プラズマエッチング装置

2022.10.17 By 新潟大学

材料工学

技術概要

被加工材が固定された電極を高温に加熱するための外部ヒータあるいは埋め込み式ヒータを設けることなく、簡易な構成により自己加熱し、難加工材料のプラズマエッチング処理が可能となるプラズマエッチング装置を提供する。

用途・応用

センサ・マイクロマシン

背景

 従来から、シリコンや酸化膜を被加工材としたプラズマエッチング装置が知られている。この種のプラズマエッチング装置としては、例えば半導体デバイスの製造プロセスにおいて、被加工材としての半導体ウェハ(半導体基板)に形成された所定の層に所定のパターンを形成するために、レジストをマスクとしてプラズマによりエッチングするものが広く用いられている。特許文献1には、この種のプラズマエッチング装置が開示されている。

 特許文献1に開示のプラズマエッチング装置では、処理室内の電極上に被加工材としてのウェハが載置され、プラズマエッチング処理が行われる。

 また、近年では、上述した半導体デバイスの分野のみならず、センサ・マイクロマシン分野においてもプラズマエッチングを利用することが期待されている。

【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特開2009-283893号公報

課題

 ところで、従来のプラズマエッチング装置は、一般的に、被加工材としてシリコンや酸化膜を主対象としており、これら被加工材の特性により基本的な仕様が決められている。従って、センサ・マイクロマシン分野において用いられるチタンやチタン合金等の難加工材料を被加工材とする場合には、被加工材とエッチングガスとの反応生成物の揮発性が、シリコンや酸化膜を被加工材とする場合とは異なるため、従来のプラズマエッチング装置をそのまま活用することが難しい。

 また、難加工材料を被加工材とするプラズマエッチング装置としては、被加工材が固定される電極を高温に加熱するために外部ヒータあるいは埋め込み式ヒータを備える等の特殊な仕様を有するものが知られているが、より簡易な構成により、難加工材料の深掘りエッチングが可能なプラズマエッチング装置の開発が求められている。

 本発明の目的は、被加工材が固定された電極を高温に加熱するための外部ヒータあるいは埋め込み式ヒータを設けることなく、簡易な構成により自己加熱し、難加工材料のプラズマエッチング処理が可能となるプラズマエッチング装置を提供することである。

手段

 上記目的を達成するために、本発明の第1の態様としてのプラズマエッチング装置は、チャンバー内に設置された被加工材をプラズマ放電によってエッチングするプラズマエッチング装置であって、前記チャンバー内に位置し、前記被加工材を支持する電極を備え、前記電極と前記被加工材との間には、前記被加工材から前記電極への伝熱を妨げる伝熱抑制部材が設けられ、前記電極は、前記伝熱抑制部材を介して前記被加工材を支持 し 、 前 記伝 熱 抑 制 部 材 は 、 前 記 チ ャ ン バ ー 内 に 位 置 し 、 前 記 被 加 工 材 が 固 定 さ れ る ス テ ー ジ 部 材 であ り 、 前 記 ス テ ー ジ 部 材 は 、 前 記 電 極 と の 間 の 少 な く と も 一 部 に 空 隙 が 形 成 さ れ た 状 態 で前 記 電 極 に 支 持 さ れ る よ う に 構 成 さ れ て い ることを特徴とするものである。

 本発明の1つの実施形態として、前記ステージ部材は、前記被加工材が固定される平板状のステージ部と、前記ステージ部を支持する支持部と、を備え、前記ステージ部と前記電極との間に前記空隙が形成された状態で、前記支持部が前記電極に支持されることが好ましい。

 本発明の1つの実施形態として、前記支持部は、前記ステージ部の厚み方向において、前記ステージ部よりも前記電極側に向かって突出している脚部を備え、前記ステージ部材は、前記脚部の先端部が前記電極と当接することにより、前記電極に支持されることが好ましい。

 本発明の1つの実施形態として、前記支持部は、前記ステージ部の側面と一端部が連続し、前記ステージ部を前記厚み方向から見た場合に前記ステージ部の外縁から外方に向かって延在する梁部を更に備え、前記脚部は、前記ステージ部を前記厚み方向から見た場合に前記ステージ部の外縁よりも外側に位置しており、前記梁部の他端部と連続していることが好ましい。

 本発明の1つの実施形態として、前記脚部は、前記ステージ部の前記電極側の下面に前記電極側に向かって突設されていることが好ましい。

 本発明の 第 2 の 態 様 としてのプラズマエッチング装置は、 チ ャ ン バ ー 内 に 設 置 さ れ た 被加 工 材 を プ ラ ズ マ 放 電 に よ っ て エ ッ チ ン グ す る プ ラ ズ マ エ ッ チ ン グ 装 置 で あ っ て 、 前 記 チャ ン バ ー 内 に 位 置 し 、 前 記 被 加 工 材 を 支 持 す る 電 極 を 備 え 、 前 記 電 極 と 前 記 被 加 工 材 と の間 に は 、 前 記 被 加 工 材 か ら 前 記 電 極 へ の 伝 熱 を 妨 げ る 伝 熱 抑 制 部 材 が 設 け ら れ 、 前 記 電 極は 、 前 記 伝 熱 抑 制 部 材 を 介 し て 前 記 被 加 工 材 を 支 持 し て お り 、 前記チャンバー内に位置し、前記被加工材が固定されるステージ部材を備え、前記伝熱抑制部材は、断熱材で構成された断熱部材であり、前記電極は、前記断熱部材を介して前記ステージ部材を支持すること を 特 徴 と す る も の で あ る 。

 本発明の1つの実施形態として、前記ステージ部材は、アルミ、ステンレス又は銅で形成されていることが好ましい。

 本発明の1つの実施形態としてのプラズマエッチング装置は、前記電極を第1電極とした場合に、前記チャンバー内で前記第1電極と対向して配置された第2電極と、前記第1電極に高周波電圧を印加する電源と、前記第1電極を冷却可能な冷却器と、を更に備えることが好ましい。

効果

 本発明によれば、被加工材が固定された電極を高温に加熱するための外部ヒータあるいは埋め込み式ヒータを設けることなく、簡単な構成により、難加工材料のプラズマエッチング処理が可能なプラズマエッチング装置を提供することができる。

問い合わせ・詳細資料閲覧

特許情報詳細や資料のダウンロード等については無料会員登録後に閲覧していただけます。

本研究に関するご質問や、話を聞いてみたいなどご興味をお持ちになりましたら、是非お気軽に以下のフォームにお問い合わせください。

特許情報

特許第6440298号

JPB 006440298-000000