光学材料、光学素子、及び物品の屈折率を変化させる方法

2022.10.17 By 神奈川大学

材料工学

技術概要

外部からの光、熱エネルギーをトリガーに屈折率が大きく変化する光通信デバイス用材料。

背景

 自身の屈折率を変化させる機能を有する材料は、高分子導波路や光スイッチのような光通信デバイスや、光ディスクのように高密度な記録容量を有する記録デバイス等の開発に有用である。近年、通信技術や情報技術の急激な発展に伴い、光信号を光のまま変換、加工することのできるデバイスの中核を担うこうした材料の開発が強く求められている。

 このような材料の一つとして、例えば、非特許文献1には、高分子中にフォトクロミック色素を分散させたものが提案されているが、フォトクロミック色素は光を吸収する性質があるとの観点や、デバイス作製のために十分な成膜性を確保する必要があるとの観点から、高分子中に分散させることのできるフォトクロミック色素の上限量が存在し、得られる屈折率変換性能には限界がある。

 また、自身の屈折率を増加させる材料については数例しか知られておらず、例えば、非特許文献2には、ナフチルエステル化合物の光フリース転位反応を利用した屈折率変換材料が提案されている。しかし、この光フリース転位反応は、ナフチルエステル化合物の転化率は高いものの、屈折率の増加した転位生成物であるヒドロキシケトンの生成率は低く、屈折率の増加に寄与しない、脱炭酸によって生じた化合物が主生成物になるという問題を有する。この問題は、材料を実用化する上で大きな障害となる。

【先行技術文献】
【非特許文献】
【非特許文献1】Murase,S.;Shibata,K.;Miyashita,Y.;Horie,K.Polym.J.,2003,35,203-207.
【非特許文献2】Griesser,T.;Hofler,T.;Jakopic,G.;Belzik,M.;Kern,W.;Trimmel,G.J.Mater.Chem.,2009,19,4557-4565

課題

 本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、外部から光や熱等のエネルギーの供給を受けることによって、屈折率が大きくなる特性を有する光学材料を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、外部から光や熱等のエネルギーの供給を受けることによって、屈折率が大きくなる特性を有する化合物を利用して物品の屈折率を変化させる方法を提供することを第2の目的とする。

手段

 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、外部からエネルギーを供給されることにより生じる構造変化に伴い、C=Xで表される極性基(XはO又はSである。)を生成し、屈折率が大きくなる有機化合物を使用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。

 (1)本発明は、外部からエネルギーを供給されることにより生じる構造変化により、C=Xで表される極性基(XはO又はSである。)を生成し屈折率が大きくなる有機化合物を含む光学材料である。

 上記有機化合物は、置換されていてもよいエノール又はチオエノール基を有し、前記構造変化により、この置換されていてもよいエノール又はチオエノール基がケト又はチオケト基に変換され、上記極性基を生成させるものであることが好ましい。

効果

 本発明によれば、第1には、外部から光や熱等のエネルギーの供給を受けることによって、屈折率が大きくなる特性を有する光学材料が提供される。また、本発明によれば、第2には、外部から光や熱等のエネルギーの供給を受けることによって、屈折率が大きくなる特性を有する化合物を利用して物品の屈折率を変化させる方法が提供される。

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特許情報

特開2012-180327

JPA 2012180327-000000