フロー化学プロセス用分離デバイスの開発

2022.11.07 By 大阪府立大学 大学院 工学研究科物質・化学専攻化学工学分野 教授 武藤明徳

材料工学

技術の概要

有機合成化学プロセスにおいて,最近,ミリサイズ以下の円管を使った連続合成(フロー合成)が注目されている。この合成法は,従来の実現できなかった高い選択性,短い反応時間,柔軟な量的調整が可能である。フロー合成の後段には,これに相応しい分離用装置が必要である。合成修了後の,(1)迅速抽出のためのマイクロリアクター,(2)エマルジョンを交流電場印加により油相と水相に分離する解乳化マイクロリアクターを紹介する。これらは,有機物合成のほか,高価金属イオンのリサイクルにも広く適用可能である。

技術の特徴

【要素技術】

  • 油水相の交互流による高速連続抽出
  • 交流電場による高速連続解乳化

【用途】

  • 有機合成フロープロセスを支えるマイクロリアクターの開発
  • マイクロ化学プロセスに適した分離操作用デバイスの開発
  • 「抽出」および「解乳化(エマルジョンの破壊)」用デバイスの開発

図フロー有機合成プロセスにおける分離デバイス

 

 

 

適用分野

【想定される用途】

  • マイクロ化学プロセス,特にフロー合成の分離操作
  • フロー合成におけるエマルジョンの解乳化
  • 金属イオンの高速抽出によるリサイクルポロセスの構築

【希望する「組織」連携体制】

  • 基礎技術の深化: 大学 (発表者)
  • 生産技術の高度化:大学 (発表者)
  • 化学プロセスの実用化(機能性材料製造、金属イオンのリサイクル):企業
  • 社会実装システムの開発:大学(発表者),企業,その他(国プロへの提案)

技術の内容

【提案する内容】


1) 武藤明徳,ケミカルエンジヤリング,67, 670-676(2016), 2) T. Yamamoto et al., Proc. of the 10th International Conference on Separation Science and Technology (ICSST14), HP-12(2014), 3) A. Muto et al., Solvent Extr. Ion Exch., 35, 61-73(2017), 4) A. Muto et al., Sep. Purif. Technol., 156, 175-182(2015), 5) A. Muto et al., Colloids Surfaces A., 506, 228-233(2016)

【現時点での評価】

  1. 有機合成フロープロセスの後処理に有望である
  2. W/O, O/W エマルジョンにおいて迅速な解乳化の可能性がある
  3. イオン回収などリサイクルプロセスへの適用も可能である

特許情報

発明の名称 解乳化装置および解乳化方法 概要

エマルジョンを交流電場を与えることにより迅速にエマルジョンを破壊(解乳化)する装置に関する発明である。この装置は,エマルジョンに非接触で,低電力で,装置の構造も簡単である。適用範囲は広いと考えられる。

出願番号 特願2014-147913
出願人 大阪府立大学
代表発明者 武藤明徳

研究者からの一言

フロー合成プロセスの研究開発およびその実用化は「待ったなし」です。
世界で勝ち残る化学製品の製造プロセスを確立したいと考えています。

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