酸素過剰型金属酸化物並びに酸素吸脱着装置及び酸素濃縮装置

2022.10.17 By 神奈川大学

材料工学

技術概要

従来よりも酸素脱吸着の裕度に優れた結晶構造を有する酸素過剰型金属酸化物  

用途・応用

酸素吸脱着装置及び酸素濃縮装置

背景

 従来から、燃料電池や排ガス浄化装置の三元触媒など幅広い技術分野において、温度変化により酸素の吸脱着を行うことができる材料の開発が求められている。このような材料としては、ZrO 2 -CeO 2 (CZ)、Bi 4 V 2 O 1 1 (BIMEVOX)、YBa2 C u 3 O 6 + δ (Y-123)等の金属酸化物(セラミックス材料)が知られている。

 このような金属酸化物として、本発明者らは、酸素不定比性(不定比量:δ)を持つ酸素過剰型金属酸化物を新たに開発し、既に報告している。すなわち、YBaCo 4 O 7 +δ 等の一般式A j B k C m D n O 7 + δ で表される酸素過剰型金属酸化物が、500℃以下の低温域、特に200~400℃で多量の酸素を急速に吸収し、温度が上がると酸素を放出するという、顕著な熱重量変化特性を備えることを見出し、これが高性能酸素貯蔵用又は酸素選択膜用のセラミックスとして適した性能を有することを報告している。また、この酸素過剰型金属酸化物は、酸素の吸脱着時に相変化を生じさせていることが報告されている。

課題

 本発明者らは、さらなる検討を進め、上記の酸素過剰型金属酸化物の酸素吸脱着能力のさらなる向上を模索した。そして、酸素吸脱着能力のうち酸素吸脱着速度及び酸素最大吸着量に改善余地があることを見出した。

 本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。すなわち本発明は、酸素吸脱着速度に優れ、最大酸素吸着量が大きい、新規な酸素過剰型金属酸化物を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、上記の酸素過剰型金属酸化物を用いた、新規な酸素吸脱着装置及び酸素濃縮装置等を提供することにある。

手段

 本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した。その結果、上述した一般式A jB k C m D n O 7 + δ で表される従来の酸素過剰型金属酸化物と同様のストイキオメトリを 有 し な が ら も 、 従 来 よ り も 酸 素 脱 吸 着 の 裕 度 ( Tolerance) に 優 れ る 結 晶 構 造 を 有 す る酸素過剰型金属酸化物の合成に成功し、この酸素過剰型金属酸化物を用いることで上記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。 

効果

 本発明によれば、改善された酸素吸脱着性能を有する新規な酸素過剰型金属酸化物を提供することができる。より具体的には、酸素吸脱着量に優れるのみならず、酸素吸脱着速度が高い酸素過剰型金属酸化物を提供することができるので、酸素貯蔵用又は酸素選択用の実用的なセラミックス材料が実現される。そして、本発明の酸素過剰型金属酸化物を用いることで、実用性能に優れる酸素濃縮装置及び酸素吸脱着装置等を提供することができる 。 

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特許情報

特開2019-043833

JPA 2019043833-000000