2パルス増幅回路106aから出力され、第1低域通過フィルタ107aと第2低域通過フィルタ108aを介して得られた出力電圧Vo1とVo1を反転した出力電圧が負荷109aに印加される。この回路方式は、 B T L ( Balance Transformerlessま た は Bridged Transformerless) 回 路 と 呼 ば れ て いる。BTL回路では、第1低域通過フィルタ107aと第2低域通過フィルタ108aから負荷109aに印加される出力パルス電圧は、図2(b)に示すように、+Vと-Vとの2値となり、電源電圧の2倍の電圧変化幅となる。このため、スイッチングに伴う電磁不要輻射ノイズが大きくなり、図2(c)に示すように、出力パルスの周波数成分は非常に高い周波数まで広がってしまう。
スイッチングに伴う電磁不要輻射ノイズの発生を抑制するためには、D級増幅器を電磁シールド板で覆ったり、D級増幅器の各部にフィルタ回路を挿入する必要がある。しかし、電磁シールド板は高価であり、フィルタ回路も発生するノイズレベルが大きくノイズ周波数が高いほど、高価な素子を設ける必要がある。このため、D級増幅器の製造コストが上昇してしまう。
そこで、上記問題を解決したD級増幅器として、図3に示す従来例2のD級増幅器の構成が知られている。従来例2のD級増幅器は、三角波や鋸歯状波などを出力する基準信号源131に接続された第1パルス幅変調器103と第2パルス幅変調器104とを備える。第1パルス幅変調器103は信号源101に直接接続される。第2パルス幅変調器104は信号反転器102を介して入力信号源101に接続される。第1パルス幅変調器103と第2パルス幅変調器104の出力のそれぞれを第1低域通過フィルタ107と第2低域通過フィルタ108を介して負荷109の異なる端子に接続している。
従来例2のD級増幅器によれば、図4(b)に示すように、第1パルス増幅回路105と第2パルス増幅回路106の出力間に得られる差動パルス電圧Vo'は、その極性が入力信号V I N の極性に応じて変調されると共に、常にグランドレベルを基準として出力される。このため、差動パルス電圧Vo'の振幅は常に電源電圧Vと同一の大きさに抑制される。それ故、この回路方式はパルス極性変調方式とも呼ばれる。パルス極性変調方式では、図4(b)に示すように、差動パルス電圧Vo'の振幅が図2(b)に示す従来例1の増幅器による出力パルス電圧に対して半減される。また、図4(c)に示すように、点線部分に相当する出力パルスの周波数スペクトルの奇数次高調波成分が消滅する。また、図4(b)に示す差動パルス電圧Vo'のパルス周波数は、図2(b)のVo1'-Vo2の2倍になるので、低域通過フィルタの遮断周波数を高く設計して小型化しコスト低減することもできる。
しかしながら、実際の実施例2のD級増幅器では、例えば信号反転回路の挿入による伝播遅延量などがあるため、パルス出力の周波数成分の主体をなす奇数次高調波を十分に低減することができなかった。
本発明の課題は、パルス出力の周波数成分の主体をなす奇数次高調波を大幅に低減して、電磁不要輻射を大幅に低減でき、しかも安価な増幅器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第一の技術的側面に係るD級増幅器は、信号源からの入力信号を反転させた反転信号を生成する信号反転器と、信号源からの入力信号に対してパルス幅変調を施す第1パルス幅変調器と、 電 源 の 両 端 に 直 列 に 接 続 さ れ た 第 1 ス イッ チ ン グ 増 幅 素 子 と 第 2 ス イ ッ チ ン グ 増 幅 素 子 と を 有 し 、 前 記 第 1 ス イ ッ チ ン グ 増 幅 素 子と 前 記 第 2 ス イ ッ チ ン グ 増 幅 素 子 と を 交 互 に オ ン / オ フ す る こ と に よ り 第 1 パ ル ス 幅 変 調器 か ら の パ ル ス 幅 変 調 信 号 を 増 幅 す る 第 1 パ ル ス 増 幅 器 と 、 反転信号に対してパルス幅変調を施す第2パルス幅変調器と、 前 記 電 源 の 両 端 に 直 列 に 接 続 さ れ た 第 3 ス イ ッ チ ン グ 増幅 素 子 と 第 4 ス イ ッ チ ン グ 増 幅 素 子 と を 有 し 、 前 記 第 3 ス イ ッ チ ン グ 増 幅 素 子 と 前 記 第 4ス イ ッ チ ン グ 増 幅 素 子 と を 交 互 に オ ン / オ フ す る こ と に よ り 第 2 パ ル ス 幅 変 調 器 か ら の パル ス 幅 変 調 信 号 を 増 幅 す る 第 2 パ ル ス 増 幅 器 と 、 第1パルス 増 幅 器からのパルス幅変調信号の低域周波数成分のみを通過させる第1低域通過フィルタと、第2パルス 増 幅 器からのパルス幅変調信号の低域周波数成分のみを通過させる第2低域通過フィルタ と 、 信 号 源 と第 1 パ ル ス 幅 変 調 器 の 間 に 接 続 さ れ 、 信 号 源 か ら の 入 力 信 号 を 所 定 の 時 間 遅 延 さ せ た 遅 延信 号 を 生 成 し 、 生 成 し た 遅 延 信 号 を 第 1 パ ル ス 幅 変 調 器 に 出 力 す る 信 号 遅 延 器 と を 備 え 、信 号 遅 延 器 は 、 信 号 源 か ら の 入 力 信 号 と 信 号 反 転 器 で 反 転 さ せ た 反 転 信 号 と の 間 の 遅 延 時間 に 相 当 す る 遅 延 時 間 だ け 入 力 信 号 を 遅 延 さ せ た 遅 延 信 号 を 生 成 し 、 第1低域通過フィルタからの信号と第2低域通過フィルタからの信号を負荷に出力する。
このような構成により、パルス出力の周波数成分の主体をなす奇数次高調波を低減することができる。
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