基材表面に形成された耐食・耐摩耗性合金皮膜材料及び形成法

2022.10.20 By 東京電機大学

材料工学

技術概要

綱の表面に、Crを固溶するFeAl金属間化合物からなる合金皮膜を付けることによって、耐磨耗性や、耐蝕性が高めることができ、その製造においては、溶融めっきや高温且つ長時間の加熱処理が不要な製造法を提供するものである。

用途・応用

・鉄製埋設鋼管の防食(水道管(下水,上水,工場用水,プラント,農業用水等)

背景

 従来、基材である鋼の表面に、純AlやAl-Si合金等を付着させたり、この付着させた金属元素を加熱で拡散させたりする手法は、アルミナイジング処理として知られている。アルミナイジング処理によれば、鋼の表面にアルミニウム皮膜又はアルミニウム合金皮膜が形成されることにより、鋼単体の場合に比較して、耐食性等の特性を向上させることができる。このうち、上記加熱を800℃以上で行う高温アルミナイジング処理を行うと、靱性に富むFe-Al合金皮膜が形成される。

 Al及びFeの2種、又はAl、Cr及びFeの3種を合金化させると、Fe-Al系、又はFe-Al-Cr系の合金皮膜が得られる。例えば、特許文献1には、Crの含有量が10~13原子%のCrを固溶するFeAl金属間化合物からなる合金皮膜が開示されている。このCrを固溶するFeAl金属間化合物からなる合金皮膜は、酸、アルカリ、塩に対する耐食性が優れ、靱性及び耐摩耗性に優れる。

課題

 しかしながら、拡散処理は高温で長時間であるため現実性に欠ける。例えば、特許文献1では、Crの含有量が10~13原子%のCrを固溶するFeAl金属間化合物からなる合金皮膜を製造するために、鋼の表面にAl-Cr合金を溶融めっきした後、これらを1050℃で10時間加熱している。このような拡散処理は量産品の場合は生産能力を著しく下げ、橋脚のような巨大な部材においては巨大な炉を用意する必要が生じるため、いずれにしても現実的でない。また、溶融めっきは高温の溶融金属及び槽を準備せねばならず、やはり効率に欠け、巨大な部材においては現実的でない。

 本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。本発明は、製造の際に溶融めっきや高温かつ長時間の加熱処理が不要な、Crを固溶するFeAl金属間化合物からなる合金皮膜、及びその製造方法を提供することを目的とする。

手段

 本発明の第1の態様に係る合金皮膜は、基材の表面に形成される、金属間化合物からなる合金皮膜であって、前記金属間化合物は、Crを固溶するFeAl金属間化合物である。

 本発明の第2の態様に係る合金皮膜の製造方法は、基材の表面に、金属間化合物からなる合金皮膜を形成する合金皮膜の製造方法であって、前記金属間化合物は、Crを固溶するFeAl金属間化合物であり、前記合金皮膜は、大気中、不活性ガス雰囲気中、又は基材上でCrを固溶するFeAl金属間化合物を生成し、前記基材の表面上で固化させることにより形成される。

効果

 本実施形態に係る合金皮膜によれば、製造の際に溶融めっきや高温かつ長時間の加熱処理が不要な、Crを固溶するFeAl金属間化合物からなる合金皮膜を提供することができる。

 本実施形態に係る合金皮膜の製造方法によれば、製造の際に溶融めっきや高温かつ長時間の加熱処理が不要な、Crを固溶するFeAl金属間化合物からなる合金皮膜を効率よく製造可能な製造方法を提供することができる。

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特許情報

特願2019-010204

243公開公報