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有機‐無機ペロブスカイト化合物は有機カチオンとハロゲン化金属から構成される化合物であり、現在太陽電池材料として注目されている。一方で、原材料が限られており、特性の幅に制限がある。現状では有機アンモニウムから合成される有機‐無機ペロブスカイト化合物が主であるが、本発明は、新たにホスホニウムを有する有機カチオンを用いて有機‐無機ペロブスカイト化合物を得ることに成功した。
ペロブスカイト化合物、薄膜、光吸収材料、光電変換素子及び太陽電池
有機・無機ペロブスカイト化合物は、2009年に太陽電池の新規吸収材料として報告
された。報告当初は発電効率に問題があったものの、近年では、発電効率が急速に改善さ
れ、世界における太陽電池開発の主役ともいえる存在となっている。
太陽電池等のデバイス開発において、有機・無機ペロブスカイト化合物としては、一般
にハロゲン化金属と有機アンモニウムからなる化合物が用いられている。中でも現在主に
用いられている三次元ペロブスカイトは、その耐湿性の低さが問題となっている。一方で
、層状ペロブスカイトは耐湿性や安定性に優れるものの、基板に対してペロブスカイト層
が水平に配向するため、有機アンモニウムの絶縁性により垂直構造のデバイスにおいて電
荷輸送効率が低いという欠点がある。
なお、これまでに、有機アンモニウムの代わりに有機ホスホニウムが用いられた鎖状結
晶構造を有するペロブスカイト化合物が知られている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【非特許文献1】Dalton Transactions,2017,46,9528
−9534.
本発明の課題は、層状ペロブスカイトの基板に対する垂直配向性、及び耐熱性に優れた
新規の有機・無機ペロブスカイト化合物を提供することにある。
本発明の課題を達成すべく、本発明者らは鋭意検討した結果、これまで用いられていた
有機アンモニウムの代わりに有機ホスホニウムを用いることにより、得られる層状ペロブ
スカイトの基板に対する垂直配向性、及び耐熱性が向上することを見出し、本発明を完成
させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] ハロゲン化金属とホスホニウムからなるペロブスカイト化合物であって、ホスホ
ニウムが4個以上の炭素原子を有するペロブスカイト化合物。
[2] ホスホニウムが、一般式:R 1 R
2 R
3 R
4 P
+ 〔式中、R 1 は、置換基を有し
ていてもよい炭素原子数4以上の炭化水素基を示し、R 2 、 R 3 及びR 4 は、それぞれ独
立して、水素原子、又は炭素原子数1〜6の炭化水素基を示す。〕で表されるホスホニウ
ムである、上記[1]に記載のペロブスカイト化合物。
[3] 一般式:(R 1 R
2 R
3 R
4 P ) 2 M X 4 、(R 1 R
2 R
3 R
4 P ) 4 M 3 X 1
0 、又は(R 1 R
2 R
3 R
4 P ) 2 M X 6 〔式中、R 1 は、置換基を有していてもよい炭
素原子数4以上の炭化水素基を示し、R 2 、 R 3 及びR 4 は、それぞれ独立して、水素原
子、又は炭素原子数1〜6の炭化水素基を示し、Mは、金属原子を示し、Xは、ハロゲン
原子を示す。〕の何れかで表される上記[1]又は[2]に記載のペロブスカイト化合物
。
[4] R 1 が、炭素原子数4〜18の炭化水素基である、上記[2]又は[3]に記載
のペロブスカイト化合物。
[5] R 1 が、炭素原子数4〜18の直鎖のアルキル基である、上記[2]〜[4]の
何れかに記載のペロブスカイト化合物。
[6] R 2 、 R 3 及びR 4 が、メチル基である、上記[2]〜[5]の何れかに記載の
ペロブスカイト化合物。
[7] Mが、鉛原子、錫原子、インジウム原子、アンチモン原子、ゲルマニウム原子、
カドミウム原子、クロム原子、マンガン原子、鉄原子、コバルト原子、及び銅原子からな
る群から選ばれる金属原子である、上記[3]に記載のペロブスカイト化合物。
[8] Mが、鉛原子である、上記[7]に記載のペロブスカイト化合物。
[9] 上記[1]〜[8]の何れかに記載のペロブスカイト化合物を含む薄膜。
[10] 上記[1]〜[8]の何れかに記載のペロブスカイト化合物を含む光吸収材料
。
[11] 電子輸送層と、ホール輸送層と、前記電子輸送層と前記ホール輸送層との間に
配置された光吸収層とを備える光電変換素子であって、前記光吸収層が、上記[1]〜[
8]の何れかに記載のペロブスカイト化合物を含む光電変換素子。
[12] 上記[11]に記載の光電変換素子を備える太陽電池。
本発明のペロブスカイト化合物によれば、基板に対する垂直配向性、及び耐熱性に優れ
た層状ペロブスカイトを得ることができる。
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