美的な形状のまま折りたためる 多用途の容器

2022.10.06 By 明治大学

材料工学

技術概要

スプリングバックを抑制し、対称性を有する形状であっても容易に潰すことができる容器を提供する。
共願:アサヒグループホールディングス

用途・応用

ペットボトルなどの飲料容器

背景

 近年、ペットボトル等のように筒状に形成された容器を廃棄する際には、容器を小さく潰すことが求められている。従来では、容器をその軸方向に潰すための種々の手法が考案されている(例えば特許文献1参照)。

 特許文献1には、円筒状の胴部に、捩りが加えられることで、径方向に凹凸の生じた座屈パターンに変化し、胴部の軸方向に折り畳まれる座屈パターン事前体(螺旋構造筒部)を設けた容器が開示されている。座屈パターン事前体には、周方向に配列された複数の峰線(山折り線)と、隣り合う二つの峰線の上下端を架け渡すように形成された複数の谷線谷折り線)と、が形成されている。特許文献1の容器では、複数の峰線を不等間隔で配列することで、座屈パターン事前体の折り畳みに要する捩り力の低減を図っている。

 また、特許文献1には、座屈パターン事前体に捩りを加えてこれを折り畳み、さらに胴部を軸方向に潰すことで、座屈パターンが胴部の内側で折り返されて安定し、その結果として、容器の復元(いわゆるスプリングバック)を抑制することが記載されている。

【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特許第5713423号公報

課題

 ところで、ペットボトル等の容器は、所定の弾性を有する合成樹脂等の素材により形成されている。このため、特許文献1の容器であっても、容器素材の弾性によってスプリングバックが依然として生じる可能性がある。すなわち、ペットボトル等の容器では、スプリングバックの抑制をさらに図る余地がある。
 容器のスプリングバックをさらに抑制するためには、例えば容器を弾性の少ない素材で形成することも考えられる。しかし、この場合には、飲料等の液体が入っている状態においても容器が潰れやすいため、容器内の液体が漏れだしてしまう虞がある。

 また、特許文献1の容器では、螺旋構造筒部を構成する峰線が不等間隔で配列されているため、容器を小さな力で容易に潰すことはできるものの、対称性のない美観に劣る容器となってしまい、好ましくない。

 本発明は、上述した事情に鑑みたものであって、スプリングバックのさらなる抑制を図り、かつ、対称性を有する形状であっても容易に潰すことができる容器を提供することを目的とする。 

手段

 この課題を解決するために、本発明の容器は、筒状に形成された本体筒部を含む容器であって、前記本体筒部は、環状に形成されて、前記本体筒部の軸方向に間隔をあけて配列される複数のリング部と、前記軸方向に隣り合う二つのリング部の間に配され、前記二つのリング部を前記本体筒部の軸線を中心に相対的に回転させることで、前記二つのリング部が前記軸方向に互いに近づくように折り畳まれる螺旋構造筒部と、を備え、前記螺旋構造筒部は、前記二つのリング部同士を結ぶように前記軸方向に対して周方向に傾斜して延び、容器の外側から見て山折り線とされ、前記周方向に略等間隔で配列された複数の傾斜直線と、前記周方向に隣り合う二つの前記傾斜直線、及び、前記螺旋構造筒部と前記二つのリング部との接続線によって画成された四角形の対角同士を結ぶように前記軸方向に対して前記傾斜直線よりも大きな角度で傾斜して延び、容器の外側から見て谷折り線とされた複数の対角直線と、を有し、前記螺旋構造筒部は、その少なくとも一部がいずれか一方のリング部の内側に入り込むように折り畳まれ、前記螺旋構造筒部の周方向において前記傾斜直線の一端から他端に至る捩り角度が、前記二つのリング部のうち第一リング部の半径をrとし、第二リング部の半径をRとし、前記傾斜直線の数をnとし、前記軸方向における前記螺旋構造筒部の長さをhとして、以下の式(詳細資料に記載)で定義される捩り角度θ 0 以上であることを特徴とする。

 本発明の容器では、螺旋構造筒部の一部がいずれか一方のリング部の内側に入り込むように折り畳まれることで、螺旋構造筒部は本体筒部の内側で折り返されて戻りを抑えるよう安定するだけでなく、折り返された螺旋構造筒部が一方のリング部の内側に引っ掛る。これにより、折り返された螺旋構造筒部を一方のリング部の内側に保持することができる。したがって、容器を軸方向に潰した後のスプリングバックを従来よりもさらに抑制することができる。

効果

 本発明によれば、容器を軸方向に潰した後のスプリングバックを従来よりもさらに抑制でき、かつ、対称性を有する美観に優れた螺旋構造筒部を有しながら、容器を小さな力で容易に潰すことができる。

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特許情報

特願2017-201993

JPA 2019073318-000000