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無機化合物とイオン性分子との静電相互作用を利用して、所望の異性体を高収率で得ることができる異性化反応制御方法、及び異性体製造方法を提供する
静電相互作用
異性体製造
分子の異性化反応に基づく物性変化を利用した技術は日常の身の回りに数多く存在する。多くの場合、異性化により分子の光吸収物性(例えば、色)や形状が変化する。近年、光を用いて異性化反応を誘起させ、異性化反応に伴う諸物性の変化を利用する研究が盛んになっている。例えば、DVD等の記憶材料においても、この異性化反応が主要な機能のもとになっている。光反応を利用した異性化反応(つまり、光異性化反応)は照射する波長を選択することにより誘起させる異性化反応を選択できる。一例として、色の変化を利用した例では、アゾベンゼンを骨格として有する材料を用いて、紫外線量が増加したときのみ着色するサングラス等がある。また、光異性化反応により形を変える材料も結晶や高分子を用いて試作されている。
例えば、従来、ハイドロタルサイト型化合物等のアニオン吸着能を有する無機層状結晶の熱分解物薄膜に、アニオン性スピロピラン系化合物等のアニオン性フォトクロミック分子と、芳香族炭化水素等の非極性分子とが吸着された構成を有するフォトクロミック薄膜が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載のフォトクロミック薄膜によれば、アニオン性のフォトクロミック分子の熱的安定性を向上させることができるので、光記録材料としての特性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特開平6-148791号
しかし、従来技術では、複数の異性化反応、又は正方向、逆方向の異性化反応が混在して起こる場合においては、通常、溶液中での異性化反応では特定の反応のみを選択的に誘起することは困難である。また、光異性化反応を利用する場合においても、複数の光反応の波長帯(つまり、光反応を引き起こすことが可能な波長帯域)が互いに重畳するような状況では、照射する光の波長を選択することによって、特定の異性化反応を優勢にすることができるものの、所望の反応生成物以外にも望まない副産物が生成してしまう。
例えば、アゾベンゼンの光異性化反応の場合、2種類の異性体(すなわち、シス体及びトランス体)間の異性化反応の光の吸収帯には重なる領域がある。紫外光をアゾベンゼンに照射するとシス体の比率が高くなり、可視光をアゾベンゼンに照射するとトランス体の比率が高くなるものの、光による異性化反応のみを用いてどちらか一方の異性体のみを得ることは極めて困難である。アゾベンゼンに照射する光の波長を厳密に選択し、所望の異性体が得られる光の波長を除く波長部分を極力カットすることで、ある程度、一方の異性体の収率を向上させることができるものの、実質的に一方の異性体のみを製造することはできないと共に、装置が大がかりなること等の弊害が大きい。
したがって、本発明の目的は、無機化合物とイオン性分子との静電相互作用を利用して、所望の異性体を高収率で得ることができる異性化反応制御方法、及び異性体製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、複数の第1電荷を含むと共に互いに隣接する複数の第1電荷が予め定められた間隔で表面近傍に配列している無機層状化合物の面上に、複数の第1電荷と引き合う複数の第2電荷を含み、複数の異性体を有する多価イオン性分子を接触させ、第1電荷と第2電荷との静電相互作用により一の異性体から他の異性体への異性化反応の加減速を制御する異性化反応制御工程を備える異性化反応制御方法が提供される。
本発明に係る異性化反応制御方法、及び異性体製造方法によれば、無機化合物とイオン性分子との静電相互作用を利用して、所望の異性体を高収率で得ることができる異性化反応制御方法、及び異性体製造方法を提供できる。
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