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私の研究室では極限環境・過酷環境で必要とされる材料の研究を展開しています。原子炉炉心で使われる材料は、高温強度・耐酸化/腐食特性・中性子照射環境に対する耐性の全てを満たす必要があります。要求される性質を全て満たせる可能性がある夢の材料が酸化物分散強化(ODS)合金です。金属や合金の粉末と酸化物(イットリアなど)の粉末を混ぜ合わせて、硬いボールでかき回すことで衝撃を与えて機械的に捏ねると、本来相容れない金属と酸化物が原子レベルで捏ね合わさります(メカニカルアロイング:MA)。MAした合金&酸化物の粉末を高温で押し焼き固めると、合金の中に数nm~十数nmの微細なナノ酸化物粒子が形成されます。ナノ酸化物粒子は高温や原子炉炉心環境でも安定で、合金中に非常に緻密に分散して材料の強度を保つ役割を持ちます。現在は鉄クロムアルミ系のODS合金の様々な特性を明らかにすることに注力しています。
研究室内で、開発・分析・強度試験・照射試験・シミュレーション解析までの全てを手掛けています。特に複数の高度な微細組織観察手法(例えば透過型電子顕微鏡と3Dアトムプローブ、後方散乱電子回折、X線回折など)を組み合わせた材料分析を得意としています。観察した微細組織を強度やその他の物性と関連付け、理論と実験の狭間で得た知見を材料設計に反映するスタイルで研究を行っています。
原子炉過酷事故時の高温を想定した模擬熱処理とその後の微細組織観察によって高温時の微細組織変化の予測式を構築した上で、合金中の微細組織変化が強度(硬さ)に及ぼす影響を解析しました。材料の強度を担う酸化物粒子は酸化物の種類によって成長のしやすさが異なります。これまで通常運転時の性質が調査されてきましたが、事故時を想定した1200℃超の高温においては安定な酸化物が(一部)通常運転時と異なることを明らかにしました。(Growth of oxide particles in FeCrAl-oxide dispersion strengthened steels at high temperature, Journal of nuclear materials 493, pp. 180-188.)
透過型電子顕微鏡(TEM)によるナノ析出物の解析
TEM内引張試験
微細組織解析に基づく加工熱処理手法の提案
金属学会・原子力学会・鉄鋼協会
『Development of Accident Tolerant FeCrAl-ODS Fuel Cladding for BWRs in Japan』・「Journal of nuclear materials」2021年
『Precipitation of various oxides in ODS ferritic steels』・「Journal of Materials Science」2019年
『Precipitation of Oxide Particles in Oxide Dispersion Strengthened (ODS) Ferritic Steels』「Materials Transactions」2018年
特開2018-070897「鉄−クロム−アルミニウム系酸化物分散強化型鋼およびその製造方法」
特開2013-181213「酸化物分散強化型ニッケル基超合金」
“Comprehensive Nuclear Materials: 2nd Edition”, (担当範囲: 3.06 Oxide Dispersion Strengthened Steels ), Elsevier, 2020年
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特開2018-070897「鉄−クロム−アルミニウム系酸化物分散強化型鋼およびその製造方法」
特開2013-181213「酸化物分散強化型ニッケル基超合金」